自民総裁選、4候補とも「観光需要回復」に意欲 「Go To 2.0」やデジタル活用にも言及

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9月25日、自民党総裁選に出馬する河野太郎規制改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行4候補は、党主催のオンライン討論会に臨み、観光政策などについて議論しました。

4候補とも新型コロナウイルス感染の収束を見据え、落ち込んだ観光需要の回復に取り組む考えを表明しました。

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自民党総裁選、観光政策などについてのオンライン討論会実施

自民党総裁選が9月29日に投開票日を迎えます。

それに先立ち、9月25日自民党主催のオンライン討論会が行われました。討論会は全4回行われましたが、今回は3回目の「防災・減災、国土強靱化、観光振興、農林水産」の部分から「観光振興」に絞り、各候補の今後の観光政策についてまとめていきます。

岸田氏:「Go To 2.0」構想、デジタル活用、体験型観光に注力

岸田氏はコロナ後の観光客誘致について、「Go To トラベル」をバージョンアップさせた「Go To 2.0」を実施したいとし、「大型店・高級店に殺到しないよう中小、旅館などに行ってもらえるようプレミア率をあげる」ほか、地域共通クーポンに関してもデジタル化したいと発言しています。

また、ワクチンパスポート保持者、陰性証明保持者には、プレミア率を上げることも検討しているということです。

富裕層の観光誘致については、日本ならではの強みを生かした体験型観光に一層力を入れていきたいとしています。

観光振興による地域創生について、そして訪日外国人が生む軋轢などについて聞かれた質問に対しては、「デジタル田園都市構想」で都市と地方の物理的な距離をデジタルによって埋めていきたいと見解を表明しました。

河野氏:富裕層分野への注力、世界最大級のアートフェア誘致に意欲

河野氏は、まず国内の「リベンジ消費」の後にインバウンドが来ると考えているとした上で、今後の観光は「今だけ、ここだけ、あなただけ」という非日常を体験できるものになると予想するため、ワーケーションの推進に加え、「マーケットイン」の発想で旅行者が求めているものを推進したいとコメントしています。

富裕層誘致については、世界最大級のアートフェアであるアートバーゼルを誘致したいと具体的に言及しました。

コロナ禍の今では、「アバターを利用してあたかもそこにいるような観光を行うことも人気と聞いている」とした上で、日本食を送り現地で調理して食べてもらうことも意識しています。また、ビデオによる発信も考えているとコメントしています。

高市氏:補正予算を活用し国内観光から推進、多様化するニーズにも対応

高市氏は今後旅行をはじめとしたさまざまな需要があがることを想定し、事業自体が潰れないよう早急に補正予算を成立させたいとしています。

具体的には長期滞在型、単価が高い旅行、看板になる商品、受け入れ態勢が整備されているところ、また多様化するニーズに合わせ、宿の改築などへの支援をしていきたいと考えています。

訪日外国人、特に富裕層はコロナ後に呼び込みたいとし、IRについては韓国の事例に言及しつつまだ時間がかかるだろうとコメント。

またICT技術を活用し日本ならではの「自分にしかできない」体験を作りたいとしています。

コロナ禍での「Go To トラベル」開始については感染症対策や社会的距離の確保を徹底はもちろん、宿の感染防止対策や少人数旅行に対応できるように事業再構築の補助金を拡大し取り組んでいきたいとしました。

コロナ禍での観光資源の発信についてはアニメゆかりの地などをアピールしつつ、バーチャルでの観光地体験を発信していきたいとコメント、またこれから日本の各地の特産品などをネット販売していく体制を整えるべきとしました。

野田氏:「Go To」利用でリベンジ消費推進、超富裕層向けインフラ整備も意識

野田氏はなるべく早い段階で行動制限を解除し「Go To トラベル」を利用しながらリベンジ消費を推進したいとコメント。

インバウンドの再開にあたっては、超富裕層のマーケットを開拓していきたいとコメント。日本において強みである「医療」を活かして高レベルの医療ツアーなどを実施していきたいとしています。しかしスーパーヨット、プライベートジェットなどのインフラの整備も必要だという見解を示しました。

今後の国内旅行については昨年に比べワクチンの開発や治療薬などの医療技術が進展、マスク、消毒薬なども整備が整ってきたので、状況を見極めつつ再開したいとコメント。

観光資源の発信としてアニメ、和食の重要性を取り上げました。また日本への観光のきっかけづくりとして昨年から日本酒の輸出に取り組んでいるとのことです。

4候補とも観光振興に意欲

総じて、各候補ともコロナ後の観光振興について積極的な姿勢を見せていることがわかります。

その中でも岸田氏は国内観光の立て直しとして「Go To 2.0」を掲げ、直近の具体的な政策を述べている点が特徴といえます。

高市氏、野田氏はいずれも日本の観光資源の大きな武器としてとしてアニメを挙げ、それぞれ富裕層誘致のためIRやインフラ整備に対しての見解を示し、コロナ禍の今でもバーチャルなどの手段を通じて日本文化を積極的に海外に広めようという考えがうかがえます。

ただし、まずは国内観光を徐々に再興させたのちにインバウンド誘致に向けた取り組みを進めていくという見通しは、4候補者とも共通しているといえます。

投開票は29日と迫る中、次期総裁の誕生に注目が集まります。

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<参照>
自民党YouTubeチャンネル:【自民党総裁選】国民の声に応える政策討論会③「防災・減災、国土強靱化、観光振興、農林水産」(2021.9.25)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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