台湾で話される中国語とは | 台湾華語について、台湾語や中国普通話との違いなどを紹介

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2019年の訪日台湾人が489万人で過去最高を記録しており、台湾人口で換算すると5人に1人が日本を訪れていることになります。

また、日本とは地理的・歴史的・心理的にも緊密な関係があり、世界有数の親日国のひとつとして知られています。

そんな台湾では「台湾華語(国語)」という中国語の一種が公用語として使われています。

台湾華語は、中国の公用語である「普通話」や、台湾の一部地域で話されている「台湾語」とも一見似ていますが、実はこれらの方言とは異なる箇所があります。

この記事では、台湾華語の概要や普通話・台湾語との違い、インバウンド対策への生かし方について解説します。

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台湾華語とは

台湾では「台湾華語(国語)」という中国語の一種が公用語として使われています。

中国の公用語である普通話とは似ているものの、異なる箇所がいくつか存在します。

また、台湾では一部地域において台湾語という中国語の方言が話されていますが、台湾華語と台湾語は相互の意思疎通すら難しいほどに大きく異なります。

以下では、台湾華語の概要や普通話、そして台湾語との違いについて解説します。

中華民国に由来する台湾の公用語

台湾華語は、中国の北京語がベースとなっていますが、台湾語や日本語などさまざまな言語の影響を受けて成立した台湾独自の言語です。

「華語」は中国語のことを指す単語ですが、中でも台湾の国内で話されている中国語が「台湾華語」と呼ばれています。

台湾では、中華民国政府が台湾に撤退した1949年から台湾華語が公用語として使われており、義務教育にも台湾華語が用いられています。

台湾語は台湾華語とは異なる

台湾では、台湾華語とは別に「台湾語」という中国語の方言も存在します。

台湾語は中国福建省南部の閩南語をベースとしており、現在では台湾中部や南部の地域で、主に年配の方を中心に話されています。

台湾華語と台湾語は発音や語彙が大きく異なっており、会話が成立しないくらいの違いがあります。

近年、政府や民間でも見直され、学校において台湾語の授業も行われおり、台湾南部を中心に家庭内でも話されています。

しかし、台湾北部を中心に日常的に台湾語を用いる台湾人は年々減少しており、台湾語しか話せない高齢者がいる一方で、台湾語を全く話せない若者もいます。

また、幼少期に台湾語を話せても、学校での教育や家庭外の会話により、第一言語が台湾語から台湾華語へと移ることもあります。

中国の普通話との違い

台湾華語は、中国の北京語をベースとした言語であり、一見中国にて話されている同じく北京語をベースとした「普通話」にも似たものに思えます。

普通話は、中華人民共和国政府によって定められた中国の公用語です。

中国国内でも地域によってさまざまな方言が存在しますが、普通話はどこの地域でも通じます。

一方の台湾華語は、中華民国政府によって定められた台湾の公用語です。

同じ中国語かつどちらも北京語をベースとした言葉ではあるものの、表音記号や漢字の種類、そして発音方法などが異なります。

違い1:表音記号が「注音」か「拼音」か

台湾華語と普通話では、表音記号に違いが見られます。

台湾華語では「注音符號(チューインフーハオ/ボポモフォ)」と呼ばれる独特の記号を使用するのが一般的ですが、普通話では発音をアルファベットで示す「拼音(ピンイン)」を使用します。

違い2:文字が「繁体字」か「簡体字」か

台湾華語では、読み書きに「繁体字」を使っています。

繁体字は、昔から使われている中国語の漢字をほとんど簡略化していない状態の文字です。

繁体字を使っている地域としては、台湾の他にも香港やマカオがあります。

一方で中国では、読み書きに「簡体字」を使っています。

簡体字はもともと繁体字から作られたもので、繁体字の一部を残し、偏(へん)や旁(つくり)を変えたりして画数が少ないのが特徴です。

簡体字は主に中国大陸やマレーシア、シンガポールなどの華僑の間で用いられています。

違い3:話し方から受ける印象

台湾華語は、巻き舌音が緩くて発音が柔らかいのが特徴です。

北京語の発音には「四声」とよばれる発音の抑揚がありますが、台湾人の話す台湾華語ではこの四声が中国人ほどはっきりしておらず、やわらかい印象を与えます。

他にも、台湾華語がやわらかく聞こえる理由のひとつとして、語尾に「阿(a)」「啦(la)」「耶(ye)」などの語気助詞を付けることが多いことも挙げられます。

更には、台湾華語では中国東北部でとくに顕著な「そり舌音」といわれる発音が強くないことや、語尾に「児(er)」の発音をつける「児化(アル化)」が見られないことなどの違いがあります。

