WeChat公式アカウントとは:開設方法・費用・日本企業の成功事例も紹介

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2020年6月末より、インドやアメリカなどで中国製アプリに対する規制の動きが強まりつつあります。

こうした中で、日本でも7月28日に自民党「ルール形成戦略議員連盟」により、TikTokなど中国発のアプリやソフトウェアの利用制限を政府に提言する考えが示されました。

ただし、現状ユーザー数が12億人を有する「WeChat」は、訪日中国人観光客向けのインバウンド対策として大いに活用されている現実があります。

今回は、企業でも取得できる「WeChat公式アカウント」の特徴をふまえ、取得に向けた手続きや公式アカウントを取得した日本企業の事例からわかる活用メリットについて整理します。

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WeChat公式アカウントとは?

WeChat公式アカウントとは、運営会社のテンセント社に登録をすることで発行できる、WeChatのビジネス用アカウントです。

WeChat公式アカウントに登録すると、セールやキャンペーン情報の発信やクーポンの発行、メッセージ機能を通じユーザーと直接コミュニケーションを取ることができます。

より密なコミュニケーションが可能となるため、商品の販売促進や来店促進につなげられる点が、WeChat公式アカウントを取得する大きなメリットです。

WeChat公式アカウントは、広告配信のツールとしても活用できます。現在は、公式アカウント広告・ミニプログラム広告・モーメンツ広告が掲載可能であり、ユーザーとのコミュニケーションとあわせて活用することで、より大きな集客効果が期待できる点が特徴です。

そもそもWeChatとは

WeChatとは、中国の大手IT企業「テンセント社」が開発したスマホアプリです。日本のLINEのようなアプリで、中国国内はもちろん世界中で生活する中国人に使用されています。

2020年第1四半期のテンセントの財務報告によれば、Wechatの月間アクティブアカウント数は12億250万人となり、公式アカウントの件数は2,000万以上となっています。

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訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(1):WeChat(微信)

訪日中国人観光客の増加に伴い、インターネットを活用したインバウンドマーケティングへの関心が高まっています。しかし、中国のネット事情は日本とは大きく異なります。

公式アカウントには3つのタイプがある

WeChat公式アカウントには、3つの種類があります。

  1. 購読アカウント(服務号):主にメディアや個人ユーザー向けのアカウントです。毎日1つのメッセージを配信できる機能があり、定期的にコンテンツ配信を行う場合に適しています。
  2. サービスアカウント(訂閲号):一般企業がサービスのプロモーションやマーケティングに活用できるアカウントです。日本のLINEでいうLINE公式アカウント(旧LINE@)のような機能が特徴で、毎月4つのメッセージを配信できるほか、個人ユーザーとのコミュニケーションも可能です。また、WeChat決済の利用も可能です。
  3. 企業アカウント(企業号):SlackやLINE WORKS、Chatworkなどに近いイメージの、企業内部で利用するためのコミュニケーションツールです。中国ではメールよりもチャットをコミュニケーションツールとして多用されているため、企業向けとしてニーズの高いアカウントです。

本記事では、訪日中国人に対して自社のPRやサービス・商品、ECサイトのプロモーションに適する「サービスアカウント」を中心に紹介します。

公式アカウントを取得するとできること

WeChat公式アカウント「サービスアカウント」を取得すると、主に下記のことができるようになります。

  • 企業情報の配信:公式アカウントをフォローしているユーザーに向けて、キャンペーンや新商品の案内といった企業情報を配信できます。
  • ユーザーへのプッシュ通知:公式アカウントが情報を発信すると、ユーザーへプッシュ通知が届き、よりユーザーにチェックしてもらいやすくなります。
  • フォロワーとのコミュニケーション:企業から一方的発信だけではなく、ユーザーからメッセージを受け取り、やりとりもできます。こうした相互コミュニケーションにより、ユーザーとの距離を縮めることができます。
  • 自社のサイトへの誘導:公式アカウントには企業の公式サイトや販売サイトのURLを記載できるため、外部サイトへの誘導が可能となり、認知度促進や販売促進に寄与できます。
  • 顧客情報の把握:公式アカウントをフォローしているユーザーの所在地や性別といった顧客情報が取得できるため、フォローユーザーに適した情報発信ができます。
  • 決済サービスWeChat Payの利用:中国国内で広く普及しているWeChat Payを利用できるため、中国人向けの販売促進につながります。
  • 広告の表示:公式アカウントでは、WeChatに記事投稿のバナー広告やタイムラインに表示される広告の出稿が可能です。

