東南アジアで総売上1兆円超え、急激に成長する巨大ECモール「Shopee」とは?

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ShopeeというECプラットフォームが、東南アジアと台湾で急成長しています。

サービス開始からわずか数年で、東南アジアでアプリダウンロード数1位を獲得するなど、爆発的な人気を誇っており、2018年には日本からの越境ECサービスも開始されています。

本記事では、Shopeeサービス内容や急成長した理由、そしてその背景にある、急成長を遂げているアジアの越境EC市場について考察します。

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Shopeeとは?

Shopee」とは、シンガポール発のECプラットフォームで、現在シンガポール、台湾、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピンの7か国に進出しています。

特に東南アジアで爆発的な人気を集めており、サービス開始後わずか1年で総流通総額18億円を達成し、東南アジア圏内での総売上は1兆円を超えています。

Shopeeでは100以上のブランドが展開され、1日あたり平均140万件以上の注文数があるほか、アプリの総ダウンロード数は1億を超え、1,000万人を超えるSNSフォロワーを擁しています。

2018年からは、日本からの越境ECサービスも開始しています。

▲[Shopee 公式ウェブサイト]:編集部キャプチャ
▲[Shopee 公式ウェブサイト]:編集部キャプチャ

2019年には東南アジアで最も人気なECアプリに

Shopeeは2019年下半期において、ダウンロード数、MAU(月間アクティブユーザー数)、サイト訪問者数で、アリババ傘下の大手EC「Lazada」を上回り、東南アジアで最も使用されているECアプリとなりました。 

この調査は東南アジア7ヵ国で運営するメタ検索ウェブサイト「iPrice Group」が発表した、2019年第4四半期の「Map of E-Commerce」によるもので、Shopeeが首位となった理由として、テンセントなど大型企業による支援があげられています。

Shopeeはアジア市場最大のセール「ダブルイレブン」にも参加しており、今年のダブルイレブンセール当日の日本越境商品の売り上げは10月の通常時に比べて15倍、昨年のダブルイレブンセールと比べ約10倍にも伸びました。

Shopeeの特徴

Shopeeは日本との越境ECに関しては手数料が無料であり、固定費や変動費がかからないため、セラーはよりリスクを抑えながらビジネスを行うことができます。

さらに「英語・中国語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語」に対応し多言語支援を行っているほか、商品の発送にあたり送料の補助や、「安く・早く・安定した」運送サポートも行っています。

またモールを介さず購入者と出品者で直接取引をすることも可能で、アプリ内のチャット機能を利用して購入者と出品者が直接チャットすることができます。

さらにShopeeが展開する各国は歴史も文化も異なるため、国ごとの専属スタッフが各国の事情に合わせて事業展開を行っています。

東南アジアのEC・越境EC市場

ここからは、Shopeeが展開する東南アジアのEC・越境EC市場について考察します。

ASEANには現在、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの10か国が加盟しており、2020年のASEANの人口は6億6,062万人にのぼり、日本(1億2,626万人)の5.2倍にあたります。 

しかしASEANにおける1人あたりのGDPは日本の約1割程度にすぎず、人口の多さに対してGDPが低く経済規模が小さく市場が成熟していないため、大きなポテンシャルを秘めているといえます。

フロスト&サリバンが行ったリサーチ分析「東南アジアのEC市場分析」によれば、東南アジアにおけるECの市場規模は、2015年~2020年にかけ年平均成長率17.7%で成長し、2015年の112億米ドルから2020年までに252億米ドルに成長する見通しです。

急激な市場成長の背景として、東南アジアにおけるスマホの急速な普及があげられます。 2020年時点の東南アジア全体のインターネット普及率は66%で、シンガポール・マレーシアでは8割を超えるほか、タイやベトナムでも70%前後にのぼっています。 

これは日本のインターネット普及率92%に迫る勢いで、今後のさらなる伸びしろも期待できます。

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中国越境EC市場との違い

飽和しつつある中国EC市場に対し、東南アジアのEC市場は今後新たな成長領域となりうることが期待されます。

しかし中国での越境ECのやり方を東南アジアにそのまま適用しても、うまくいかない可能性があります。

まず東南アジアは中国より日本からの距離が遠く、配送料や配送にかかる時間がネックとなることが考えられます。

さらに市場規模や距離に加えて各国で文化が違う東南アジアでは、消費者性向や売れ筋商品もそれぞれ異なってきます。

たとえば化粧品を例にとっても、現地のトレンドやニーズに合うか、ナチュラルメイク志向かどうか、ベースメイクのカラーバリエーションがどう違うかなど、現地の消費性向をきめ細かく理解することが重要になります。

越境EC関連事業を手掛けるBEENOSの調査によると、東南アジアでは日本ブランドへの信頼が厚く、バイクやカーパーツや時計といった高品質なアイテムが人気という傾向もみられるようです。

東南アジアへの越境ECを検討する事業者は、自社の商材の東南アジア向けのブランディングも重要となりそうです。

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越境ECが盛んな東南アジアの国

越境ECが特に盛んな東南アジアの国としては、マレーシア、タイ、シンガポールがあげられ、これはスマートフォンの普及率の高さとも一致しています。

3か国それぞれのEC市場規模は20億ドル(約2,159億円)程度ですが、EC市場規模に占める越境ECの割合はマレーシアは54%、タイは38%、シンガポールは23%と高い数値を示しています。

シンガポールは文化や言語の多様性によって、他国のサイトから購入することへの消費者の心理的なハードルが低く、越境ECを積極的に活用していると考えられます。

なおシンガポールとマレーシアではアパレルやアクセサリー、タイではおもちゃやギフトなどが売れ筋商品となっています。

さらなる成長が期待される東南アジアの越境EC

Shopeeは東南アジアで急成長し、ナンバーワンの人気を誇るECアプリとなっています。

日本からの出店も可能で、出店手数料無料・運送サポートなど充実したサービスを行っています。

東南アジアのEC市場はスマートフォンの普及とともに急成長しており、今後もさらなる成長が見込まれています。

一方で、配送料や配送にかかる時間などの問題や、東南アジア各国の指向に合わせた売り出し方などの課題もあり、参入にあたっては注意が必要となります。

東南アジアの越境ECに取り組むならば、まずは市場がより成熟しているシンガポールやマレーシアなどから始めるのが良いかもしれません。

取引総額7兆円超え、過去最高に 中国「独身の日」日本ブランド人気最多、「ライブコマース」も加熱

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<参照>

Shopee公式サイト

外務省:目で見るASEAN-ASEAN経済統計基礎資料-

We Are Social Inc.:digital 2020

JETRO:想定より売れない東南アジア越境ECのなぜ

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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