訪日外国人は、日本を訪れる前にあらかじめインターネットなどで情報を収拾します。
観光庁が2019年に行なった「外国人旅行者に対するアンケート調査」によると、外国人観光案内所を訪問しなかった外国人旅行者が、訪日旅行の際に必要とした情報として「目的地までの公共交通の経路・情報」(73.6%)、「公共交通の利用方法(乗り方)、利用料金」(61.8%)、「観光情報(見所、文化体験等)」(60.9%)などと回答しています。
訪日外国人が日本を訪れる前の情報収拾時や日本滞在時に困らないよう、インターネットサイトにて日本の情報をわかりやすく発信していくことが重要です。
この記事では、訪日外国人向けに日本情報を発信しているサイトを挙げ、インバウンド向けのサイトに必要な情報について解説します。
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訪日外国人に向けて日本を紹介する
インターネットで日本を紹介する際、日本語だけの発信では外国人に情報を伝えられません。漢字やひらがな、カタカナの混合した日本語は独特な言語であり、外国人から見ると大変複雑であるためです。
以下では、訪日外国人に日本の情報を発信する際、留意すべきポイントについて解説します。
海外配信サイトに必要な要素
海外へ向けて日本の情報を発信していく際は、外国人も理解できるよう多言語に対応することが大切です。
訪日外国人は世界各地のさまざまな国から訪れるため、英語のみならず、できるだけ多くの言語に対応する必要があります。まずは英語、中国語、韓国語への対応から始め、訪日外国人の多い地域から対応していくこともひとつの手段です。
翻訳の際には、翻訳アプリよりも翻訳会社に依頼した方が自然で正確な文章になります。
また、情報の内容も重要です。店のコンセプトや支払いの方法、アクセス、口コミ評価などの情報を詳しく記載することで、訪日外国人にも安心感を持ってもらえます。
店の魅力が伝わる画像や動画も添えれば、より効果的に魅力を伝えられます。
訪日外国人が予約する際は、言語の違いが障壁となります。サイト内で来店予約ができれば、スムーズに予約を完了させられます。また、店舗に外国語のできるスタッフがいない際には、労力が削減できるため店舗側にもメリットになるといえます。
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日本文化を発信するサイト
現在、さまざまなサイトで訪日外国人向けの日本情報の発信が行われています。オールマイティに情報を発信するサイトも多い一方で、特定の日本文化に特化して情報を発信するサイトもみられます。
以下では、グルメ・伝統工芸・侍・絶景スポット・移住生活といったジャンルごとに特化したサイトについて解説します。
レストランガイド「SAVOR JAPAN」
SAVOR JAPANは、グルメサイト「ヒトサラ」が訪日外国人を対象として運営しているサイトです。メニューや料理人の紹介、食事のマナーが詳しく記載されています。写真や動画はプロのカメラマンによって撮影され、外国語翻訳の質も高いため、非常に美しいサイト構成であることが特徴です。
予約は英語オペレーターを介しているため、訪日外国人もスムーズに予約ができます。また、中国の口コミサイト「馬蜂窩(マーファンウォー)」にも情報が掲載されており、中国からの観光客獲得にも注力しています。
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日本の伝統的工芸品を販売「Japan Marche」
Japan Marcheは、日本の伝統工芸品をはじめ、日本の自然や和食などのニュースを月間約30本配信しています。このサービスにより外国人ユーザーは、日本各地の名所や食べ物についての情報を得られます。
また、海外で販売したい日本の伝統工芸品メーカーとも契約し、品揃えの更なる充実を図っています。Eコマースのサイトを持っているメーカーは、このサイトを通じ、日本の文化や工芸品に興味を持っている外国人へアプローチができます。
このサービスにより外国人ユーザーは、日本の伝統工芸品の美しさや価値を知り、実際に入手することもできます。
侍の文化を発信する「Samurai Museum」
Samurai Museumは、侍の文化や日本音楽の体験ができる施設のサイトです。
侍は、言葉自体が「SAMURAI」として海外にも知られており、世界的に関心を集めています。訪日外国人は侍といった独自の切り口を通じ、ディープな日本の文化に触れる体験ができます。
訪日外国人向けに情報を発信するサイトも多い中で、Samurai Museumのように特定のジャンルに特化したサイトは、他との差別化につながります。
絶景スポットを紹介する「ZEKKEI Japan」
ZEKKEI Japanは、日本の絶景スポットについて写真を中心に紹介しているサイトです。対応言語は英語、日本語、簡体字、繁体字、ミャンマー語、ベトナム語、インドネシア語の7種類です。
訪日外国人の数は年々増加しているものの、彼らの旅行先は交通の便が良い都市部や有名な観光スポットへ集中しています。
そこでZEKKEI Japanでは、プロカメラマンの良質な写真を中心に地方の絶景を掲載し、訪日外国人が写真をきっかけとして旅の計画を立てることを狙いとしています。視覚に訴えかけることで、外国人へ「自分も行ってみたい」「いったらどうなるだろう」という感情を呼び起こさせます。
