台湾・香港人向けのナンバーワン訪日メディアである「ラーチーゴー!日本」を運営するジーリーメディアグループは、台湾人8,000人を対象としたコロナ禍における訪日旅行への意識調査を実施しました。
その結果、アフターコロナの訪日旅行意欲が2020年7月の時点よりも上昇し、日本に限らず海外旅行を計画している、または情報収集をしていると回答した台湾人が76%に上ることが分かりました。
また、台湾人に人気な都道府県ランキングも同時に発表しており、コロナ収束後行ってみたい都道府県の1位として北海道、認知度ランキングでは東京が1位を獲得しました。
その一方、この結果に対してネット上のコメントでは「行ってみたい観光地があってもその都道府県を知っている台湾人は少ないのではないか」という意見もあるなど、反響を呼んでいます。
今回の記事では、これらのネットの反応に対するジーリーメディアグループ代表の吉田皓一氏の回答と、本調査結果への見解も併せて紹介します。
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台湾人の間でコロナ収束後の訪日意欲が向上・海外旅行の計画も進む
ジーリーメディアグループは、運営する台湾・香港人向け訪日メディア「ラーチーゴー!日本」において台湾人を対象にアンケート調査を実施しました。
回答者の98%が訪日経験者で、そのうち約40%が過去に9回以上訪日しているリピーターにあたります。
このような日本への関心が強い台湾人の回答結果によると、コロナ収束後の訪日意欲について、渡航制限が解除されたら「すぐに日本に行きたい」と回答した台湾人が56%という結果になりました。
これは、7月に行った同様の調査結果よりも13.5%上昇しており、台湾人の間で訪日意欲が高まっていることがわかります。
また、実際に海外旅行の計画を立てている人は28%、次回の旅行に向けて情報収集をしている消費者は48%と、海外旅行の再開に向けて何らかの行動をおこしている台湾人が全体の76%に上っています。
行ってみたい県では北海道が1位に、下位の県でも再訪地として人気
また同調査では、収束した後に行ってみたい県と、県の認知度のランキングを調査しています。
その結果、行ってみたい県では北海道が1位に、認知度ランキングでは東京が1位という結果になりました。
一方で、行ってみたい県の下位には福井県、山口県、栃木県、認知度ランキングでは栃木県、石川県、島根県がランクインしています。
しかし、収束後に行きたい県ランキングで下位となった3県に関して、これらを訪れたことのある台湾人に限定して集計すると、「行ってみたい」という声が、全体の結果の約3倍となっています。
このことから、全体的に人気度が低かった地域であっても、その地域への来訪経験があるリピーターをターゲットとしてインバウンド対策を行う事で集客が見込める可能性が高いと考えられます。
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なぜ都道府県名でアンケートを取ったのか?吉田代表が回答
この結果に対してネット上では「「県名の知名度が、必ずしもその県の人気度を反映しているわけではないのではないか」という声も見られます。
この反応に対して、調査を実施したジーリーメディアグループ代表の吉田皓一氏から回答を得ることができました。
吉田代表は、都道府県単位で知名度や来訪意欲を調査した目的意識は2つあると述べています。
1. 台湾人は我々が想像もし得ないほど日本を熟知している
新型コロナの2019年、訪日台湾人客数はのべ490万人にのぼっています。台湾の人口が約2,300万人であることを踏まえると、大まかに計算して総人口の約20%が一年で訪日している可能性があると吉田代表は述べています。
このことから、吉田代表は「台湾の日本観光に対する関心は、世界的にみて最も高いと考えられるため、敢えて都道府県でのククリを採用した」といいます。
また吉田代表は「個人的に、これだけ日本観光好きの台湾人にとって、日本の都道府県は現時点でどれくらいの認知度があるのかという関心もありました。」とも回答しています。
2. 人気観光地に観光客が集中する観光公害の解消
吉田代表は、都道府県単位での調査を行った目的意識の2つ目として、「コロナ後の観光産業全体を鑑みた際、人気観光地だけに訪日客が集中していては、全体の裾野が広がらず、観光公害が解消されない」という点について言及しています。
続いて「観光は点より線、線より面で考える必要がある」とも述べており、例えば金沢ばかりが注目されるのではなく、石川県内には金沢以外にも魅力的な観光地が沢山あるという訴求が重要であると主張しています。
