過去5年で訪日客1.5倍増「オーストリア人」観光客の特徴:誘致するなら押さえておきたい4つのこと

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日本を訪れる外国人の人数は年々増加傾向にあり、ヨーロッパに位置するオーストリアにおいても訪日する観光客は増加し続けています。

2019年には訪日オーストリア人観光客の数は27,530人と過去最高を記録し、今後も拡大するインバウンド市場の一つでしょう。

本記事では、オーストリアの基本情報にふれながら、オーストリア市場のインバウンドデータについて紹介します。

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オーストリアの基本情報

オーストリアは、ヨーロッパのほぼ中央に位置しており、周囲を8つの国に囲まれた永世中立国です。

人口は約902万人で、人口の約64%がカトリックを、約8%がイスラム教を、約5%がプロテスタントを信仰しています。

公用語としてドイツ語が使われています。

1995年1月からEUに加盟しており、通貨はユーロが流通しています。

首都のウィーンは音楽の都とも呼ばれており、モーツァルトやシューベルトといった有名音楽家を輩出した国としても有名です。

またオーストリアは自然豊かで、国土の多くが山や丘陵地、湖などで占められており、ウィーンを流れるドナウ川も有名です。

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オーストリアの経済レベルはどれくらい?

IMFの統計によると、2019年のオーストリアのGDPは約4,463億米ドルで、国民一人当たりのGDPは50,380米ドルとなっています。

また同年の日本のGDPが5兆800億米ドル、一人当たりのGDP40,256米ドルであったこととと比較すると、オーストリアのGDPは日本よりも低いですが、国民一人あたりのGDPは日本よりもが高いことが分かります。

物価も日本に比べるとやや高めです。

各国の物価水準を比較するThe EconomistのThe Big Mac indexを見てみると、オーストリアが含まれるユーロ圏ではビッグマックの値段は4.79米ドルに対し、日本は3.64米ドルです。

オーストリア市場の訪日旅行(インバウンド)データ

訪日オーストリア人観光客市場は年々拡大傾向にあります。

具体的にどれぐらいの人数が来日しているのか、1年のうちにどの月に多く訪れているのか、また情報収集の傾向について解説します。

訪日オーストリア人観光客数は過去5年間でどれくらい増えている?

オーストリアからの観光客は過去5年で増加傾向にあります。

2015年には18,184人であった訪日オーストリア人観光客は、2019年には27,530人となり、約1.5倍の増加となっています。

過去5年間の平均伸び率も12.5%に上り、今後の成長が期待されています。

▲[訪日オーストリア人観光客数推移(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]
▲[訪日オーストリア人観光客数推移(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]

訪日オーストリア人観光客が増加した理由の一つとして、オーストリアにおける日本文化の人気があげられます。

オーストリアでは、2001年から毎年ウィーンで「AniNite」という日本のアニメや漫画などポップカルチャー好き向けのイベントが開催されています。

イベントの主催者「AniManga」は日本のポップカルチャーを紹介したことで外務大臣表彰を受賞したほど、影響力が大きいといえます。

またオーストリアでは、在オーストリア日本国大使館の広報文化部門である「日本広報文化センター」が文化や芸術の交流支援を実施しています。

訪日オーストリア人観光客は何月に日本にやってくる?

訪日オーストリア人が日本を訪れるピークは、春の3〜4月7月です。

▲[月別訪日オーストリア人観光客数推移(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]
▲[月別訪日オーストリア人観光客数推移(2015年-2019年):JNTOの資料をもとに訪日ラボ編集部が作成]

3~4月にかけて訪日オーストラリア人観光客が増える理由のひとつとしては、イースター(復活祭)があげられます。

イースター(復活祭)とは、キリスト教における重要な祝日のひとつで、イエス・キリストが十字架にかけられて死んだ3日後に復活を遂げた日であるといわれています。

人口の7割近くをキリスト教徒が占めるオーストリアでもこの祝日は祝われており、近年では春の訪れを祝う行事としての意味合いも持つようになり、多くの人が休暇を取って旅行に出かけています。

7月に訪日オーストリア人が増加する理由としては、多くの国民が夏休みに入ることが考えられます。

オーストリアの大学の多くは2期制で、7月~9月には夏休みにはいります。

またオーストリアの法律で1年に5から6週間の有給休暇を取ることが定められており、夏休みの時期に合わせて有休を取ってバカンスに出かける人も多いと考えられます。

7月にピークを迎えた後も、10月頃まで安定した数のオーストラリア人観光客が訪日しており、オーストリアでは夏から秋にかけてまとまった休みをとり旅行に出かける人も多いのではないかと考えられます。

訪日オーストリア人観光客の情報収集スタイル

インターネットが広く普及したことでオーストリアでも多くの人がインターネットから情報収集をしており、その多くがソーシャルメディアから情報を収集しています。

We Are Socialが発表したDigital2020によると、2020年1月の時点でオーストリアにおけるソーシャルメディアのユーザーは約450万人とされており、普及率は50%を超えています。

ユーザーの数も2019年4月から2020年1月の間で約22万9,000人が増加しました。

また、StatCounterの発表によると、オーストリアで人気のソーシャルメディアは、Facebookが最も人気でシェア率は約80%を占めています。

次いでPinterestが約12%ほどで、Twitter、YouTube、Instagramなどが続いています。

このデータから、オーストリアへの情報発信は、日本で主要なSNSであるInstagramやYouTubeよりもFacebookを活用することが有効であると考えられます。

▲[オーストリアにおけるSNS利用率ランキング]:StatCounterより
▲[オーストリアにおけるSNS利用率ランキング]:StatCounterより

春から秋にかけて伸びる訪日オーストリア人市場を視野に入れた対策を

オーストリアからの訪日観光客は過去5年で増加傾向にあり、その多くがイースター休暇がある3から4月、夏休みの7月に日本を訪れていました。

オーストリアでは一年で5~6週間の有給休暇の取得が義務付けられているため、まとまった休みがとりやすく、7月にピークを迎えた後も秋ごろまで安定した訪日観光客数を記録しています。

またオーストリアでは人口の半分がSNSを利用しており、FacebookがもっともメジャーなSNSとなっています。

このような特徴を踏まえ、Facebookを活用したアプローチで訪日需要への訴求効果が期待できます。

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<参考>

JNTO:国籍/月別 訪日外客数(2003年~2020年)

We are social:DIGITAL 2020: AUSTRIA

StatCounter:Social Media Stats Austria

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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