株式会社JTBは12月20日、2024年(1月~12月)の旅行動向見通しを発表しました。
訪日外国人数は、過去最高の3,310万人(対前年131.3%、対2019年103.8%)と推計されています。
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JTB、2024年の旅行動向見通しを発表
同調査は、1泊以上の日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)と訪日外国人旅行について、各種経済指標や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから推計したものです。
国内旅行者数は2億7,300万人、海外旅行者数は1,450万人、訪日外国人旅行者数は3,310万人とそれぞれ推計されています。
訪日外国人数「3,310万人」本当に達成できる?
では、果たしてこの「3,310万人」という数字、本当に達成可能なのでしょうか。
やはりまず気になるのは、2019年には約70万人が日本を訪れ、訪日外客数全体の約3割を占めていた中国の動向でしょう。2023年11月は、全体の約10.6%となる25.8万人にとどまっており、2019年水準から50万人近く落ち込んでいる状況です。
今後の訪日中国人客数の動向について考えてみましょう。訪日数に大きく影響する国際線の就航状況(国土交通省集計:2023年冬ダイヤ)を見てみると、全体が2019年同期の84.9%まで回復しているのに対し、中国便は46.7%となっています。
関連記事:国際線冬ダイヤ、コロナ前「84.9%」まで回復 中国便は46.7%にとどまる【航空便動向まとめ】
航空便が少ない状況では、航空券が取りづらく、価格も高くなる傾向にあるため、ここが回復しないと訪日中国人はなかなか戻ってこないと考えられます。2月には大型連休「春節」もありますが、航空便が回復するにもある程度の時間がかかることを考えると、春先の桜のシーズンや、毎年最も多くの中国人が訪れる7〜8月がターニングポイントとなりそうです。
また、中国国内の景気や、円安の動向なども関係してきます。引き続き様々な視点から、中国の動きを注視していく必要があるでしょう。
一方で、日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計によれば、2023年10月には訪日外客数全体が2019年水準を超え、251万人に。次の11月の数値も244万人と、6か月連続で200万人を超えています。未だ中国が少ない中でも、月別で2019年の水準を超えている状況です。
関連記事:11月の訪日外客数244万人、年間累計2,000万人超える
このままいけば2019年の水準を超えそうにも見えますが、2019年後半は韓国における不買運動で、前半よりも訪日外客数が落ち込んだ点に注意が必要です。2019年前半の水準まで戻るには、やはり中国市場の回復が必要となるでしょう。
まとめると、2024年は特に航空便の動き次第で、訪日中国人が少しずつ戻ってくるはずです。他の市場も今の水準を維持・拡大できれば、年間で2019年を超え、「3,310万人」に到達する可能性も十分にあると言えるでしょう。
オーバーツーリズム対策が必須に
すでに政府も示している通り、今後訪日中国人が回復し、訪日外客数が年間を通して2019年の水準を超えるとなると、「オーバーツーリズム」が多くの観光地で問題となるおそれがあります。すでに人気の観光地ではオーバーツーリズムが顕在化しているところもあり、対策が急がれています。行政だけでなく民間も含め、地域が一体となって考えていく必要がある問題だと言えるでしょう。
観光庁は10月、オーバーツーリズムについて具体策を盛り込んだパッケージ案をまとめています。詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:オーバーツーリズム対策パッケージ案とは
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<参照>
株式会社JTB:2024年(1月~12月)の旅行動向見通し
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
国土交通省:国際線就航状況(2023年)
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