中国インフルエンサー「KOL」とは:基礎知識から現地のプロモーション事例までを紹介

公開日:2020年10月16日

KOLとは、Key Opinion Leaderの略語で、中国においてSNSで影響力を持つ人物を指します。

中国ではKOLを活用したプロモーションはすでにスタンダードな手法となっています。

そのため中国市場への進出や訪日中国人の集客を考える際は、KOLを活用したプロモーションが効果的であると考えられています。

この記事では、KOLとは何なのか、KOLをプロモーションに活用するメリットから中国現地のプロモーション事例まで解説します。

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KOLとは

KOLとは、キーオピニオンリーダー(Key Opinion Leader)の略で、現在の中国や香港、台湾などをはじめとするアジアにおいて販売促進に影響力を持つ人物を指します。

KOLはもともと、医師など医療業界で活躍する専門家や研究者を指して使われていましたが、最近は中国SNSで影響力の高いインフルエンサーに近い意味合いで使われることが多くなっています。

KOL インバウンド用語集

インバウンド用語 KOL とは について解説します

KOLとインフルエンサーの違い

KOLは先ほど、インフルエンサーに近い位置付けになっていると説明しましたが、KOLインフルエンサーには明確な違いが存在します。

決定的な両者の違いは「専門性」にあります。

たとえば、『フォロワー数100万人!理想の体を手に入れたマッチョがおすすめするプロテイン!』と『フォロワー数100万人!世界的プロトレーナーがおすすめするプロテイン!』という表現を見比べた場合、後者の「プロ」の肩書きをもつ方に商品説明をされた方が、説得力を感じます。

つまり、専門性を担保に説得力を持たせるのがKOLであり、前者がインフルエンサーとなります。

ただし近年、KOLインフルエンサーの使い方が混在しており、意味の境目が曖昧となりつつあります。

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KOL(Key Opinion Leader)は、中国版インフルエンサーマーケティングと呼ばれ、中国のSNSで影響力を持っている人を巻き込んだマーケティング手法です。中国からのインバウンド誘致の要素として、KOLは非常に重要な役割を担っていますが、日本ではあまり知られていません。そこでこの記事では、KOLの意味やインフルエンサー・網紅(ワンホン)との違いとメリット、効果的なマーケティングを行うための3ステップについて解説します。目次KOLとは?インフルエンサーと何が違う?インバウンドでよく...

KOLマーケティングのメリット・デメリット

KOLを活用したマーケティングにはメリットとデメリットの両者があります。

メリットとしては、まず、専門という肩書きで情報の信ぴょう性を高め、商品説明の訴求力を高める役割を果たしてくれることがあります。

中国人は企業の直接的な宣伝や広告よりも口コミを信用する傾向にあり、専門性のあるKOLからの口コミは高い商品訴求力を有し、消費者の購買意欲を高めることができます。

一方でデメリットとしては、ある程度の予算が必要である点や、自社商品に親和性の高いKOLを探すことが難しい点、効果が測りづらい点などがあげられます。

KOLのフォロワー数や人気度によって、依頼の費用が変化する場合があります。

また、人気のKOLを選定しても、自社の商品特性とKOLの特性がマッチしていなければその宣伝効果が最大限に発揮されないこともあります。

こうした状況を避けるためには、代理でKOLを選定しPRを依頼してくれる専門会社に相談することがひとつの手段です。

それから、KOL施策の効果を測定することは難しいのが現状です。

指標としてコンテンツのビュー数や動画再生数、エンゲージメント率などがあるものの、どれくらい宣伝効果があるのかを正確に把握するのは困難です。

KOL選定のポイント

KOL選定における大切なポイントは2点あります。

1つ目は、KOLの属性の見極めです。

フォロワーの数だけで判断を行うのではなく、普段の発信内容が自社製品との親和性が高いかどうかをまずは見極めます。

そして、発信内容に専門性を感じ、かつ自社製品との相性もよければ、つぎに影響力を見極めます。

影響力を判断するには、リツイート数やシェア数、コメント数が主な判断材料となります。

フォロワーが多くいても、あまり投稿が拡散されていないKOLの場合、フォロワー数を買っている可能性もあるため、見せかけの影響力に騙されないよう注意が必要です。

3つ目は、コミュニケーションスキルを見極めます。

中国人にとってKOLは有名人より身近な存在であり、フォロワーからのコメントに返事をしない方や反応が遅いKOLだと、商品の情報を最大限に伝えられない可能性があります。