違い4:中華文化の継承の度合

台湾華語は、昔から使われている繁体字を使用していることからも、語彙や言い回しの面で伝統的な中国文化が普通話よりも色濃く残る言語であるといえます。

1949年に建国された中華人民共和国では、1966年から毛沢東主導で文化大革命がおこり、古い慣習や風俗を排除しようという動きがありました。

その結果、伝統的・文学的な中国語の語彙が、日常生活の中で使われることが少なくなっていきました。

しかし、台湾は文化大革命の影響を受けず、繁体字の使用を継続していることからも、伝統ある中華文化を色濃く継承しているといえます。

特に、公的な文書やビジネスの契約書などの文章での言い回しには、古典的なものがよく使われています。

重要性が増す台湾華語に対応したインバウンド対策

現在、新型コロナウイルスにより訪日外国人客は激減しています。

しかし、日本政府は9月8日から台湾を含む5つの国と地域からの入国制限を一部緩和し、ビジネス目的の渡航者に限り入国の手続きを開始するなど、徐々に国際的な人の往来が再開しつつあります。

最後に、台湾をはじめとする日本にとって重要なインバウンド相手国のインバウンド概況や現状、台湾華語を用いたインバウンド対策の手法について解説します。

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日本のインバウンドで存在感を増す台湾

JNTOの国籍/月別訪日外客数のデータによると、2019年の約3,188万人の訪日外客数のうち、訪日台湾人は約489万人となっています。

これは中国、韓国に次いで、全体で3番目に多い国となっています。

また、観光庁訪日外国人消費動向調査によれば、2019年の訪日台湾人の旅行消費額は5,517億円で、中国に次ぐ2番目の市場規模でした。

これらのことから、訪日台湾人をターゲットとしたインバウンド対策が重要になってくるといえます。

東アジア諸国のなかでも落ち着いた情勢

現在、新型コロナウイルスの流行などもあり、インバウンドの大多数を占めていたアジア諸国の情勢は日々変化しています。

中国では、外出自粛や渡航制限後の近場の旅行先として日本への関心が高まっています。

しかし、国内では新型コロナウイルスの感染再拡大の懸念や、香港市民による政府への抗議運動が起こっていることや、アメリカとの貿易戦争など不安定な情勢が続いています。

韓国では、慰安婦問題や徴用工問題などが原因で、反日感情が高まっている状態にあります。

2019年にはこうした対立により日本への飛行機便の減便や運休が相次ぎ、訪日韓国人観光客が大きく減少する事態にもなりました。

親日家が多くおり訪日リピーター率も高い香港でも、中国政府に対する抗議デモが2019年から現在でも続いており、不安定な状態となっています。

このような状況の中でも、台湾は新型コロナウイルスの感染封じ込めに成功しており、国内では大きなデモや反日運動も起こっていないことから、今後のインバウンド回復に大きなカギを握っているといえるでしょう。

訪日台湾人への配慮

日本人からすれば、台湾華語と普通話は似たもののように思えます。

しかし、これらの言葉は相互に通じるものの、全く同じものではありません。

前述したとおり、台湾華語と普通話は、話し方や単語などにおいて異なる箇所が複数見受けられます。

台湾人をインバウンドのターゲットにするのであれば、台湾華語を話せるスタッフを採用したり、メニューや看板などに繁体字の表記を追記するとよいでしょう。

また、台湾と中国の関係は、2020年現在においても不安定な状況にあり、台湾人は中国人と間違われることを嫌う傾向にあります。

そのため、台湾人に接客する際は中国人と間違えないよう気を付けることが重要です。

台湾華語や台湾について知り、的確なインバウンド対策を

台湾は中国とはまた違う、独自の歴史や文化を持っています。

台湾で使用されている台湾華語も中国のそれと一見似ているものの、発音表記や字体、そして単語や発音方法において中国の普通話とは異なっています。

そのため、台湾華語をはじめとした多言語に対応したインバウンド対策が重要となってきています。

また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中でも、台湾はいち早く感染の拡大を封じ込むことができました。

中国や韓国に先駆けて9月8日にビジネス目的での日本との間での往来が再開したことからも、今後訪日台湾人を中心として、インバウンド回復の動きがあることも期待されます。

感染対策などの衛生管理や言語表記といった多言語対応以外にも、台湾と中国の文化や歴史の違いを尊重したおもてなしを行うことで、訪日台湾人の心をつかむインバウンド対策につながるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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