新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、長らく低迷していたインバウンド需要。2022年10月に水際対策が大幅に緩和されて以降、日本を訪れる外国人の数は急速に回復しています。
1月17日に日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)によると、2023年の訪日外客数は2,500万人を突破しました。2019年比では78.6%にとどまったものの、 2023年12月の訪日外客数は273万4,000人と2019 年同月比で108.2%となっています。
また、同日に公表された観光庁の訪日外国人消費動向調査の結果では、訪日外国人旅行消費額は5.3兆円と過去最高額に。新型コロナウイルス感染症拡大前の勢いが着実に戻ってきています。
本記事では、それらの最新データをもとに、オーストラリア市場のインバウンド動向について解説します。
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2023年の訪日オーストラリア人数は2019年比98.6%。6月以降はコロナ前の水準を上回る
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客統計(2023年12月および年間推計値)によると、2023年の訪日オーストラリア人数は61万3,100人でした。2019年比1.4%減という結果となっています。
ただ、訪日オーストラリア人数の年間推移を見ると、1〜5月はおおむね2019年を下回る水準であったものの、6月以降は2019年を上回る水準で推移。2023年夏以降、オーストラリア市場における日本旅行の需要が急速に回復している様子がうかがえます。
とくに12月に関しては、オーストラリアにおけるアウトバウンド全体が例年減少する時期で、かつ航空運賃が高騰しているにもかかわらず、訪日オーストラリア人客数は2019年同月比123%の8万9,500人となりました。
スキーシーズンによる訪日需要の高まり、日本への直行便数の回復などが影響したと考えられます。

訪日オーストラリア人数の10年間の推移を見ると、2019年の水準にはわずかに届いていないものの、すでに2018年の水準は大幅に超えている状況です。このペースで増加すれば、2024年にはコロナ禍前の水準を超えることが予想されます。

訪日オーストラリア人の消費額は2019年比37.5%増。一人あたりの旅行支出額は全体で2位
訪日外客統計と同日に公開された観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2023年における訪日オーストラリア人の消費額は2,088億円でした。これは2019年比37.5%増で、ほかの多くの国と同様に過去10年のなかでも最高額を記録しました。

訪日オーストラリア人消費額の年間推移を見ても、年間を通じて2019年より高い水準で日本での消費活動が行われていることがわかります。とくに訪日需要が高まっていた10〜12月に関しては、訪日オーストラリア人消費額は2019年比154%となりました。

費目別の訪日オーストラリア人の消費額を見てみると、宿泊費が全体の40%以上を占める結果となっています。欧米でも同様の傾向が見られますが、これはオーストラリアはヨーロッパ諸国と同様に日本からの距離が遠く、長めの滞在期間で日本観光を楽しむ傾向にあることが影響していると考えられます。

訪日オーストラリア人の一人あたりの旅行支出が平均より高いことにも、同様の理由があると推測できます。
2023年の訪日オーストラリア人の一人あたりの旅行支出は34万604円で、訪日外国人全体の平均21万2,193円より10万円以上高い結果となりました。これはスペインの34万1,562円に次ぐ2番目に高い金額となっています。
なかでも訪日オーストラリア人が最も多くの予算を割く宿泊費は一人あたり13万8,895円で、イギリス、イタリア、フランスに次ぐ4番目の金額でした。
予算全体の15%を占める娯楽等サービス費も、訪日オーストラリア人の旅の特徴として注目すべきポイントのひとつでしょう。一人あたりの娯楽等サービス費は2万1,786円で、中国の2万3,121円に次いで2番目に高くなっています。コロナ禍前に引き続き、コト消費を重視する国民性が垣間見える結果となりました。
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<参照>
JNTO:訪日外客数(2023年12月および年間推計値)
観光庁:訪日外国人消費動向調査
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