京都の日本人宿泊数、前年5割まで回復:Go To効果か【京都市観光協会 データ月報】

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京都市観光協会は8月31日、2020年7月の月報にて市内宿泊施設のデータを発表しました。

本調査では、京都市内における延べ宿泊者数や外国人比率、客室稼働率平均客室単価、客室収益指数のデータをもとに、京都市内の観光業の現状と今後の動向を予測しています。

2020年7月のデータでは、日本人延べ宿泊客数が前年同月の5割まで回復した一方で、外国人延べ宿泊客数は4か月にわたり「ほぼゼロ」の状態が続いていることが明らかになりました。市内宿泊施設の客室稼働率も微増傾向にはありますが、依然として厳しい状況は変わっていません。

このような現状ではありますが、政府が入国制限の緩和を進める見通しであるほか、Go To トラベルキャンペーンの実施による国内旅行の需要回復など、今後の観光業界の動向に注目が集まります。

本記事では2020年7月のデータをふまえ、今後予定されている入国制限緩和の方針や、Go To トラベルキャンペーンの実施から予測される、観光業界の今後について解説します。

《注目ポイント》

  1. 日本人延べ宿泊客数は前年同月の5割まで回復
  2. 外国人延べ宿泊客数は4か月にわたり「ほぼゼロ」
  3. Go To トラベルキャンペーンが一定の成果を見せたか
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日本人延べ宿泊客数は前年同月の5割まで回復

京都市の宿泊関連指標の変化(過去1年間)
▲[月ごとの指標の変化]:京都市観光協会データ月報(2020年7月)

京都市観光協会データ月報(2020年7月)によると、日本人延べ宿泊者数は11万5,449人と、新型コロナウイルスの影響により前年比50.1%減となっています。しかし、前月と比較すると前年比は26.3ポイント上昇しており、2か月連続で改善の傾向がみられました。

一方で外国人延べ宿泊客数は、前年同月比99.8%減の579人となり、4か月連続で「ほぼゼロ」の数値が続いています。

日本人と外国人を合わせた総延べ宿泊客数は11万6,028人と、前年同月比では78.6%減であるものの、直近では2か月連続で改善傾向にあります。

ただし外国人比率はわずか0.5%と、前年同月より56.9ポイント減少するとともに、6か月連続で単月としての最低値を更新しています。政府が新型コロナウイルスの水際対策として外国人の入国制限をしていることから、低迷が続いていると考えられるでしょう。

客室稼働率20.1%と、前月の15.5%よりも微増し、3か月連続で前月を上回る結果となりました。背景としては、緊急事態宣言の解除後に営業を再開する宿泊施設が増えるなかで、Go To トラベルキャンペーンも始まり国内旅行が活発化したことが挙げられます。

宿泊施設の収益指数(※客室稼働率平均客室単価から算出)も前年同月比77.0%減となった一方で、減少幅は3か月連続で改善しています。

入国制限緩和でインバウンド回復なるか

日本政府は現在、外国人の入国を制限する水際対策を講じていますが、ビジネス目的の場合に限り入国制限を段階的に緩和していくとしています。

7月29日からはタイとベトナムに対し、入国後の14日間の自主隔離を条件に、一部入国制限を緩和しています。

9月からも同様の条件で、シンガポールを対象に日本への入国制限を緩和し、行動範囲を限定したビジネス活動を許可するとしました。9月中旬以降は、マレーシア・カンボジア・ラオス・ミャンマーなどを対象に一部制限を緩和する方針です。

このような入国制限の緩和から、外国人延べ宿泊客数が徐々に回復していくことが予想できるでしょう。ただし、いずれの場合も観光客は受け入れ再開の対象としていないため、訪日外国人観光客数の回復にはまだ時間がかかるものとみられます。

国内旅行需要は回復傾向/今後の見通し

7月22日からはGo To トラベルキャンペーンが開始されましたが、夏休みシーズンの到来も相まって、国内旅行の需要は徐々に回復傾向にあります。京都市の日本人延べ宿泊者数に2か月連続で改善がみられたことも、この事実を裏付けるデータといえるでしょう。

現在東京都はGo To トラベルキャンペーンの対象外とされていますが、政府は9月上旬の感染状況を考慮した上で、対象に追加することも検討する意向です。東京が追加されれば、国内旅行需要の回復が一気に加速することも予想できるでしょう。

ただし、全国的に新型コロナウイルスの感染者数の増加が続いており、今後の状況によっては、国内旅行需要の回復に再び歯止めがかかる可能性が考えられます。

このように、依然として先行きが不透明な状況から、直前まで旅行の予約をしない人が多く、宿泊事業者としては収益の予測が難しい状況が続くことが懸念されます。

引き続き、新型コロナウイルスの感染状況や入国規制の緩和に関する最新動向を注視しながら、宿泊施設として安全への取り組みを発信するなど、旅行需要回復期の誘客促進に向けた取り組みが求められるでしょう。

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<参照>

京都市観光協会:京都市観光協会データ月報(2020年7月)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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