取得方法

WeChat公式アカウントを取得すると、企業のプロモーションや商品の販促への効果が期待されます。

ここでは、WeChat公式アカウントを取得するまでの登録手順や、取得までにかかる時間と費用について解説します。

登録手順について

日本の法人はサービスアカウントしか申請できないため、WeChat公式サイトから「サービスアカウント」を選び、登録を始めます。

まずはメールアドレスや電話番号といった情報を記入し、公式アカウントの申請をしましょう。記入項目は中国語で記載されているため、翻訳機能を使用するか、中国語が分かるスタッフなどと一緒に進めると安心です

申請が済んだら、ウェブでの認証手続きに入ります。事前に下記の情報を準備しておきましょう。

  • 住所や経営範囲・代表者氏名など、登記簿謄本に記載の情報
  • 登記簿謄本の写真
  • 銀行の口座情報
  • アカウント運営担当者のパスポート番号(ただし中国人の場合は身分証のIDでも可)
  • アカウント運営担当者の直近3か月分の携帯電話料金の明細

取得までにかかる時間や費用

WeChat公式アカウントの取得費用は、300元(日本円=約4,580円)です。審査が完了しアカウントが開設できたら、指定の口座へ振り込みます。その後、明細書の写しをウェブ上で提出します。

公式アカウント開設と認証手続きが完了するまでにかかる期間は、1か月程度を見込んでおくとよいでしょう。認証手続きの完了後、公式アカウントのIDやアイコンの設定などができるようになります。

WeChat公式アカウントを取得した企業

日本企業のなかには、WeChat公式アカウントを取得し、訪日中国人観光客の集客を進める例が見受けられるようになりました。ここでは、2つの企業におけるWeChat公式アカウントの活用事例から、公式アカウントの運用による訪日中国人をターゲットとした情報発信のメリットについて紹介します。

アーバンリサーチの事例

アパレル販売を行う株式会社アーバンリサーチでは、WeChat公式アカウントを開設しキャンペーンの実施や情報発信を行い、訪日中国人観光客への認知拡大と集客促進を図っています。

店頭では、WeChat公式アカウントのQRコードを掲示した上でアカウントのフォローを促し、割引やノベルティが得られるといった施策を展開しています。

訪日中国人観光客を対象に、決済システムとしてWeChat Payを導入し、利便性の促進を図りました。

また、店頭でWeChat Payによる決済が完了すると、アーバンリサーチのWeChat公式アカウントを自動でフォローするシステムとなっているため、顧客情報の蓄積や分析につなげることが可能です。

来店歴のあるユーザーはリピーターやファンになる可能性が高いため、ユーザーを通じたWeChatでの情報拡散や売上拡大が期待できます。

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マツモトキヨシの事例

インバウンドでもたびたび話題に上がる大手ドラッグストア「マツモトキヨシ」は、インバウンドの主要顧客である訪日中国人向けにSNSアカウントを活用しています。

マツモトキヨシのWeChat公式アカウントは、ドラッグストアだけでなく日本の小売り業界のなかでもトップクラスのフォロワー数を有します。

マツモトキヨシは、WeChat公式アカウントを通じて1か月に4回程度の投稿を行っており、1回の更新につき4〜5記事を掲載しています。クーポンの配信や商品情報などを投稿し来店を促すほか、中国語対応の公式サイトや中国ECプラットフォーム天猫国際 旗艦店」への誘導なども行っているのが特徴的です。

ドラッグストアのSNS・ソーシャル活用に関するインバウンド対策事例集

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中国人向けインバウンド対策では、WeChat公式アカウントが存在感を増しつつある

企業がWeChat公式アカウントを導入することで、より多くの中国人に向けた商品やサービスの認知拡大につなげられます。

アーバンリサーチではWeChat Payの導入と公式アカウントフォローへの誘導など、WeChatの機能を連携し活用することで、顧客情報を入手・分析し次のマーケティング施策の検討に活かすことができるようになりました。

マツモトキヨシのように、来店促進の情報発信と合わせて、自社サイトや中国のECプラットフォームへの誘導も行うことで、旅マエ旅ナカ旅アトのいずれの状況の中国人ユーザーにもリーチすることが可能です。

現時点では、WeChat公式アカウントを効果的に運用することは、アフターコロナの訪日中国人観光客の再誘致を見据えた認知拡大と中国マーケットへの進出にも役立つと考えられます。

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<参照>

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訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】


【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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