日本暮らしの情報サイト「GaijinPot」
GaijinPotは、訪日外国人が実際に移住を検討する際に参考とするサイトです。
日本での仕事、学校、住まい探しなどの情報が掲載されています。対応言語は日本語と英語の2種類です。
日本での生活をテーマとしたサイトであるため、観光用のように華やかな情報ではなく、文化の違いや悩みの解消といった日常的な情報が発信されています。サイト内では不要物の売買やシェアメイトの募集、習い事クラスの情報発信なども行われており、外国人同士のコミュニティとしても機能しています。
日本観光ガイドサイト
訪日外国人向けに、日本の観光情報を掲載しているサイトが存在します。訪日外国人の中には、こうしたサイトを閲覧して旅行計画を練る人も多いと予想できます。
以下では、日本観光ガイドサイト4つを挙げて、特徴や発信情報といった概要を解説します。
JapanTravel.com
JapanTravel.comは、日本最大級の訪日外国人向けメディアです。13ヶ国語での展開をしており、月間PV数は500万回にも上ります。
特徴は、記事が訪日外国人に執筆されており、「外国人による、外国人のための情報発信」がなされていることです。訪日外国人や在留外国人の知りたい情報を、それぞれの国の言語で発信することで、幅広い読者のニーズにマッチする内容となっています。
このサイトで発信されている情報としては、各観光スポットの情報やレビュー、飲食店や体験イベントなどの予約機能、日本の旅行にまつわるニュースなどがあります。
Japan Travel by NAVITIME 訪日旅行者向けサービス
Japan Travel by NAVITIMEは、旅行前や旅行中の情報収集や旅行のプランニング、移動手段の検索、現地での体験をサポートしています。言語は日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語をはじめ、13言語に対応しています。
機能としては、NAVITIMEのメインサービスである経路検索やナビゲーションの機能から、旅行のプランニング機能や観光スポットの特設記事、モデルプランなどの観光コンテンツまで統合しており、訪日旅行に役立つサービスとなっています。
「Japan Travel by NAVITIME」複数の周遊パス検索が可能に
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Japan-guide.com
Japan-guide.comは、東京をはじめ、札幌・仙台・広島・大阪・京都・福岡など全国各地の観光情報を豊富に掲載しています。訪日前の注意事項や目的地・飲食店の検索、ツアープランの閲覧などの機能があり、対応言語は英語・中国語の2種類です。
このJapan-guide.comにおいて、月間PV数は1000万を誇っています。魅力としては充実したコンテンツとなっていることで、自宅から旅行気分を味わえる観光地の動画や外国人の執筆する観光地レポートなどもあり、訪日外国人の興味を惹いています。
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外国に旅行に行く際、情報を得るのに有用なツールの一つが現地の企業や政府が運営している旅行情報サイトです。日本にも複数の
Tsunagu Japan
Tsunagu Japanは、日本の文化、旅行、ファッション、食といった日本の魅力を紹介しているサイトです。日本のコンビニ情報、チェーン店情報、観光地レポートといったコラムから、交通情報、日本のマナー、気候といった訪日に役立つ情報まで、幅広いコンテンツを掲載しています。
PV数は月間400万以上を誇り、業界最大規模の訪日旅行メディアとなっています。
対応言語は、英語、中国語(繁体字、簡体字)、タイ語、ベトナム語、韓国語、インドネシア語の主に7言語で発信しています。特に繁体字圏からのアクセスは、全体の6割を超え、圧倒的な認知と強さを誇ります。
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海外向けサイトでインバウンド集客を
この記事では9つのインバウンド向けメディアを紹介しました。インバウンド向けメディアを作る際は、このような海外向けサイトの内容や構成を参考にできます。
サイト開設の際は、業界やビジネスに合わせたウェブサイトを作ることが重要です。例えば飲食店経営者は、サイト上に提供メニューや店内の写真、旅行者からの口コミなどを掲載することで、初めて訪れる訪日観光客にも店の雰囲気を伝えられます。
また、開設したサイトに商品を掲載するなど、サイトと連携して、自社ビジネスを発展させることもできます。このように、海外向けサイトの開設により、集客効果や売上の向上が期待できます。
現在、新型コロナウイルスの影響で、訪日外国人数は激減しています。しかし、今のうちにサイトを開設して情報を発信し、終息後に訪日したいと考えている訪日外国人の興味をひいておくことが大切です。
参考
訪日観光メディア「tsunagu japan」
「tsunagu Japan」は、業界最大級の
月間220万UUを達成した「tsunagu Japan」次なる展望「行動を喚起するメディアNo.1」への道のり
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