また「観光のみならず物産品の海外輸出をする際に“○○県産”というブランドが上手く働けば、とても強い追い風になると考えられます。」とも回答しました。
調査から見える「台湾からみた日本」の2つのポイント
吉田代表は、今回の調査から見える点について2つの所見を示しています。
東北地方への関心の高さ
同調査では、収束したら行ってみたい県として、青森県が4位、秋田県が11位、山形県が12位、岩手県が15位にランクインしています。
このことから、台湾人が東北観光に高い関心を示していることがわかります。
吉田代表は、この背景として「東北地方の観光事業に携わる皆様の、弛まぬ努力」があると述べています。
東北の観光事業に関わる人たちは、早くから台湾市場を重視し、今に至るまで官民を挙げて多種多様な試みを展開してきました。
例えば、2019年7月にはエバー航空が台北-青森線を開設し、台湾人の東北旅行の利便性が向上しました。
このような長年のプロモーションの結果、これまで台湾人にとって「中国大陸の東北部」という意味であった「東北」というワードが、日本の東北各地の様々な魅力を想起させる言葉として定着してきています。
また、台湾人にとって東北が印象深い背景としては、2011年に起こった東日本大震災もあります。
当時、台湾は東北地方に対して250億円以上の手厚い支援を送っており、震災から10年となる2021年に東北への関心が高まる台湾人も多いと考えられます。
北海道人気のカギは「雪」「蟹」「乳製品」
「コロナ収束後に行きたい都道府県」として北海道が1位となったのは「予想通り」であったと吉田代表は述べています。
また、台湾人が求める北海道コンテンツとして特に人気なのが「雪」「蟹」「乳製品」であると述べています。
台湾は、亜熱帯気候に属することから滅多に雪が降らず、多くの訪日客が雪を求めてを北海道にやってきます。
台湾での「蟹」の人気は非常に高く、台湾の旅行社は北海道ツアーを組む際必ず「蟹食べ放題」を行程に入れ、コロナで訪日できない今は、台湾各地で日本直送の蟹を扱う日本料理店が連日の満員で、過去最高売上を更新する店も少なくないそうです。
また「乳製品」については、「北海道=美味しい乳製品」という印象が非常に強く、台湾のコンビニでも定期的に北海道スイーツのフェアが開催されています。
一方で吉田代表は、これらの北海道のコンテンツは、北海道以外の都府県にとっても訪日台湾人を集客するうえでの武器になるとも述べています。
雪や蟹、乳製品は北海道に限らず、日本の各地で見られたり、ブランド化されています。
このようなコンテンツを持つ都府県にとっては、これらが新たな訪日台湾人集客のカギとなる可能性があります。
台湾人の訪日意欲は回復傾向に:新たな魅力をアピールしてコロナ後のインバウンド集客を
今回の調査結果から、台湾人の訪日意欲は回復傾向にあり、海外旅行を考えている台湾人も増加していることが分かりました。また、コロナが収束したら行きたい県として北海道が一位に、認知度ランキングでは東京が一位となりました。しかし結果を受け、ネットでは都道府県単位での人気度や認知度の調査に疑問を投げかける声もありました。
調査を実施したジーリーメディアグループの吉田代表は、このような声に対して、調査を通して日本人が想像している以上に台湾人は日本を熟知しているというメッセージを伝えたいとも述べています。
また、吉田代表は、台湾人の間での東北地方への関心の高さや、北海道で人気とされているコンテンツを他のエリアにも展開することが、今後のインバウンドのカギとなる可能性についても述べています。
アフターコロナのインバウンドにおいては、点ではなく面での魅力の訴求、コンテンツの造成がますます重要になっていくといえるでしょう。
【海外の反応】横浜の「動くガンダム」が海外メディアで大きく報道:インバウンドの準備も進む
横浜の山下ふ頭にて「動く実物大ガンダム」プロジェクトが始動し、早速大きな話題となっています。 2020年9月29日には「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA プロジェクト詳細発表会」が行われ、具体的な開催概要とともに身長約18メートルのガンダムが動く動画が公開されました。一般への公開は12月19日の予定です。 当プロジェクトの目的の一つとして、世界的にも知名度の高いガンダムのコンテンツを活用することによる
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