5月免税売上7.7億円に「回復」4月の5億円から:前年比では97.5%減、入国制限影響【日本百貨店協会】

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6月23日、日本百貨店協会・インバウンド推進委員会は、2020年5月免税売上高・来店動向の速報を発表しました。

免税総売上高は前年同月比から97.5%減、購買客数は前年同月比から99.3%減にまで落ち込みました。4月に引き続き低水準が続いており、新型コロナウイルスによる入国制限の影響で5月の訪日外客数がわずか1,700人となったことが大きな要因であるといえます 。

一人あたりの購買額は、前年同月が約9万円だったところから約24万1,000円と大きく増加しました。

《注目ポイント》

  1. 免税総売上高は前年同月比から97.5%減、購買客数は99.3%減に
  2. 一人あたりの購買単価は前年同月から大きく増加し約24万円に
  3. 免税手続きカウンターの来店数、中国は入国制限でも1位をキープ

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免税総売上高は前年同月比97.5%減、購買客数は99.3%減

日本百貨店協会・インバウンド推進委員会2020年5月分の百貨店免税売上高・来店動向の速報が発表されました。この調査は、90店舗の「インバウンド推進委員店」を対象として行われたものです。

免税購買客数および免税総売上動向の推移を表したグラフ
▲[免税購買客数および免税総売上動向]:日本百貨店協会、免税売上高・来店動向より訪日ラボ作成

5月分の免税総売上高は約7億7,000万円、購買客数は約3,200人でした。

前年同月比では免税総売上高が97.5%減、購買客数が99.3%減とどちらも大きく落ち込みましたが、4月はそれぞれ約5億円、約2,400人であったことから、前月と比較すると若干回復しているともとれます。

5月中も多くの国が入国制限の対象になっていたことを考えると、これら購買の多くは5月中に訪日した観光客によるものとは考えにくいでしょう。

入国から6か月経過していなければ免税の対象となるため、入国制限が始まる前に訪日し、日本に滞在し続けている外国人が免税売上高を支えていると推測できます。

一人あたり購買単価は24万円突破

一人あたり購買単価については、前年同月が約9万円、前月が約21万円だったところから、5月は約24万1,000円とさらに上昇しました。

長期間日本に滞在している外国人のうち、経済的に余裕のある層がインバウンドによる購買の中心を占めており、それによって購買単価に上昇傾向がみられたと考えられます。

化粧品・ハイエンドブランド人気が継続

人気のあった商品は以下の通りです。

順位 商品カテゴリー
1位 化粧品
2位 ハイエンドブランド
3位 婦人服・洋品
4位 婦人服飾雑貨
5位 食料品

4月と比較すると、婦人服飾雑貨と子供服・雑貨の順位が下がり、婦人服・洋品や食料品の順位が上昇しました。

化粧品の1位が継続している理由として、免税手続きカウンターの来店数1位である中国国内で日本の化粧品に対する「安全・安心」というイメージが浸透していることや、「中国Instagram」といわれる中国SNS小紅書RED)」などで口コミが広がっていることが挙げられます。

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中国1位は継続

5月の免税手続きカウンターの来店国別順位は、以下の通りです。

順位
1位 中国
2位 台湾
3位 韓国
4位 香港
5位 マレーシア
6位 タイ
7位 シンガポール

4月と比較すると、台湾韓国が入れ替わったほかは順位に変動はありませんでした。

中国全土に対する入国制限は3月から始まっていましたが、それにもかかわらず中国はいまだ1位を維持しています。その要因としては、日本に引き続き滞在している訪日中国人が免税手続きカウンターを利用していることが考えられます。

インバウンド受け入れ再開は7月から/6月分も低水準続く見通し

6月26日現在、日本は111の国・地域からの入国を拒否しています。そのため、6月分の免税売上高も低迷すると予想されます。

政府は7月から4か国への入国制限を緩和する方針を打ち出し、6月25日にはベトナムとの相互の入国制限緩和に合意しました。

今後徐々に緩和が進められていくと予想されますが、現時点で対象者はビジネス目的の客に、受け入れ人数は1日250人程度に限るとされており、観光客の受け入れ再開はかなり先となる見通しです。7月も免税売上の大幅回復は見込めないでしょう。

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日本百貨店協会:2020年5月の免税売上高・来店動向【速報】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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