【世界のウィズコロナ】台湾・夏の国内観光、最大7,200円の宿泊補助で「離島」が人気:マスク・罰金・検温の「新しい日常」

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新型コロナウイルスの感染者数は世界で700万人を突破し、日本でも1万7,000人以上が感染しています。東京では連日10人以上の新規感染者が報告されており、未だに緊張した状態が続いています。

そんな中、台湾では6月7日時点で56日にわたり国内における新規感染者が報告されておらず、国内における新型コロナウイルスの流行の抑え込みに成功したともいえる状況が続いています。

台湾では、政府による緊急事態宣言も発令されておらず、会社や学校はパンデミックの最中でも通常通りに運営されていました。

これには、社会の維持を最優先として実施された各種の新型コロナウイルス対策が功を奏したことが背景として挙げられます。

そこで今回は、台湾の人々が通常通りの生活を維持するために実施されている数々の新型コロナウイルス対策について紹介します。


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新型コロナウイルスの抑え込みに成功した台湾

台湾は、新型コロナウイルスの流行が拡大する前に先手を打ち、1月20日には新型コロナウイルス対策本部となる中央感染症指揮センターを設立しました。

対策本部を設立した翌日の1月21日には台湾国内で初の感染者が確認されましたが、3月19日に外国人の入国を禁止した頃から次第に新規感染者の数は減少し、4月12日を最後に国内の新規感染者は確認されていません。

2か月近くに渡り国内で新規感染者が確認されていない台湾は、新型コロナウイルスの抑え込みに成功しているといえるでしょう。

【速報】台湾、日本からの入国者を事実上の隔離・入国制限へ:違反者に最大350万円の罰金

新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、台湾の中華民国衛生福利部疾病管制署は、3月19日より日本を含む合計20か国と米国の3州に対し、渡航警戒レベルを最大となる3に引き上げることを発表しました。これにより、対象国や地域からの入国者は、台湾標準時間の3月17日16時(日本時間3月17日17時)以降から台湾到着後に14日間の在宅検疫を求められます。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに...


海外からの帰国者には厳格な自宅隔離を実施

台湾では、海外からの帰国者による新型コロナウイルスの持ち込みを防ぐため、海外からの帰国者には一律で14日間の自宅隔離を実施しています。

自宅隔離中の外出は許されず、万が一無断で外出した場合は最大100万台湾ドル(約360万円)の罰金を科され、政府が設置した隔離用施設に収容されます。一方、14日間の自宅隔離を終えた者には補助金として1万4,000台湾ドル(約5万1,000円)が支給されます。

自宅隔離中は自治体による健康診断が毎日実施され、体温の記録を求められます。食事や買い物はUber EatsやFoodpandaなどの宅配サービスを利用するか、自治体の職員に購入を依頼できます。

海外旅行の代わりに国内旅行や国内消費を促進

台湾国内では安定した状況が続いているものの、日本を含む近隣諸国では新規感染者が連日確認されており、多くの国が外国人の入国を禁止していることから、海外旅行には行けない状況が続いています。

それでも観光を楽しみたい国民の需要に応えるべく、台湾政府(中華民国政府)は国内旅行や国内消費の活性化に乗り出しました。

7月1日より、台湾本島で団体旅行に出発する場合は1日700台湾ドル(約2,500円)、金門、馬祖、澎湖などの離島で団体旅行に出発する場合は1日1,200台湾ドル(約4,400円)の補助金が受け取れます。

また、個人旅行の場合は台湾本島で1,000台湾ドル(約3,600円)、離島で2,000台湾ドル(約7,200円)の宿泊費補助が受け取れます。

この他にも国内消費の刺激策として、1,000台湾ドル(約3,600円)で購入できる3,000台湾ドル(約11,000円)分のクーポン券を配布するなど、さまざまな対策が実施されています。

台湾日常での新型コロナウイルス対策を紹介

台湾では、国内旅行や国内消費の活性化を図ることで経済の安定を保っていますが、社会における新型コロナウイルスの感染防止としてはどのような措置が実施されているのでしょうか。

台湾版「マスクマップ」で混乱を鎮静化:IT大臣の「神対応」でマスク在庫が丸わかり

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、マスクの需要が急激に高まったため、薬局などの店頭でマスクが品薄となっています。同じくマスク不足の台湾では、政府によりマスクの供給が規制され、1人が購入できるマスクを週3枚までとする制限が施行されました。これに伴い、台湾のIT大臣こと唐鳳氏をはじめとする政府役員が各薬局のマスクの在庫をインターネット上に公開しました。この情報を活用して台湾の各エンジニアによりわずか数日で製作された「リアルタイムマスクマップ」は台湾中に普及しており、更に世...


