8月の訪日外客数、99.7%減の8,700人:アジア中心に入国制限緩和進む【グラフで見るインバウンド】

公開日:2020年09月23日

2020年9月18日、日本政府観光局(JNTO)は訪日外客数の2020年8月推計値を発表しました。

8月の訪日外客数は8,700人と、前月7月の3,800人から4,900人増加しましたが、前年比では99.7%減と引き続き大幅な減少となっています。5か月連続でほぼゼロに近い数値が、全22市場でみられました。

主な減少の要因としては、各国での移動制限のほか、日本では依然として159か国からの入国制限や検疫強化が維持されていることが挙げられます。

本記事では、8月の訪日外客数のデータとともに、世界各国の新型コロナウイルスの感染動向や、今後予想できるインバウンド市場の動きについて解説します。

《注目ポイント》

  1. 5か月連続で訪日外客数がほぼゼロに
  2. 前月からは微増
  3. アジア圏の入国制限緩和で今後の回復期待

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訪日外客数の前年比を表したグラフ
▲[訪日外客数前年比(2020年8月まで)]:訪日ラボ編集部作成

2020年の月ごとの訪日外客数を表したグラフ
▲[訪日外客数【2020年版】(2020年8月まで)]:訪日ラボ編集部作成
2020年8月の訪日外客数を表した表
▲[2020年8月 訪日外客数(JNTO推計値)]:JNTOプレスリリース(2020年9月18日)

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5か月連続で全22市場の訪日外客数がほぼゼロに

2020年8月の訪日外客数は8,700人と、前年同月の252万人から99.7%減少しました。前月7月の3,800人からは微増していますが、依然として全22市場においてほぼゼロに近い数値が5か月続いている状況です。

東南アジアや東アジアは徐々に回復の傾向をみせていますが、ヨーロッパ市場では、依然として訪日外客数は2桁まで落ち込んでいます。背景としては、新型コロナウイルスの世界的な流行により、各国で海外渡航に制限がかけられているほか、日本でも継続的に水際対策が実施されていることが考えられます。

8月30日には、日本への入国拒否対象地域に13の国と地域が新たに追加され、全体で159の国と地域からの入国が制限されています。

東アジア:訪日中国人が1,000人台乗るも全市場ほぼ100%減

東アジアの全市場において、8月の訪日外客数が前年同月比ほぼ100%減となりました。最も多い中国が1,600人と1,000人台を記録しましたが、次に多い韓国が700人、台湾が400人、香港は40人となっており、大幅な減少が顕著に表れています。

中国では、4月以降ほぼ毎日感染者数2桁を維持しており、 9月3日には、北京首都国際空港からのカナダやタイなど8か国との直行便の運航を再開しています。

韓国でも4月以降一日あたりの感染者数はほぼ100人以下を維持していましたが、8月下旬に再び感染が拡大し、26日には2020年3月以来はじめて400人を超えるなど感染リスクの高まりが懸念されています。

香港は感染状況が落ち着きつつあることから、9月に日本を含めた11か国と、感染予防をしつつ渡航制限の緩和などを実施する「トラベルバブル」の協定について話し合いを提案しています。また、台湾も9月8日に日本とのビジネス目的での入国手続きを再開しています。

このように東アジアでは、今後の感染拡大の状況をみて徐々に国際的な移動が再開していくと考えられます。

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東南アジア・中東:全市場でほぼ100%減、一部地域では入国制限緩和も

東南アジア・インド・中東地域における8月の訪日外客数は、最も多いベトナムが1,100人、次いでタイが400人となっています。

この2か国は、7月末にビジネス目的の場合に限り日本との往来を再開しており、その影響で訪日外客数が増加したと考えられます。

そのほかの市場はインドが300人、インドネシアとマレーシアが200人、フィリピンが100人、中東地域が70人、シンガポールが20人となっています。

このうち、マレーシアでは9月8日から長期滞在者やビジネス目的の渡航者を対象に入国手続きが開始され、シンガポールでも18日に同様の措置が取られています。いずれも入国後14日間の自宅待機が原則であるものの、シンガポールの場合はその期間中も行動範囲を限定してビジネス活動ができるとされています。

これらの動きから、9月以降の対象地域からの訪日外客数の増加が期待されます。

欧米豪:6市場で100人未満と大幅な減少が続く

欧米豪市場における8月の訪日外客数は、アメリカの700人が最も多く、次いでイギリスとフランスが200人、ドイツは100人、オーストラリアが90人、カナダが80人、ロシアが60人、イタリアとスペインが50人、メキシコが10人未満となっています。

メキシコを除く9市場で前月より微増したものの、10市場中6市場で依然として100人未満と厳しい状況が続いています。

ヨーロッパでは、EU圏内での移動制限が解除され、旅行者は徐々に増加しているものの、同時に感染者数も再び大きく増加しています。さらに日本からヨーロッパの国々に対する入国制限も緩和の見通しが立っていないことから、訪日旅行の回復はいまだ望めないと考えられます。

ヨーロッパで感染再拡大、訪日旅行の再開遠のく

ヨーロッパでは、7月からバカンスシーズンに入り、旅行が活発になることで経済の回復が見込まれていましたが、一方で人の移動や集まりが増えたことで感染が拡大しています。

フランスでは、8月10日に人が多く集まる屋外でもマスクの着用が義務化されるなどの措置が取られたものの、9月には1日の感染者数が過去最多の1万人近くに上ることもありました。

ヨーロッパでは感染再拡大を懸念し、7月から8月にかけて再びロックダウンを行った都市もあり、日本への旅行はまだ先のこととなりそうです。

アジアを中心に徐々に入国制限緩和

ヨーロッパで感染が再拡大する一方で、アジアでは徐々に感染状況が落ち着きつつあり、日本への入国制限も緩和されつつあります。

日本政府は、7月29日にはベトナムとタイ、9月8日には台湾、マレーシアなど5か国、9月18日にはシンガポールとのビジネス目的での入国手続きを開始しています。

今後も中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドなどアジア・オセアニアの9か国・地域についても受け入れ再開に向けた協議をはじめる考えです。

これらのことから9月以降は、対象国からの訪日客の増加が見込まれます。

これからアフターコロナのインバウンド対策を始める際には、衛生管理や3密回避を前提とし、緩和対象となったアジアの国々の訪日客をターゲットとして受け入れの準備を始めるとよいでしょう。

【入国制限まとめ】10/16更新:全世界からの入国一部再開/日本・世界のコロナ対策渡航制限 最新情報が一目でわかる一覧表

日本は現在まで159の国・地域からの入国を制限していましたが、政府は10月1日から全世界を対象とし入国制限を緩和しました。政府は国際的な往来再開に向けた段階的措置として、すでにタイ、台湾、シンガポールなど7か国・地域との間で相互の入国制限緩和を実施していました。これまでは入国許可の対象がビジネス目的の渡航者に限られていましたが、10月以降はビジネス関係者に加え3か月以上の中長期の滞在者も対象となっています。なお、観光客は対象外ということです。入国後14日間の自宅待機は維持されるほか、当面の...

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<参照>

日本政府観光局(JNTO):訪日外客数(2020 年 8 月推計値)

香港経済新聞:香港が「トラベルバブル」で日本などと協議 新型コロナ対策、公共の場は4人まで緩和

BBC NEWS JAPAN:フランスの新規感染、1日で約1万人 過去最多を記録

NHK:ヨーロッパで再び感染者増加 パリでは屋外でもマスク義務化

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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