17日、斉藤国土交通大臣は、訪日観光再開に向け今月中に試験的な少人数の訪日ツアーを実施する考えを表明しました。
対象となるのは新型コロナウイルスの変異株の感染状況が比較的落ち着いているアメリカ、オーストラリア、タイ、シンガポールの4カ国になります。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
試験的な訪日ツアー 対象地域は同意した観光地のみ
来月以降の訪日観光再開に向けて、必要な材料を収集するために少人数の訪日ツアーを試験的に行う方針です。
感染防止対策の遵守方法や陽性者発生などの緊急事態への対応について検証し、旅行会社や宿泊事業者向けに「ガイドライン」を策定します。
対象は変異株の感染状況が落ち着いており、訪日重点市場であるアメリカ、オーストラリア、タイ、シンガポールの4カ国で、ワクチンを3回以上接種していることが条件です。
また、ツアーは観光庁と日本旅行業協会が連携して行い、対象地域は都道府県が同意した観光地のみで実施される予定です。形式は少人数単位の、スケジュールが予め定められたパッケージツアー形式で添乗員が同行します。
なお今回の実証事業を通して観光庁は、
- 効果的な感染防止対策の遵守方法
- 陽性者発生時を含む緊急時の対応
- 陽性者の発生状況
などを検証項目として設定しています。
全国知事会、インバウンド受け入れ早期再開を要望
17日、全国知事会は観光産業の本格的な復興について斉藤国土交通相に要望しました。インバウンド再開に向けた仕組みづくりを進めるよう提案したほか、「Go To トラベル」の再開も求めました。
また、感染防止対策としてのマスク着用について、「単独で屋外にいる際の着用を不要とするなど、インバウンドの再開と同時に着用のルールをはっきりさせてほしい」と訴えました。訪日観光再開が目前に迫る中、訪日外国人のマスクの着用ルールのあり方について改めて懸念を示す声もあります。
マスク着用、アメリカは「独自判断」シンガポールは「屋外では不要」
訪日ツアーの対象国であるアメリカやシンガポールではマスク義務が解消されつつあります。
アメリカでは、1月のピーク時は約130万人で推移していた1日当たりの新規感染者は、今月には約14万人と減少しています。
CDCが延長を決めた公共交通機関でのマスク着用義務について、米フロリダ州の連邦裁判所は、違法とする判決を下しました。アメリカ国内では、各交通機関は独自の判断でマスク着用を決めることが可能になりました。
また、シンガポールは4月から、ワクチン接種を条件に隔離なしの入国を認めています。
公共交通機関やショッピングモールなどの屋内施設では、引き続きマスクの着用が義務付けられていますが、屋外ではマスク不要となっています。
タイ 観光客受け入れ再開するも感染者増加
隔離なし入国を認めている国では感染拡大が問題となっています、
ワクチンの接種完了などを条件に、今月初めから外国人観光客を隔離なしで受け入れているタイでは、1月初めまで約3,000人で推移していた1日当たりの新規感染者は、隔離免除後の今月5日、1万人を超えました。
タイ政府は「接種済みはマスクの非着用の言い訳にならない。厳格に処罰する」と警告しています。
感染対策の徹底 感染者の再拡大を防ぐためにも
段階的な訪日観光の再開を受け、懸念すべき点は感染者の再拡大です。また、感染対策による各国と日本国内の意識の差によって、観光地でのトラブルを引き起こす可能性もあります。
受け入れ地域は、地域住民がインバウンド誘致に対してネガティブにならないよう、マスクの着用義務が必要なのかというレベルで改めて議論した上で、明確なルールの設定と周知が求められます。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
<参照>
・観光庁:今後の訪日観光再開に向けて必要な検証をするための実証事業を実施します
・日本経済新聞:全国知事会、インバウンド受け入れ早期再開を要望
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!