観光庁の村田茂樹長官は6月17日、定例会見を実施。同日に発表された日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計について報告しました。
さらに長官は、旅行会社や予約サイトを装ったフィッシングメッセージに関する注意喚起をしたうえで、7月1日より引き上げられる国際観光旅客税、民泊規制に関する方針転換などについても所感を述べました。
関連記事:観光庁長官 前回の定例会見(5月)

5月訪日数はインド・中東で単月過去最高を記録
5月の訪日外国人数は 355万9,900人(前年同月比3.6%減)となりました。中国の大幅減(同60.4%減)が影響し、全体の数値は減少したものの、17市場で5月として過去最高を記録。また、インドおよび中東地域からの訪日者数は、単月として過去最高を記録しました。
長官は、2026年1月~5月の累計訪日外客数が1,793万6,000人(前年同期比1.1%減)とほぼ横ばいである点に触れつつ、「長期的な傾向を注視することが重要で、観光庁としては引き続きさまざまな国・地域からの訪日を推進すべく、戦略的な訪日プロモーションの実施などに取り組む」と見解を述べています。
また、前年同月比67.8%増を記録している中東地域については、トルコ、イスラエルと日本を結ぶ航空便が昨年と比べ増加し、5月下旬のイード・アル=アドハー休暇(犠牲祭休暇、イスラム教における2大祝祭の一つ)の旅行需要を取り込めたと理由を説明しました。
旅行予約サイト利用後の不審メッセージに注意喚起
観光庁は6月17日、フィッシングサイトへ誘導する不審メッセージに関する注意喚起を発表しました。
これは旅行予約サイトでホテルを予約した旅行者へ、ホテルや予約サイトを装う送信者から不審なメッセージが発信されている事象に対して注意を呼び掛けているものです。
長官は、「旅行の予約確認を装ってクレジットカード情報の入力を求めるなど、悪質なフィッシングサイトへの誘導が確認されている」と説明。そのうえで、疑わしいメッセージなどを受信した際はリンクをクリックせず、予約内容の再確認を行うか、予約サイトの公式カスタマーサポートへ問い合わせるよう呼びかけました。
なお、特定の旅行予約サイト利用者に向けて不審なメッセージが送信されている事案については、「該当企業に原因の究明や旅行者への注意喚起の徹底など速やかな対応を依頼している」と述べています。
観光施設・サービス料金見直しに向けヒアリング 旅客税の使い道にも言及
会見では、4月に発足した「観光施設・サービス等の料金設定等に関する調査・研究会」の進捗や、7月1日より引き上げられる国際観光旅客税の活用方針についても触れられました。
同研究会は、観光コンテンツの維持や磨き上げ、オーバーツーリズム対策などを目的とした、観光施設やサービスの料金見直しに向けた動きを把握すべく設けられたもので、すでに3回実施されています。山梨県富士吉田市や兵庫県姫路市、京都市交通局など計7つの地方自治体や施設管理者、企業にヒアリングを行った旨が共有されました。
長官は「ヒアリング内容については現在整理を進めており、有識者の意見もふまえながら情報の取りまとめや発表方法の検討を進める」としています。
また、7月1日より現行の1,000円から3,000円に引き上げられる旅客税については、「改定によって、今年度予算を昨年度の490億円から1,300億円へ大幅に増額することができた」と言及。確保した財源は、観光立国推進基本計画(第5次)にもとづくオーバーツーリズム対策や、「訪日外国人旅行者数6,000万人」「訪日外国人旅行消費額15兆円」などの目標達成に向けた課題、ボトルネック解消のために活用していくと語りました。
具体例としては、過度な混雑やマナー違反など地域が抱える課題の解消や、特定の都市・地域への集中の是正、地方への需要の分散といった中長期的な視点に立ったオーバーツーリズム対策の実施に加え、交通ネットワークの機能強化や地域特性を活かした観光コンテンツの造成、さまざまな国・地域からの誘客を促進するためのプロモーション強化などを挙げています。
関連記事:観光庁2026年度予算、旅客税活用で1,383億円に 昨年度比約2.4倍で地方誘客を推進
民泊の営業制限可能に 制定当初から方針転換
民泊の拡大によるトラブルの増加を受けて長官は、全国の地方自治体に向け、民泊に関する立地規制についての技術的助言を6月中に通知する方向で検討していると述べました。
長官は、全国でもっとも民泊施設数が多い東京都新宿区では「2025年度に900件を超える苦情が寄せられた」と例を挙げたうえで、提言の方針を説明。閑静な住宅地や教育施設の周辺など、宿泊者の増加によって生活・教育環境が損なわれる場合に民泊の制限や禁止が可能となる「ゼロ日規制」に加え、事業者に騒音計やカメラの設置を条例で義務づけられるようにするなど、民泊の適切な運営に向けた方針が盛り込まれる見込みです。
なお、民泊法の制定時に日本政府は「過度な規制は望ましくない」と示していましたが、今回の方針転換については「法施行から8年が経過し、閑静な住宅地などにも民泊が多数立地することでさまざまな問題が顕在化してきた。このような状況を踏まえ、適切な対処に向けた検討を進めている」と述べました。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
「trial JAPAN」は日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォームです。
インバウンド向け外国人インフルエンサー施策を、煩雑な交渉やスケジュール調整などの手間なくすぐに始められます。
従来のインフルエンサー施策より、低コストで運用負担を抑えられるため、継続的なインバウンド市場への認知拡大を実現します。
詳しくはこちらをご覧ください。
インバウンド集客のはじめの一歩なら「口コミコム」で
Googleマップ・口コミ・多言語対応まで、訪日外国人に“選ばれる店舗づくり”をまるっとご支援します。
訪日ラボ運営のmovだからこそできるサポートを試してみませんか?
【好評配信中】トリップアドバイザーのデータで見るインバウンド最新動向と訪日旅行者の新しい意思決定
本セミナーでは、インバウンド市場の最新動向と旅行者の変化に焦点を当てます。
インバウンド市場の全体像を各種データから解説した後、トリップアドバイザーの最新調査データをもとに、旅行者の価値観や行動の変化を具体的に深堀りします。
全体像の理解から最新トレンドの把握までを整理し、事業者が今後のインバウンド対応を考える上でのヒントを提供します。
<セミナーのポイント>
- トリップアドバイザーの最新調査から、2026年のインバウンド動向がわかる
訪日外国人の意思決定プロセスや国籍別の行動特性がわかる
今後のインバウンド戦略を考えるための視点が整理できる
詳しくはこちらをご覧ください。













