ついに10月11日から、入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。
未だ"完全回復"には至っていないものの、観光地によってはすでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています。
では、今やるべきインバウンド対策とはなんでしょうか。そしてそれを国・地域別に見ると、どういった違いがあるのでしょうか。
そこで本記事では、インバウンド対策を何から始めたら良いか悩んでいる方や、インバウンドの最新動向を知りたい方向けに
- 最新の訪日観光の状況や今後の予想
- 国・地域別のデジタルマーケティング
- 外国人向け情報発信の際に意識すべきこと
などについて解説します。

※本記事は、2022年11月28日に開催したセミナー「インバウンド本格再開!国・地域別デジタルマーケティング戦略」の内容を一部抜粋 / 整理したものです。
観光・インバウンドの専門家である訪日ラボ川西と、ローカルビジネスコンサルタント永山氏の対談です。
以下のレポートをダウンロードいただくと、より詳細な内容をご覧いただけます。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
訪日観光、現在〜今後の動向は?【2022年11月最新】
国別の訪日外客数をまとめました。※現時点の最新データは2022年10月のもの韓国、米国、香港、台湾、タイの順となっており、特に韓国の戻りが顕著です。

※参照:https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/index.html
今後(2023年以降)のインバウンドの動向は?
訪日ラボ川西コメント:
今後の動向は、国際線の予約データから推測できます。これを見ると、中国を除く多くの国の便数が大幅増加しています。
空港別に見ると、これまで羽田空港・成田空港・関西国際空港に集中していたのが、地方の空港の便数も徐々に回復してきています。今後は地方のインバウンド回復にも期待が持てるでしょう。

※レポートでは、国際線予約のデータもまとめてご紹介しています。
2023年 インバウンドのキーワードは?
訪日ラボ川西コメント:
一番は「中国」がキーワードになると思います。コロナ前はインバウンド最大の市場だった中国ですが、2022年11月現在は「ゼロコロナ政策」などの要因で訪日観光の回復がかなり遅れている状態です。
今後の予測としては、2月の大型連休「春節」までの回復は難しそうで、その後2023年の春先あたりに何か動きがあるのではないかとみています。
※2022年12月14日追記:中国は12月7日、国内の抗議デモなどを受けて"ゼロコロナ"政策を緩和しました。この影響で、中国の入国制限がこれまでの予測よりも早まるとの見方も出ています。

コロナ後のインバウンド対策、そもそも何から始めたらいい?
永山氏コメント:最初に自分が「何をすべきなのか」は、立場やエリア、現在の受け入れ状況によっても異なります。そういう意味では、まずそれを見極めることが重要です。
自分の店舗 / 自治体が位置するエリアの「コロナ前(〜2019年)」の動向を見てみましょう。「どの国籍の人が、どのくらい来ていたか」といった情報と、現状はどうなのかを比べることは今後何をやっていくべきかのヒントになります。
【国・地域別】対策すべきSNS / 検索エンジンは?
今、注目したい8の国・地域について解説します。
※参照:https://gs.statcounter.com/SNSの国・地域別利用率データと訪日プロモーション向けSNS
SNSの国・地域別利用率データをまとめました。

このデータも参考にはなるんですが、これはあくまで「利用されているSNS」で、「訪日プロモーションに向いているSNS」はこれとは少し異なります。例えば広告を出すなら、他のプラットフォームよりもターゲティング精度が高いFacebook、Instagramがオススメです。
中国は、(ご存知の方も多いかと思いますが)FacebookやTwitterなど国外プラットフォームが基本的に使えませんので、中国独自のプラットフォームに向けた対策が必要となります。

検索エンジンの国・地域別利用率データ
検索エンジンの国・地域別利用率データをまとめました。

永山氏コメント:
検索エンジンでは「通常の検索」と「地図情報の検索」を分けて考えた方が良いと思います。地図検索でいえば、Yahoo!やBingなどにもマップはあるのですが、通常検索から地図検索へ移行する場合の親和性はGoogleが圧倒的です。
あと、シンプルに世界的なシェア率が高く「使っている人が多い」という意味でもGoogleを優先すると良いと思います。中国だけGoogleが使われていませんので、別途対策は必要になります。

インバウンド向けデジタルマーケティングの「実践」…発信の際に意識することは?
永山氏コメント:
感染対策など、国内外の習慣が異なる場合があるので、しっかりと発信しておきましょう。日本人でも「行ってみたらイメージと違った」といったようなネガティブな観光体験ってあると思うんですよね。
外国人向けならなおさら、「自分たちが当たり前だと思ってることもきちんと書く」という意識が重要だと思います。
訪日ラボ川西コメント:
確かに、海外から来た方は「意外と日本の最新情報を知らない」と思っておいた方が良さそうですね。「お客様側が感染対策をどこまでやらないといけないのか」あとは「施設側がここまで感染対策をやっていますよ」といった情報はきちんと伝えると良いでしょう。

※レポートでは、Googleマップのインバウンド対策についてもご紹介しています。
解説者紹介
川西 哲平 - 株式会社mov 訪日ラボ コンサルティング事業部 部長

また、全国の自治体や官公庁へWi-Fiの接続データとGPSデータを利用したビックデータのセミナー、 広告のアライアンス・企画・販売にも従事。
現在は株式会社movで大手企業や官公庁へのコンサルティングを行う。「世界水準のDMO形成促進事業」における外部専門人材。
永山 卓也 - ローカルビジネスコンサルタント、訪日ラボ / 口コミコムアドバイザー

観光庁 インバウンドの地方誘客促進のための専門家。Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)ダイアモンドプロダクトエキスパート。Google Maps, Google広告プロダクトエキスパート。東京観光財団 観光おもてなしアドバイザー。京都府観光連盟 観光アドバイザー。 株式会社movが運営するお客様の声のDXサービス「口コミコム 」テクニカルアドバイザー&インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」アドバイザー。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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