フォロワーと積極的に交流し、商品の魅力を伝えてくれるKOLを選定するとよいでしょう。

KOLマーケティングのプラットフォーム

中国では厳しいインターネット規制が行われており、日本国内のSNSマーケティングでよく活用されるTwitterやInstagramの閲覧が禁止されています。

そのため、中国人をターゲットにマーケティングを行うには、中国産のSNSプラットフォームを活用する必要があります。

KOLは、中国のSNSで大きな影響力を持つ人物なので、KOLをマーケティングに活用することで中国人に対して効果的にアプローチできる可能性があります。

ここで、中国産SNSの中で影響力の高い3つのサービスをピックアップし、それぞれの特徴について解説します。

WeChat(微信)

まず1つ目はWeChat微信)」です。

テンセント(騰訊)が2011年にリリースしたサービスで、日本のSNSでいうとLINEに近いサービスです。

テンセントが発表した2020年4〜6月期の決算によると、WeChatの月間アクティブユーザー数は世界で12億人を突破しています。

Wechatには一般のアカウント以外に、「公众号」という公式アカウントがあり、フォローしているユーザーに対し、記事やキャンペーン情報など様々なコンテンツを配信することができます。

企業でも個人ユーザーでも開設することができるため、多くのKOLも利用しています。

WeChat公式アカウントとは:開設方法・費用・日本企業の成功事例も紹介

2020年6月末より、インドやアメリカなどで中国製アプリに対する規制の動きが強まりつつあります。こうした中で、日本でも7月28日に自民党「ルール形成戦略議員連盟」により、TikTokなど中国発のアプリやソフトウェアの利用制限を政府に提言する考えが示されました。ただし、現状ユーザー数が12億人を有する「WeChat」は、訪日中国人観光客向けのインバウンド対策として大いに活用されている現実があります。今回は、企業でも取得できる「WeChat公式アカウント」の特徴をふまえ、取得に向けた手続きや公...

Weibo(微博)

2つ目はWeibo微博)」です。

このサービスは、中国の新浪公司が運営する中国版のTwitterと呼ばれるポジションのSNSとなっています。

Weiboが発表した2020年1〜3月期の決算によると、月間アクティブユーザー数は5.5億に達しており、1日あたりアクティブユーザーは2.41億に上っています。

多くのユーザーを抱えており、情報の拡散力も強いため、Weiboをマーケティングツールとして活用している日本の自治体や企業が多く存在します。

中国SNS「Weibo」日本の自治体フォロワーランキング、青森がダントツ1位のワケ

中国から日本を訪れる観光客の数は、訪日外国人観光客全体の4分の1を占めています。インバウンド集客を伸ばすためには、中国人観光客を取り込むための対策が必要不可欠であると言えます。中国では、旅行前の情報収集手段として中国独自のオンラインサービスを利用する傾向が高く、検索エンジンの百度(バイドゥ)、メッセンジャーアプリの微信(WeChat)、中国版Twitterとも言える微博(Weibo)などがメジャーです。このようなサービスをうまく活用して中国人に向けたプロモーションを行うことは、インバウンド...


RED(小紅書)

3つ目に紹介するのが「RED(小紅書)」です。

小紅書(RED)とは、中国発のソーシャルECプラットフォームであり、InstagramとAmazonを掛け合わせたようなサービスです。

特に都市部在住の25〜35歳の女性に人気で、登録ユーザー数も3億人を突破し、月間アクティブユーザーは1億人以上に達しています。

ユーザーに対し商品の認知から購入までのアクションを促すことができるため、多くのビジネスが参入しています。

また、REDは旅マエの情報収集手段としても注目されています。

中国ネットのビッグデータを研究・分析する会社「比达信息咨询」が発表した「2020上半年度中国旅游行业发展分析报告(2020年上半期中国旅行業界発展分析報告)」によると、REDがCtripやFliggy、Mafengwoなど旅行分野に特化したOTAや口コミサイトを抑え、旅マエの情報収集手段の1位となっています。

