習近平一強体制、米中対立への警戒高まる【中国全人代振り返り】

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中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)が、3月5日から3月13日に渡り開かれました。

今回の全人代では中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記が国家主席として満票で選出され、3期目の習政権が発足しました。

全人代では他にも、習氏が意欲を示す台湾統一や、米中の外交・ゼロコロナからの経済回復など、さまざまな議論が展開されました。

本記事では、2023年の中国全人代を振り返り、概要や外交面、経済面の動向をまとめています。

内政:台湾統一「ゆるぎなく推進」、軍隊強化にも注力

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)は3月11日、習近平国家主席が信頼を寄せる側近、李強(リーチアン)氏を首相に選出しました。

国家主席として同国で初めて3期目に入った習氏は、1949年の中華人民共和国建国以来、最も長く国家主席を務める人物となります。

今回の全人代では、要職を自身の腹心で固め、習氏一強の流れが止まらない様相が明らかになりました。

閉会にあたっての演説で習氏は、国際社会が強い関心を寄せる台湾について「祖国統一のプロセスをゆるぎなく推進する」と強調しました。具体的な方策は打ち出さなかったものの、アメリカなど西側を牽制し、改めて統一に向けた強い意欲を示しました。

またこれに関連して安全保障と軍隊の強化にも言及し、中国軍を「鋼鉄の長城」に育て上げると約束しました。中国は今年の軍事予算を7.2%増となる約1兆5,500億元(約30兆円)に引き上げる予定です。

外交:「米中」および「中露」「日中」関係に変化はあるか

外交面において、今回の全人代では特に日本への際立った言及はなく、日本政府としても従来の「対話による外交」の方針を維持するものとみられます。

松野官房長官は3月10日の記者会見で「日中は地域と世界の平和と繁栄に対する大きな責任を有している」と述べました。

いっぽう中国は、対立が激化するアメリカをにらみ、ウクライナ情勢にも一枚噛もうとしています。

アメリカメディアは3月13日、習氏が翌週にもモスクワを訪問しプーチン大統領と会談する予定だと報じました。さらにモスクワ訪問後にはウクライナのゼレンスキー大統領とのオンライン会談を計画していると報じられており、実現すれば両首脳の会談はロシアによる軍事侵攻後初となります。

実際に習氏はプーチン大統領と接触できる数少ない人物であると考えられ、注目が集まります。米中関係だけでなく、中国ロシアの関係も今後どう変化していくのか追っていく必要があるでしょう。

※編集部注:習氏は全人代後の3月20日から22日までロシアを訪問し、プーチン大統領との会談を行いました。

新たに首相となった李強氏は3月13日の就任後初の記者会見で、2022年のアメリカ中国の貿易額が過去最高を更新したことに言及して「米中は協力すべき」と述べました。

対米関係改善に意欲を示した形ですが、足元ではそれは実感できず、厳しい道のりとなることが懸念されます。

経済:ゼロコロナからの回復目指す/テクノロジーの競争激化

経済面においては、米中の対立が顕著となっており、半導体やAIなどテクノロジー面での競争激化は必至と考えられます。

半導体の国産化を看板政策に掲げる同国では、政府主導で自動車の半導体を国産に切り替える動きが進んでおり、全人代の各種会議でも国有自動車メーカー出身の代表(日本の国会議員に相当)が存在感を示しました。

生産・販売ともに世界最大規模を誇る同国の自動車産業において、自動車各社が動けば関連業種への影響も甚大なものとなります。アメリカによる半導体などの経済制裁を念頭に置き、秦剛外相は3月7日、記者会見で「米国の言う競争はどちらかが死ぬゼロサムゲーム」だと批判しました。

また中国のインターネット検索サービス大手「百度(バイドゥ)」は3月16日、対話型AIサービス「文心一言(アーニーボット)」を発表しました。

対話型AIアメリカのベンチャー企業「オープンAI」が2022年11月に一般公開した「チャットGPT」への注目が高まっているほか、今年に入ってから米マイクロソフトやグーグルも参入し、国際競争が激化しています。

中国では百度のほか、インターネット通販大手のアリババ集団なども対話型AIサービスを開発中ですが、同国ではネット上の言論統制が厳しいため、対話サービスで提供される回答の信頼性には課題もありそうです。

テクノロジーの競争が激化するなか、中国は今年の経済成長率の目標を5%前後としました。李強首相は目標達成は「容易ではない」と述べ、ゼロコロナ政策の影響などで落ち込んだ経済の立て直しに取り組む意欲を強調しました。

この続きから読める内容

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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