中国でも国内のSNSで多数のフォロワーを抱え、大きな影響力を持つインフルエンサーが存在します。そのような人物はKOLと呼ばれ、インフルエンサーと同様に影響力の高さが支持されています。
KOLはインフルエンサーマーケティングと同じく市場規模の拡大が期待されており、企業からも注目が集まっています。
本記事では、KOLの概要やプロモーションで活用するメリット、デメリット、中国で人気のKOLについて解説します。
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中国のインフルエンサー、KOL
日本でインフルエンサーと称される影響力の強い人物を中国では「KOL」と呼ばれています。KOLは専門性や情報量に長けているため、個人だけでなく企業からも注目を集めています。インフルエンサーと同様、主にSNSで活動しています。
KOLとは?インフルエンサーマーケティングで重要な理由
KOLは、「キーオピニオンリーダー(Key Opinion Leader)」の略称です。中国版のインフルエンサーともいえます。KOLとインフルエンサーの違いは、専門性の高さが挙げられます。
KOLは、特定の業界や分野における知識が高く評価されるほどです。一方で、インフルエンサーは「存在」に憧れや注目が集まります。
そのため、KOLの方がプロモーションしたい商品について、多くの情報を伝えられることが魅力でしょう。さらに、消費者は商品やサービスについて、より深い知識をKOLから学べることが期待できます。
「中国版YouTuber」網紅(わんほん)にも注目
中国のインフルエンサーマーケティングでは、網紅(わんほん)も見逃せません。網紅(わんほん)とは、中国で動画やライブ配信を中心に活躍してネット上で人気を誇るとともに、経済にも大きな影響力を持つ人物のことです。中国版YouTuberともいえるでしょう。なお、KOLは「専門的な情報を持つインフルエンサー」を指すのに対して、網紅は「動画をメインとしたインフルエンサー」に限定されます。
KOLの活動拠点は?中国で人気のSNS
KOLはインフルエンサーと同意義といえるため、主にSNSで活動しています。ただし、中国では制限されているソーシャルメディアも多く、中国独自のSNSが普及しています。
中でも、動画や画像の投稿ができるWeiboやTikTokは、中国国内で人気が高いプラットフォームです。これらのプラットフォームでKOLは支持を得ていると考えられます。
KOLマーケティングの市場規模はどのくらい?メリットとデメリットも紹介
KOLはマーケティングにも起用されており、市場規模も成長しています。マーケティングに起用するメリットやデメリットは、インフルエンサーマーケティングと似た部分が多いことが特徴です。市場規模の成長が続くKOLマーケティング
世界的にもインフルエンサーマーケティングにおける市場規模は拡大しており、今後も成長が期待されています。その中でも、中国におけるKOLマーケティングの市場は注目を浴びています。2018年、中国におけるKOLの市場規模は1,000億元(日本円で約1兆7,000億円)に到達しました。さらに、中国のインフルエンサー市場規模は、2017年から2022年にかけて年平均成長率42%で成長を続けると見込まれています。また、2020年のライブストリーミング配信の市場規模は、約9,610億元(日本円で約16兆1,400億円)と予想されています。
KOLマーケティングのメリット
中国の購買行動には、「口コミを重視する」「爆買い」などの特徴があります。口コミは中国の消費者にとって、重要なポイントです。インフルエンサーマーケティングと同様に、フォロワーが多いKOLであれば、KOLを通じて消費者に一気に情報を拡散できることが見込めます。商品やサービスをすばやく認知させられることは、大きなメリットでしょう。
さらに、KOLは専門的な知識が高い人物が多く、フォロワーや消費者からの信頼が厚いため、確実に情報を伝えられることも魅力です。
KOLマーケティングのデメリット
KOLマーケティングのデメリットとして、短期的な情報拡散力が高い一方で、その効果が継続しにくいことが挙げられます。インフルエンサーマーケティングと同様に、KOLの選定が難しいことも懸念材料の1つです。中国で人気のKOL3人を紹介
ここでは、中国で絶大な人気を誇るKOLを紹介します。日本関連の情報に強い人物や、美容知識が豊富な人物、マネジメントを運営する人物など、さまざまなKOLが存在します。KOLを適切に設定することで、中国インバウンドに対して効果的にアプローチできるでしょう。1. 林萍在日本(リンピンザイリーベン)さん
林萍在日本(リンピンザイリーベン)さんは、日本に精通している中国人女性KOLです。2021年4月時点でWeibo569万1,990人、TikTok15万人(2019年時点)、WeChat公式アカウント3万7,000人(2019年時点)のフォロワーを抱えています。2010年より、旅行や美食、コスメなどをはじめとする日本に関連する情報を発信しており、インバウンドプロモーションを請け負った実績もあります。日本語が堪能で、日本人とコミュニケーションを取りやすいことが特徴です。
2. papi醤(パピちゃん)さん
papi醤(パピちゃん)さんは、網紅の代表的存在と言っても過言ではありません。2021年4月現在、Weiboでは3,317万3,440人のフォロワーを抱えています。2016年2月にネット上にアップした「男性生存の法則」などの複数作品が注目を集めて人気になりました。その結果、同年には1,200万元(現在のレートで約2億200万円)の融資を獲得しています。さらに、「papitube」というMCN(マルチチャンネルネットワーク)の組織運営を開始しています。
MCN(マルチチャンネルネットワーク)とは、複数のインフルエンサーと提携し、コンテンツの作成やマネジメント、ブランディングなどを請け負う企業のことです。
papi醤(パピちゃん)さんは、自身の動画投稿だけでなく、マネジメント事業も展開していることから、彼女自身もマーケティングに精通しているといえるでしょう。
3. 李佳琦(オースティン・リー)さん
李佳琦(オースティン・リー)さんは、男性美容家のトップインフルエンサーです。通称は「口紅王子」とも呼ばれています。2021年4月現在、Weiboのフォロワー数は2,921万3,853人を抱えています。
過去には、L’Oréal(ロレアル)でコスメを販売していた実績があります。L’Oréal(ロレアル)のライブ配信で見せたトーク力やパフォーマンスが支持されて、徐々に人気が出ました。はっきりと好みや「似合う似合わない」を言うところも支持されるポイントでしょう。
彼の人気は凄まじく、ライブ配信の5分間で1万5,000本の口紅を販売した記録があるほどです。さらに、2020年にはコロナ禍で巣ごもり需要やライブコマース需要が増える中、2か月で6,600万点の商品を販売しました。
化粧品への知識が豊富なため、その分野を好きな方たちから特に人気があると考えられます。美容系の商品やサービスのプロモーションには、効果的なKOLといえるでしょう。
中国のインフルエンサー(KOL)は知識の多さで人気。今後も注目
中国のインフルエンサーであるKOLは専門性の高さや情報力から、フォロワーだけでなく、企業からも注目を集めています。インフルエンサーと同様に拡散力や影響力が強く、ジャンルによって人気のKOLが多数存在します。
そのため、企業の商品やサービスのプロモーションにも起用されるほどです。KOLはコロナ禍により、ますます市場規模が成長していくでしょう。
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【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
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→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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