中国人の旅行者数が増える連休期間と言えば、1〜2月の「春節」をイメージする方が多いかもしれません。
そんな連休の一つとして、5月には「労働節」があります。日本のゴールデンウィーク(GW)とも一部日程が重なっています。
この記事では、1日から始まった労働節の最新情報を紹介しつつ、夏に向けて盛り上がりを見せる中国のインバウンド市場について解説していきます。
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「労働節」とは?
5月1日は世界各国で「労働者の祭典」として祝日とする国が多く、「メーデー」と呼ばれています。
中国でも5月1日は祝日に制定されており、「労働節」(正式には国際労働節)といいます。労働者の貢献を讃えるイベントも開催され、家族や友人と過ごす大切な期間だとされています。
また中国では労働節を含む数日間が休日となることが多く、旅行やレジャーを楽しむ国民も多くなっています。
2024労働節は5日間、旅行の機会として注目
中国の祝日は11日間あります。日本の祝日が16日間であるため、比較すると5日間ほど少ないことが分かります。
中国の祝日は、元旦(1日)、春節(3日)、清明節(1日)、労働節(1日)、端午節(1日)、中秋節(1日)、国慶節(3日)と呼ばれています。この祝日の前後にある土日をつなげて、3連休や大型連休となります。
中国の祝日は旧暦に関わるものが多く毎年スケジュールが変わるものもあり、年末になると中国国務院が翌年のスケジュールを発表します。
2024〜2025年春節までの祝日休暇は、以下の日程であることが分かっています。
名称 | 日程 | 連休数 |
春節 |
2月10日(土)〜2月17日(土) |
8連休 |
清明節 |
4月4日(木)〜4月6日(土) |
3連休 |
労働節 |
5月1日(水)〜5月5日(日) |
5連休 |
端午節 |
6月8日(土)〜6月10日(月) |
3連休 |
中秋節 |
9月15日(日)〜9月17日(火) |
3連休 |
国慶節 |
10月1日(火)〜10月7日(月) |
7連休 |
春節(2025年) |
2025年1月29日〜 |
ー |
中国の祝日の中で、特に注目が集まるのは「春節」と「国慶節」。2024年の春節は8連休、10月に控える国慶節は7連休となっています。国慶節は訪日旅行へのハイシーズンとも言われており、春節とともに訪日客誘致の重要タイミングとして力を入れる事業者が多い時期です。
労働節は春節や国慶節ほど長い連休ではないものの、この休みを利用して海外旅行に出かける人、その中でも日本を選んで旅行する人も出てくるのではないかと考えられます。
また労働節と中秋節は、日本の祝日と一部の日程が重なっています。観光地では日本人観光客の増加も予想される時期であるため、「オーバーツーリズム」を未然に防ぐべく、訪日中国人観光客の受け入れ体制と併せて整備することが重要だといえそうです。
2024労働節 中国人の海外旅行動向:日本も注目の目的地に
今年の労働節は5連休で、この休みを活用して旅行に出かける中国人も多いようです。旅行会社大手の携程(Trip.com)によると、労働節の休暇中に中国人旅行者の海外・国内旅行予約が急増したといいます。国際線の運行数が2019年同時期の40%に回復し、検索量は2019年と比べて60%以上増加したと発表されました。
また春節休暇と比較して、労働節休暇中に中国から東南アジア地域への航空券の予約が91%増加したといいます。中国人旅行者による注目の目的地として、次の国々が挙げられています。
- タイ
- 日本
- 韓国
- シンガポール
- マレーシア
- 米国
- インドネシア
- ベトナム
- オーストラリア
- 英国
また18〜23歳の旅行者(初めて海外旅行に出かける人が多い年代)から最も人気がある都市としてバンコクが挙げられており、次いでシンガポール・ソウル・東京・クアラルンプールに注目が集まっているといいます。
2024年、中国の観光は史上最高水準を超える可能性も
では、2024年全体を見渡すと、中国の観光はどうなるのでしょうか。中国観光研究院による「2023年の中国観光経済運営の分析と2024年の発展予測」によると、2024年の観光市場の成長率は、2019年の歴史的な高水準を上回る可能性があるといいます。
中国の年間国内旅行者は60億人を超え、海外旅行者の総数*は2億6,000万人以上になると予想されています。
今回の報告書では、2023年に中国の観光客数と観光産業チェーンが大幅に回復し、2019年の80%以上に戻ると指摘されています。
国民の旅行意欲も高く、今後も順調な回復と成長を期待できると考えられています。
*中国からの海外旅行者・訪中旅行者の両方を含む
夏のピークに向けて、中国のインバウンド市場に注目
日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年3月の訪日外客数では、中国は45万2,400人で3位となりました。2019年の同月比では34.6%減のため、まだ完全回復とはいえませんが、2位の台湾(48万4,400人)に追いつく勢いで回復しています。2024年は順調な推移が期待されており、今後の中国市場の回復状況に期待がかかります。
最大の連休となる春節は過ぎましたが、実は訪日中国人がもっとも増加するのは夏休みシーズン前後(7〜8月)です。直近の労働節への対策は間に合いませんが、これから夏にかけてさらに盛り上がる中国のインバウンド市場には、より一層の注目が集まるでしょう。
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日本政府観光局(JNTO):訪日外客数(2024年3月推計値)
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
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