大阪のインバウンドはどうなる? データと今後の動向予測

新型コロナウイルスによる入国制限や行動制限によって、日本国内の観光業は大きな打撃を受けました。

その一方で令和4年の1月から実施されていたまん延防止等重点措置が同年3月21日に解除され、引き続き気は緩められないものの日本は新型コロナウイルスを乗り越えようとしています。

ここではインバウンドの観点から非常に注目を集めている大阪の訪日外国人客数のデータ、人気観光地、そして今後注目のトピックについて解説します。

これまでの大阪のインバウンド

これまでの大阪府の報告によると、大阪の外国人観光客数は以下のとおりになっています。

年/データ

外国人観光客数

2021年

データなし

2020年

データなし

2019年

1,231万人

2018年

1,142万人

2017年

1,110万人

5年前から順調に外国人観光客数は増加しており、2019年の外国人観光客数は過去最多を記録しました。この年には日韓関係が悪化したことによって韓国人観光客は減少したのですが、中国や欧米からの観光客がその数字を補っていました。

また2019年には、G20やラグビーワールドカップなどの国際的なイベントが開催されたことや、欧米から日本への直行便が増加したことも大阪への観光客数が増加した要因でしょう。

しかし、2020年以降は大阪府はデータを公開していません。大阪府のホームページによると新型コロナウイルスの感染拡大によって独自推計するためのデータが不足していることによって推計自体を行っていないということです。

2022年からのインバウンドの動向はどのようになるのか、目が離せません。

大阪のインバウンドにおける人気スポット

大阪の繁華街である道頓堀

新型コロナウイルスの影響を受ける以前である2019年、日本政府観光局(JNTO)の調査によると訪日外国人が最も訪れた都道府県は東京都でした。

そして、その東京都に次いで第2位に輝いたのが大阪府です。

同調査により訪日外国人の38.6%が大阪府を訪れていたことがわかっており、東京都に次いで第2位という順位は2017年から3年連続で続いていました。

ここでは、大阪府のインバウンドにおける人気スポットを3つ紹介します。

大阪城

大阪城は、豊臣秀吉が大阪を天下統一のための拠点とする際に築城したものであり、当時は現在の4〜5倍もの大きさがあったとされています。江戸城や名古屋城と並ぶ、日本三代名城のひとつです。

ナビタイムジャパンが発表した「2019ナビタイム スポット検索ランキング」では、訪日外国人の検索ワードとして、2年連続で「大阪城天守閣」が第1位に輝いていることを考えると、その人気がどれほどのものかが想像できるでしょう。

G20の記念撮影においても背景として大阪城が使われていたり、フリーWi-Fiが充実していたり、日本文化を感じる兜の試着体験ができたり、知名度だけでなく利便性や体験価値も人気の理由です。

道頓堀

道頓堀は大阪府大阪市中央区にある繁華街のことです。もともとは日本の芝居の本場であり、そこに集まる人々をターゲットとした飲食店が繁盛したことが栄えたきっかけといわれています。

現在では非常に多くの外国人観光客が訪れる場所であり、そこには訪日外国人としての割合が多い中国人や韓国人などをターゲットとした店舗が多く並んでいます。大阪名物である「たこ焼き」のほかにも、「日本の製品は安全で安心だ」という情報からドラッグストアも人気です。

夜になればさまざまな色の電飾が光り、名物のひとつでもあるグリコの看板も目立ち始めます。そんな煌びやかで賑やかな様子も外国人観光客を惹きつける1つの要因でしょう。

梅田スカイビル

梅田スカイビルは大阪府大阪市北区にある超高層ビルのことです。イギリスの有名出版社「ドーリング・キンダースリー」が選出した「世界を代表する20の建造物」にも選ばれたことがあり、日本だけではなく世界中で人気や注目を集めています。

ビルのなかではあらゆるイベントが開催されていたり、レストランや会議室、美術館、クリニックなどが入っています。特に空中庭園展望台は人気で、美しい大阪の街並みと自然が一望しながら、併設されている「cafe SKY 40」で美味しいコーヒーを楽しめます。

新型コロナウイルスの影響で閉鎖的な生活を強いられてきた人々にとって、梅田スカイビルは「行ってみたい場所」として頭のなかにあるはずです。

梅田スカイビル 空中展望台:梅田スカイビル公式サイト
▲梅田スカイビル 空中展望台:梅田スカイビル公式サイト

大阪のインバウンドのポイント

大阪は現在、最もインバウンドの観点で注目されている都道府県といっても過言ではないでしょう。

その理由は、以下の3つが存在するためです。

大阪の今後のインバウンドを語るうえで、大きな人の流れを生み出すであろう3つのトピックをみていきましょう。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは世界にわずか5つしかないユニバーサル・スタジオのテーマパークのひとつであり、大阪府大阪市此花区にあります。

外国人に絶大な人気を誇る観光スポットであり、Walkerplusにおけるインタビューにおいて合同会社ユー・エス・ジェイの中村知弘さんは宣伝戦略として「KOLを海外から招待してパークを体験してもらい、体験記録を書いてもらっている」と話します。

新型コロナウイルスの影響で新エリアをなかなか楽しめていない外国人がたくさんいると考えると、インバウンド再開後にはたくさんの外国人観光客がユニバーサル・スタジオ・ジャパンを訪れるでしょう。

関連記事:中国インフルエンサー「KOL」とは

大阪万博

2025年には大阪万博の開催が決まっています。開催期間は2025年4月13日〜10月13日、開催場所は大阪の夢洲です。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」となっています。

過去に日本で行われた1970年の大阪万博や2005年の愛知万博においても多くの訪日外国人が万博を訪れ、大きな経済効果を残していきました。過去の実績から試算するに、今回の2025年大阪万博における経済効果は2兆円にものぼると試算されています。

大阪では万博に訪れた訪日外国人が大阪のホテルに滞在したり、大阪の飲食店で食事をしたりすることが見込めるため、いまのうちから2025年に備えておくべきでしょう。

関連記事:「2025年大阪・関西万博」、インバウンド誘客へ期待される効果は?

Integrated Resort(IR/統合型リゾート)

Integrated Resort(IR)とは、カジノなどを含む統合型リゾートのことです。大阪は夢洲を舞台としてIR誘致を行っており、それが実現すれば国際観光拠点として大きな影響があると考えられます。

大阪府・市が作成した整備計画には年間の来訪者は2,000万人、売り上げは5,200億円、経済波及効果は1兆1,400億円とする試算が盛り込まれています。

IRの誘致に成功すれば、国際観光の大きな拠点となり訪日外国人の増加も期待できるため、今後の展開にも注視すべきでしょう。

関連記事:IRはカジノだけではない|各国の事例も紹介、日本の開業計画はどうなる?

大阪のインバウンドへの期待は大きい

大阪には新型コロナウイルス感染拡大以前から外国人に人気だったユニバーサル・スタジオ・ジャパンがあるだけでなく、2025年には大阪万博があり、将来的にはIR誘致に成功する可能性もあります。

さらに、DMP(Data Management Platform)を活用することでデータを活用して来阪数と消費額を目指すなど、インバウンド施策に対して積極的です。

新型コロナウイルスによるインバウンドのストップを目前に控えた日本では、たくさんの都道府県が「インバウンド再開後に訪日外国人が来てくれるように」と準備を進めてきましたが、これからのイベントや現在の動向を見る限り、やはり最も期待が大きいのは大阪でしょう。

今後の大阪のインバウンドには注目が必要です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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