公共の場所ではマスク着用、ソーシャルディスタンスを保つ対策も

新型コロナウイルスの流行以降、会社や学校などの人が多く集まる場所や、役所や図書館などの公共機関、電車やバスなどの交通機関ではマスクの着用が求められるようになりました。

特に電車やバスはマスクを着用しなければ乗車できず、違反した場合は最大30万台湾ドル(約109万円)の罰金が科されます。

公共施設ではマスクの着用と併せて検温も実施しており、37.5℃以上の発熱がある場合は入場を拒否するなどの措置も執られています。

▲[公共交通機関でのマスク着用と検温を求める掲示]:労働部
▲[公共交通機関でのマスク着用と検温を求める掲示]:労働部

他にも、レストランや映画館では席の間隔を広げたり、前後の座席に交互に着席させることで、客同士のソーシャルディスタンスを保っています。

いつも通りの生活、夏の旅行も

このように、台湾ではさまざまな場所で新型コロナウイルスの流行対策が実施されているため、多くの台湾人は安心して普段通りの日常生活を送っています。

日本では緊急事態宣言に伴い外出自粛が求められていましたが、台湾ではそのような呼びかけもなかったため、4月の清明節の連休では国内の観光地が多くの人で賑わいを見せました。

観光客が密集する形となったため新型コロナウイルスの感染拡大が危惧されましたが、幸いにも清明節が原因と見られる新規感染者は確認されませんでした。

台湾の大学は7月と8月に夏休みを設けていますが、この時期のホテルは離島を中心に予約が埋まり始めています。中でも台湾島の西側に位置する澎湖では7月6日から9月3日にかけて花火大会が開催されるため、夏休みの国内旅行先として特に人気を博しているようです。

▲[OTAで実施されている国内旅行キャンペーン]:ezTravel
▲[OTAで実施されている国内旅行キャンペーン]:ezTravel

アフターコロナに行きたい国トップ20にも入選

ここまで、新型コロナウイルスの抑え込みに成功した台湾で実施されている数々の感染防止対策について解説しました。

このように、新型コロナウイルスと無縁の生活が送れている台湾は、新型コロナウイルスの流行が落ち着いた後の旅行先としても高い人気を集めているようです。

OTAオンライントラベルエージェント)大手のBooking.comは、本年3月と4月に登録されたユーザーのウィッシュリストを元に「新型コロナウイルスの流行後に行きたい旅行先トップ20」を調査しました。

この中で台湾(台北)は第20位と、ランク入りを果たしたことが台湾でも話題となっています。新型コロナウイルス対策が上手く行っている国として、世界各国からの注目を集めているようです。

リベンジ消費とは/中国ではすでに消費拡大!インバウンド対策もアフターコロナに向けて始動

リベンジ消費とは、新型コロナウイルスの感染拡大を防止のための様々な自粛により、かえって消費意欲が高まり、活発な購入活動が見られる現象です。ECサイトの利用や国内旅行者の増加など、リベンジ消費を象徴する動きは中国や韓国で確認されており、消費活動がふたたび盛んになるのではないかと期待されています。「日本インバウンド・メディア・コンソーシアム」が中国のネットユーザーを対象に実施した調査では、新型コロナウイルスの収束後に訪れたい国として日本がトップになるなど、収束を見越したインバウンド対策も重要に...


第1位はイギリス・ロンドン、ヨーロッパ諸国が多数入選

新型コロナウイルスの流行後に行きたい旅行先トップ20の第1位を獲得したのは、イギリス・ロンドンでした。イギリスでは28万人以上の新型コロナウイルス感染者が確認されており、4万人を超える国民が新型コロナウイルスにより死去し、ロックダウン(都市封鎖)も実施されていましたが、人気の旅行先としての地位は引き続き保っているようです。

トップ20にはイギリスの他にもロシア(サンクトペテルブルク及びモスクワ)、フランス・パリ、スペイン(バルセロナ及びマドリード)など、ヨーロッパ諸国が多数ランク入りしています。

日本は第6位、多くの期待が寄せられている

ランキング上位の多くはヨーロッパ諸国の都市であったものの、アジアからは日本・東京、タイ・バンコク、インドネシア・バリ島、そして台湾・台北と4か国がランク入りしています。

この中で最も順位が高かったのは日本・東京で、第6位となりました。日本も新型コロナウイルスの抑え込みには至らない状況が続いていますが、アフターコロナの旅行先として多くのユーザーに期待されているようです。

台湾のウィズコロナ観光経済から学ぶ「安心感の醸成」

台湾は、新型コロナウイルス対策本部の設立や外国人の入国制限を早期に実施したことが功を奏し、4月の段階で新型コロナウイルスの抑え込みに成功しました。政府と企業が一丸となり、マスク着用や検温、ソーシャルディスタンスの確保などの感染防止策を実施すると同時に、消費を喚起すべく割引キャンペーンの実施やクーポン券の配布などを実施しています。

世界各国で、人と人の距離を保ちながらの日常がしばらく続くと考えられます。観光客の渡航開始まではまだ時間が必要と考えられますが、この形式を前提とした観光やレジャーについて発信していくことで、安心感のある旅行先のイメージを形成していくことができるでしょう。


参考資料

Booking.com:https://globalnews.booking.com/bookingcom-reveals-the-top-travel-dreams-of-a-world-in-waiting/

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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