「飲食店のインバウンド対策として多言語対応をしたい」
「でも、どう始めたら良いのかわからない……」
多言語対応を検討しているものの、対応方法はもちろんどの言語で対応するべきか悩んでいる飲食店の方もいるのではないでしょうか。
この記事では多言語対応の重要性と具体的な対応方法を解説します。インバウンド対策の第一歩として、明日からでも多言語対応をはじめていきましょう。
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1. 飲食店が多言語対応する重要性とは?
飲食店のインバウンド対策として、外国語を話せるスタッフを採用したり、メニューや予約システム、公式ホームページの多言語対応をしたり。さまざまな対策が必要とされています。
なかでもマストで実施したいのが多言語対応です。ここでは多言語対応の重要性を解説します。
1-1. インバウンド客は「食」を楽しみに訪日している
観光庁が発表した『平成29年度年次報告書』によると、インバウンド客の約7割が訪日前に期待していることとして「日本食を食べること」と回答しています。
次の日本滞在でしたいことについても、9割以上の人が「日本食を食べること」と答える結果になりました。インバウンド客にとって、訪日中に日本食を楽しむことは最優先事項なのです。
インバウンド客は団体で来店することも多く、国内客と比較して客単価も高い傾向があります。満足してもらえたら、Googleなどの口コミサイトにポジティブな感想を書いてもらえて、その評価が次のお客様を呼ぶ好循環につながることも。
多言語対応によってインバウンド客を受け入れる体制を整えることは、飲食店の売上拡大にもつながります。
<参照>
1-2. インバウンド客が飲食店で困っている理由
食を楽しみに来日するインバウンド客が一番に困ることといえば、言語の問題。観光庁の調査でも、インバウンド客が旅行中に困ったこととして「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が上位を占めています。
またインバウンド客が訪れる施設のなかで、多言語表示やコミュニケーションで困った場所として一番多かったのが、実は「飲食店」です。
多言語対応されていなかったり翻訳が誤っていたりなどといった、不十分な多言語対応への不満が見受けられました。
せっかく来店してくれたインバウンド客に満足のいくサービスを提供するためにも、多言語対応は必須のインバウンド対策といえます。
2. 飲食店が多言語対応するには?
飲食店がこれから多言語対応するには、何からはじめれば良いのでしょうか。すでに多言語対応を進めている飲食店の取り組みを紹介します。
2-1. 外国人向けメニューを作成
多言語対応としてまず取り組みたいのが、外国人向けのメニューを用意すること。農林水産省が2018年、外国人が来店した飲食店682店舗を対象に行った調査によれば、飲食店側が外国語での接客・応対が必要と感じる場面として、一番多いのがメニューの案内時でした。
インバウンド対策として外国人向けのメニュー表を作成している飲食店は回答者全体の52.2%で、次いでメニューがわかる写真やイラストを入れている飲食店は21.1%でした。
一方で外国人向けのメニュー表について何も対応していないと回答した飲食店も36.2%ほどいました。外国人向けのメニュー表を作成するのはもちろん、写真などを掲載するだけで他店との大きな差別化になります。
2-2. 英語はマスト、可能なら中国語(簡体字・繁体字)と韓国語も
日本にはさまざまな国・地域から旅行者が訪れますが、まずはどの言語に対応するのが正解なのでしょうか。農林水産省による調査では、外国語のメニュー表の対応言語についての質問に対し、9割が英語で対応しているという回答結果に。次いで、中国語(繁体字・簡体字)や韓国語の対応が多くなっていました。
ひとつの言語に絞るなら英語。予算や時間的余裕があれば、中国語(簡体字・繁体字)や韓国語など複数の言語で対応できると良いでしょう。
3. 外国人向けメニューを作成する際のポイント
外国人向けメニューは顧客側が注文をしやすくなるほか、スタッフ側もスムーズに注文を受けられるといったメリットがあります。
ただ翻訳するだけではなく、どのようなメニューにすれば良いのか、作成する際のポイントを紹介します。
3-1. 「おすすめ」や「ランキング」を記載
日本の料理に見慣れていないインバウンド客にとって、たくさんあるメニューのなかから食べたいものを選ぶのはハードルが高いもの。
そこでおすすめなのが、店側からおすすめメニューやランキングなどを記載する方法。店側からの提案があればインバウンド客にとっても注文しやすくなります。
3-2. 写真で視覚的にアピール
海外旅行へ行った時、文字だけのメニュー表を見て、どんな料理か想像がつかない経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
一方、メニューの横に写真が添えてあるだけでどんな料理なのか一目でわかり、オーダーしやすくなります。メニュー表を作り直すのが大変なら、たとえば店内の壁に写真を添えつつメニューを貼り付けるのもおすすめ。視覚的にアピールすることで、日本語がわからなくてもどんなメニューなのか理解してもらえるはずです。
3-3. メニュー番号を振って確実性をアップ
インバウンド客にとってもっともハードルが高いのが注文する場面。外国語が堪能なスタッフがいれば良いですが、そうでない場合はミスコミニュケーションが起きることも考えられます。
あらかじめメニューに番号を振っておけば、数字を伝えれば良いだけなので注文する側も受ける側も安心です。またメニュー数が多い店にとっても、番号があるとスムーズに対応できます。
3-4. 食べ方や使用している食材も記載
近年、ベジタリアンやヴィーガンの方も増えており、食の多様性への対応の一つとしても食材の記載があると安心して食べられます。
また、インバウンド客から人気の日本食のなかには「お好み焼き」や「てんぷら」など、一言で食べ方を説明するのが難しいものもあります。多言語やイラストで「美味しく食べる方法」も記載しておけば、満足度の高いサービス提供にもつながります。
4. 多言語対応する際は誤訳に注意
多言語対応しようと思った場合、どのような方法があるのでしょうか。
たとえば東京都が運営する「多言語メニュー作成支援ウェブサイト」では、都内にある飲食店なら必要事項を入力するだけで、無料で12種類の言語のメニューをつくれます。さらに東京都公式の「外国語メニューのある飲食店検索サイト」に自動で掲載され、インバウンド客の集客にもつながります。
ポスターなども多言語対応したい場合は、翻訳からデザイン、印刷まで一貫して依頼できるサービスを利用するのもおすすめです。できるだけ費用をかけたくない場合は、Google翻訳などをつかえば自力でも対応できます。しかし誤訳されることがあるため、可能であればネイティブにチェックしてもらうようにしてください。
5. 多言語対応が難しい場合は「写真」でOK
すぐに多言語対応するのが難しい場合は、写真を掲載するだけでも大丈夫です。たとえば大衆居酒屋など壁にメニューが貼ってある店舗であれば、料理の写真をプラスするだけでもインバウンド客にとってはメニュー選びがしやすくなります。
必ずしも、一眼レフカメラなどの高価な機材を用意する必要はありません。最初の一歩目としては、スマホで撮影し、コンビニなどで印刷するだけでも十分。料理の写真を貼っておくだけで、文字が読めなくてもその料理が肉か魚か、麺類か米かなどが一目でわかるはずです。食べたいものを選びやすくなり、顧客満足度もあがるでしょう。
6. 多言語対応はできることからはじめよう
以上、飲食店が手軽にできる多言語対応をお伝えしました。
多言語対応を行うことで、インバウンド客の獲得、そして満足度アップにもつながります。まずはできることからはじめていきましょう。
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