和歌山「持続可能な観光地」で1位に 世界的ガイドブック 読者投票にて 外国人に評価されるその理由とは

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世界的に有名な旅行ガイドブック『Lonely Planet 』が毎年発表している「Best in Travel(ベスト・イン・トラベル)」の2021年度のランキングが発表され、サステナビリティー部門で「和歌山」が「読者が選ぶサステナビリティ(持続可能性)に配慮した観光地」の第一位に輝きました。

『Lonely Planet』の公式サイトは、和歌山のサステナビリティーを「保全のための一形態である」と定義すると同時に、今回和歌山へ投票した人の多くが、この地の自然へのアクセスの良さとこの地域に現存する自然環境を守ることへの誇りについて触れていた推薦文が多かったことを明らかにしています 。

和歌山がこのように海外から注目を集めるのは、今回が初めてではありません。以前から紀伊半島や熊野古道が訪日観光客の人気スポットとなっていたこともあり、多くの外国人がこの地を訪れていました。

今回の記事では、和歌山が第一位に輝いた経緯を追うことで、観光産業におけるサステナビリティーの重要性について検証します。

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Best in Travel 2021のランキング結果公開、和歌山が読者投票一位

今回の「Best in Travel(ベスト・イン・トラベル) 」は、『Lonely Planet 』が毎年発表している「今、行くべき最も旬な観光地」をランキング形式で紹介するものです。

「Best in Travel」ではSustainability (持続可能性)・Diversity(多様性)・Community(共同体)の3つのカテゴリーが設定されており、そのカテゴリーごとに関連する「旬な」観光地を、旅の専門家や『Lonely Planet 』の読者が推薦するシステムになっています。

今回和歌山が第一位に選ばれたのは、Sustainability (持続可能性)カテゴリー内にある「サステナビリティ(持続可能性)に配慮した観光地」の読者投票部門です。

なぜ和歌山が一位に?自然や観光資源の持続可能性が評価

『Lonely Planet』の公式サイトでは、山間にある滝や大理石の白い石灰岩の海岸、深い原生林などに代表されるような、和歌山県全体に蓄積された豊かな自然の美しさを紹介しています。

そしてこの地のサステナビリティについて「観光客が与える環境的・経済的・社会文化的な圧力を緩和するためにデザインされた、環境保全のための形態の一つである」と評価しています。また、こうしたサステナビリティの概念は和歌山においては新しいものではなく、昔から存在していたものであるとも説明しています。

加えて和歌山に投票した読者のほとんどが、和歌山の自然へアクセスのしやすさと、地元の人々が持つこの自然環境を維持することへの誇りについて触れていたことも、『Lonely Planet』で述べられています。

和歌山県は今回の「Best in Travel」の選出に関して、「地域と観光資源とが持続可能な形態で維持されてきたことが選出のポイントとなった」とコメントしました。

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世界から評価される和歌山:熊野古道や紀伊半島

和歌山が海外から注目されたのは、今回が初めてではありません。実はこの地には、熊野古道と紀伊半島という外国人観光客に人気の観光スポットがあります。

この2ヶ所の観光スポットを訪れ和歌山に滞在経験のある多くの外国人観光客の意見が、今回の「Best in Travel」選出の大きな理由になりました。

熊野古道

世界遺産の一つである熊野古道は2020年に『Lonely Planet 』の「ULTIMATE TRAVEL LIST」で「世界の訪るべき観光地トップ500」として、第83位にノミネートされました。

実は世界遺産に指定された「道」というのは、地球上に2つしかありません。一つはこの熊野古道であり、もう一つはフランススペインを通る「サンティアゴ巡礼道」です。

神に祈るため、あるいは神を近くに感じるために歩く「サンティアゴ巡礼道」という文化を持つキリスト教の人々にとって、宗教は違っても「歩いて神を感じる」という発想はけして理解しがたいものではありません。

そのため、「この地を歩くということは、自然に対する祈りの行為」「旅行者もスピリチュアル何かを体験できる」 と紹介された結果、多くのヨーロッパやアメリカ人観光客の注目を集めたことは、むしろ当然のことであったと言えます。

また、熊野古道の地元では、こうした外国人観光客の受け入れの為に、外国人スタッフを採用したり、外国人目線でのデータターゲティングを取り入れたりするなど尾対応をしています。また外国の国々とも協力して、共同プロモーションなどを行うなど、国際的にKUMANOの名前を広める努力をしています。

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熊野古道:訪日ラボ編集部撮影
▲熊野古道:訪日ラボ編集部撮影

紀伊半島

そして、紀伊半島も訪日観光客に人気の観光地となっています。

2018年には今回と同じ「Best in Travel」で、世界の訪れるべき10の地域第5位に紀伊半島がランクインし、「神社仏閣や雄大な自然など日本の魅力にあふれ、人混みもなく関西の都市特有の騒がしさから遠く離れていること。また自然景観や温泉伝統文化など都市部にはない魅力があること」が評価されました。

ちなみにこの年には『Lonely Planet 』のライターが紀伊半島を訪れ熊野古道や高野山を世界に紹介した結果 、ますますこの地域に関するする注目が高まることになりました。

今後の観光は、「持続可能性」に注目が集まる可能性も

今回、和歌山がサステナビリティを評価されて世界一位となった背景には、SDGsという言葉が一般的になり、様々な分野で自然環境に対する配慮が必要と考える人が増えていることと同時に、観光業界もこうした一連の流れと無縁ではないことを示しています。

和歌山にはこうしたサステナビリティが昔から存在していたこと、そしてその結果守られたこの地の自然の美しさが、今回の評価された形になりました。

また、和歌山は首都圏からのアクセスが決して良いとは言えない場所に位置しながら、関西国際空港から高野山までを結ぶリムジンバス(※現在は新型コロナウイルスの影響により運行休止中)をはじめとした、二次交通の充実化も進んでいます。今回の読者投票のコメントでもアクセスの良さが言及されており、こうした点も評価されているといえるでしょう。

今後は世界中で自然環境とサステナビリティへ配慮した行動が業界を問わず求められるようになります。観光業界も例外ではなく、サステナビリティに配慮したコンテンツの造成や、周遊スタイルの提案、そしてそれらの情報発信が将来の「選ばれる観光地」となる上で重要となることでしょう。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか


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この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

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2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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