さらに、REDの利用は旅マエ段階のみならず、旅ナカ旅アトでも旅行の写真や感想、おすすめの民宿・グルメなどの情報共有プラットフォームとしても用いられています。

「計画旅行」から「衝動旅行」へ 中国で起きた変化:53.2%は「旅先でなにするか決める」

新型コロナウイルスの世界的流行により、旅行産業が大きなダメージを受けており、旅行者の旅に対する考え方や行動志向にも変化が生じています。アフターコロナの旅行需要の回復に向けて、インバウンド担当者は海外における国内旅行の最新動向をキャッチする必要があるでしょう。ここでは、日本のインバウンド市場を牽引する中国に焦点を当て、中国ネットのビッグデータを研究・分析する会社「比达信息咨询」が発表した「2020上半年度中国旅游行业发展分析报告(2020年上半期中国旅行業界発展分析報告)」を取り上げ、コロナ...


KOLマーケティングの事例

KOLをうまく活用してプロモーションやキャンペーンを行うことで、商品の認知度や売り上げの向上、イメージの形成に役立てられます。

ここでは、KOLを活用したマーケティングの事例を紹介していきます。

化粧品ブランド「Pechoin」:KOLを通して若い女性の支持獲得

上海の化粧品会社「Pechoin(ペチョイン)」は、88年以上の歴史を持つ老舗ブランドとして、中国国内で安定した売上をあげていた会社です。

一方で、若者からの売上を伸ばことに苦戦しており、若者への認知不足が課題となっていました。

そこで、化粧品業界に精通している若い女性をKOLとしてプロモーションに起用し、WeiboWeChatを通じて1億4,300万人のフォロワーへリーチすることに成功しました。

その結果、同社のブランド認知が若者に浸透することができました。

ファッションブランド「Semir」:Weiboでハッシュタグキャンペーン

中国のアパレルブランド「Semir(セミル)」は、流行に敏感な若い女性がターゲットのブランドです。

同ブランドは、限定されたターゲットに向けたブランドの認知度向上のため、Weiboの「#(ハッシュタグ)」機能を活用したキャンペーンを行いました。

このキャンペーンでSemirは、KOLの選定の際に、フォロワーの多さではなく、ブランドイメージを正しく表現してくれることを重視し、ブランドコンセプトと一致するKOLを起用しました。

その結果、「#明天穿什么(明日何着る?)」というハッシュタグのインプレッション数は5億を超え、ハッシュタグを引用した投稿は約120万件となり、ブランドの認知度向上に大きく貢献しました。

コスメブランド「メイベリン」:小紅書でKOLを通してユーザーの声を収集

前述したように、小紅書は若い女性からの注目を集めるアプリです。

小紅書は、ユーザーにとって自分の興味に関する情報を集めるだけでなく、人気女優やKOLと交流できる場にもなっています。

人気の女優やKOL小紅書で紹介した商品が爆発的な注目を集めることは珍しくなく、在庫切れのような事態に発展することもあります。

このような小紅書の特性を活かして、アメリカ発の化粧品ブランド「メイベリン」は、「Fitme」というファンデーションの発売前のPRにKOLを採用し、使用感などの商品情報を拡散して、ユーザーの商品に対する反応を収集しました。

その中で、ユーザーは商品が「越境ECサイトで人気であること」に着目していることが分かり、商品発売時に「越境ECで人気の商品」という特徴を前面に出した宣伝でユーザーから人気を集め、商品の売り上げを伸ばすことに成功しました。

ターゲットに合ったKOL選定で効果的なプロモーションを

KOLは、中国のSNSで大きな影響力をもっており、多くのユーザーが商品を選ぶ際にKOLの投稿やレビューや参考にしています。

彼らには専門領域があり、その領域での発信には信用があります。信頼性の高い口コミが大きな影響力を持つ中国でのマーケティングにおいてKOLを採用することは中国市場への進出を狙う際には無視できない存在です。

一方で、自社商品のターゲットは誰なのかという視点を失ってしまっては、最適なKOLの選択ができなくなり、効果として現れにくいでしょう。

効果的なプロモーションをしていくためには、自社の商品ターゲットやコンセプトを明確にしたうえでKOLを選定し、KOLの特性や個性を活かしたコンテンツ作成を行うことが重要です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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