後藤厚生労働大臣は先程会見を行い、「屋外で会話が少なければマスクは不要」であることなどをはじめとする、マスクの着用についての政府の見解を発表しました。
感染対策の一環としてマスクの着用を推奨していることに変わりはありませんが、屋外で感染リスクが低い場合には必ずしも着用しなくてもよいとしています。
日本政府はこれまで、マスクの着用については一貫して「推奨」するにとどまっていました。しかし、外国人観光客の受け入れが再開されようとしている今、マスクのルールの一層の明確化が求められます。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)G7各国の水際対策、マスク義務の現状は?
インバウンドの本格的な回復に向け、外国人が円滑に入国できることは極めて重要です。海外旅行客は2022年に入り、水際対策が緩和されている「入国しやすい国」を目的地として選ぶ傾向を示しているからです。
「G7並み」の入国制限の緩和とは、具体的にはどの程度の緩和でしょうか。まずは参考にすべき基準として、G7各国の水際対策とマスク着用の義務が、現状どうなっているのかみていきます。

最も特徴的なのはイギリスです。新型コロナウイルス感染予防に関する全ての規制が撤廃されており、マスクに関してもフリーとなっています。
フランスとイタリアは、ワクチン接種済みであれば検査・隔離はなしとなっています。ワクチン未接種でも、検査と隔離を経れば入国が可能なので、7カ国の中では水際対策は比較的緩いものになっています。
マスクに関しても、フランスとイタリアではルールは比較的緩く、着用義務は医療機関などのみに限定されています。感染リスクが高い場所や、重症化リスクの高い人が多い場所のみでマスクを着用する方針です。
ドイツは入国に際して、グリーンパスの提出という独自の条件を設けており、ワクチン接種が完了していれば検査・隔離なく入国することができます。フランス、イタリアと同様入国のハードルは低いといえます。
一方でマスクについては、全ての屋内と、屋外イベントでも大規模なものではマスク着用の義務があります。G7の中では、着用義務が比較的広範に残っているといえます。ドイツの状況から、「水際対策」と「マスク着用義務」の厳格さは完全には連動しないこともわかります。
アメリカとカナダは、比較的厳しい水際対策をとっているといえます。この2カ国では、入国に際してワクチン接種が原則必須であり、その上で検査も義務付けられています。
そんな中マスクに関しては、地域ごとの状況に応じた対応となっています。主要都市や感染が拡大している地域では、公共交通機関や医療機関で着用の義務が残っています。一方で、マスク着用義務が完全に解除されている州もあります。人口密度が高く、感染の制御がしづらい地域のみマスクを引き続き義務づける、という方針がとられています。
日本の厳格な水際対策と、あいまいさ残るマスク事情
そして、最も厳格なのが日本の水際対策です。G7の中で日本が唯一、ワクチン接種の有無にかかわらず入国後の隔離を義務付けています。また検査を2回行うのも日本のみです。
マスクに関しては、イギリスと並んで着用の義務はなしとなっていますが、イギリスと日本では実際の状況は全く異なります。
政府は5月20日には「人との距離が十分に取れない場合でも、会話が少なければ必ずしもマスクを着用しなくてもよい」といった、マスク着用に関する見解を発表しました。
しかし今回も全般的な方針を表明するにとどまり、各場面についてマスクを着用する・しないの具体的な線引きは今回示されませんでした。
インバウンド再開を契機に、マスクルールの明確化を
水際対策の緩和とマスクに関するルールについて、G7各国と比較しました。
マスク着用のルールが曖昧なままインバウンドが再開し、国内での感染が再拡大してしまった場合、地域住民がインバウンド受け入れにネガティブになるケースも考えられます。
そうした最悪のシナリオを避けるためにも、外国人観光客の受け入れが再開されるまでに、マスク着用のルールをより明確化し、ルールを守らせる仕組みをつくる必要があります。
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<参照>
在英国日本国大使館:日本から英国へ入国する際の水際措置について
在ドイツ日本国大使館:日本からドイツに渡航する際の入国・検疫措置 早見表
在フランス日本国大使館:フランスの出入国措置について
在イタリア日本国大使館:日本からイタリアに渡航される方向けの情
在日米国大使館と領事館:COVID-19検査及びワクチン接種の要件
在カナダ日本国大使館:コロナウイルス関連情報・カナダ出入国に関する情報
厚生労働省:水際対策に係る新たな措置について
厚生労働省:国民の皆様へ(新型コロナウイルス感染症)
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