韓国と日本の関係は?インバウンドデータや貿易・文化交流、両国関係の改善傾向までわかりやすく解説

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日本から気軽に行ける旅行先として、韓国を挙げる方も多いのではないでしょうか。K-POPやコスメ、韓国料理などさまざまな文化が日本で人気となっています。また、韓国側からも日本は人気の海外旅行先として認知されています。一方、政治面では竹島(韓国では独島と呼ばれる)の問題など、複雑な関係が今もなお続いています。

この記事では、韓国の基本情報をはじめ、インバウンドの状況、日韓関係が複雑な理由、韓国人が抱く日本の印象について、わかりやすく解説します。

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1. 韓国の基本情報

韓国は東アジアに位置する民主共和国です。地形は陸に隣接した北側を除いて海に囲まれています。首都はソウルで、公用語は韓国語です。

ここからは韓国の基本情報について解説します。

1-1. 基本情報

面積

約10万平方キロメートル(朝鮮半島全体の45%、日本の約1/4)

人口

約5,156万人(2023年)

首都

ソウル

公用語

韓国語

宗教

仏教、キリスト教(プロテスタント、カトリック)、その他

一人あたりの名目GDP(US$)

約​​3万1,497ドル(2022年)

韓国からの出国者数

約2,871万4,247人(2019年)

韓国への外国人訪問者数

1,750万3,000人

訪日外客数

約695万8,500人(2023年)

韓国の国土面積は朝鮮半島全体の45%を占めていますが、日本と比べると約1/4程度しかありません。人口は約5,156万人で、そのうちの50%が首都ソウルなどの都市圏に集中しています。

公用語はソウル方言を基本とした韓国語であり、文字はハングルを用います。2015年12月31日に制定された「韓国手話言語法」により、韓国手話(韓国語の手話)が2つ目の公用語となりました。

信仰されている宗教は、仏教、プロテスタント、カトリックの3つがメインです。韓国統計庁の発表によると総人口の約30%がクリスチャンで、国民全体のクリスチャン率で考えると、アジアではフィリピン、東ティモールに次ぐキリスト教国家といえます。

1-2. 日本との距離

日本との距離はどれくらいかというと、東京-ソウル間の距離は、約1200キロメートルです。なお、近いところでは対馬-釜山間が約50キロメートルで、フェリーで1時間程度で到着できるほど近くにあります。

羽田空港からソウルへの直行便の場合、所要時間は約2時間20分で、ソウル発では約2時間と少し短くなります。

羽田空港のほか、成田国際空港や関西国際空港、中部国際空港などといった空港から直行便が出ており、便数も多いのが特徴です。

日本と韓国の時差はほとんどないため、韓国からの外国旅行先として短期旅行などにも利用されるケースが多くなっています。

1-3. 韓国市場のインバウンドデータ

2023年の訪日韓国人客数は約696万人で、2019年との比較では137万4,000人増加しています。訪日外国人全体の約3割を占めており、国籍別で見ると1位を記録しています。

▲国・地域別訪日外客数:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成

訪日韓国人の年間消費額は約7,444億円で、台湾や中国に次いで3番目に位置しています。

▲国・地域別訪日外国人消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成

2019年は、日韓関係の悪化により訪日客が激減したことを受け、消費額も大きく減少しました。

一方、2023〜2024年に訪日韓国人数および消費額が好調な理由として、日韓関係の改善や円安、航空便の増便などが背景にあり、今後もインバウンド市場をけん引する存在になりうると考えられます。

関連記事:韓国の最新インバウンドデータを徹底解説!2023年の訪日韓国人客数は台湾・中国おさえ1位

2. 韓国と日本の関係をわかりやすく解説

さまざまな歴史的背景から、日韓関係は複雑と言われることが多いのが実情です。政治的関係は、インバウンドアウトバウンド需要にも大きく影響してきます。

ここでは、近現代以降の日韓関係についてわかりやすくまとめます。

2-1. 日韓関係が複雑な理由

日本は1910年の韓国併合によって、韓国を日本の統治下におきました。その後、1919年3月に韓国が植民地支配に対抗して「三・一独立運動」を起こしましたが、すぐに弾圧し、1945年の日本敗戦までの間、韓国を植民地支配しました。

日本の敗戦後、韓国との国交正常化交渉がはじまりましたが、さまざまな問題があり合意に至らずにいました。その後1965年に「日韓基本条約」が締結され、韓国との間に国交を樹立しました。しかし、特に韓国国民の中には「政治的には解決したものの、心情的には解決していない」といった考え方の人もいるようです。

2-2. 近年、日韓関係は比較的良好に

2005年からは、日韓国交正常化40周年をきっかけに「日韓交流おまつり」が開催されています。また、2015年には日韓国交正常化50周年の節目を迎え、日韓両国において祝賀記念行事が実施されました。

最近では、2022年に大統領に就任した尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が比較的親日派であると言われており、日韓関係の改善に拍車がかかっています。尹大統領は、2025年に日韓国交正常化60周年を迎えるのを機に、「より生産的で建設的な両国関係に一段階飛躍させる」ことを期待するとしました。

また日中韓の間では、2025〜2026年を「文化交流年」と定める共同宣言が発表され、相互理解と信頼、そして人的交流の促進が目指されています。数値目標としては、2030年までに3か国間の交流人口を4,000万人に増やすとしています。

2-3. 韓国は主要な貿易相手国のひとつ

経済面では、韓国は日本にとって、輸出で第3位、輸入で第4位に位置する貿易相手国として知られています。

日本も韓国も、電子部品産業や自動車産業が大きな割合を占めているため、輸出と輸入の品目に同じものが多いのが特徴です。

たとえば日本から韓国へは、半導体や半導体製造装置、鉄鋼板、プラスチック製品、精密化学原料などを輸出しています。その一方で韓国からは、石油製品や鉄鋼板、半導体、プラスチック製品、精密化学原料などを輸入しています。

同じ品目でも得意とする分野が異なります。日本が自動車向け半導体や大きな電流・電圧を扱える「パワー半導体」などを得意とする一方で、韓国は記憶装置の「メモリー」を強みとしています。

2-4. 文化的な結びつきも強い

日本ではK-POPアイドルや韓国ドラマなどのポップカルチャーが、若者を中心に人気を博しているのはご存知の通りです。では、韓国における日本文化の受容はどのようになっているのでしょうか。

古くから中国大陸を介して伝わった文化は、朝鮮半島を通じて日本にも影響を与えました。たとえば豊臣秀吉が朝鮮出兵をした時には、陶工(陶磁器の製造を職業とする人)が磁器の技術を伝えたことが知られています。

しかし植民地時代の支配の記憶から、日本文化が流入することを良く思わない人々もいたようで、日本の映画や音楽、漫画などの大衆文化は制限された時代もありました。その一方で、1998年に始まった日本文化の解放前にも、日本の漫画や音楽を密かに購入して楽しむ人は少なくありませんでした。

近年では世代を問わず、韓国でも日本のポップカルチャーが受け入れられています。とくに若い世代は日本のアニメにも馴染みがあり、一時期には韓国の映画ランキングを日本のアニメが独占したこともあるほど人気のようです。例えば、新海誠監督の映画「君の名は。」は、観客数が300万人を突破するなど爆発的なヒットとなりました。また、「スラムダンク(THE FIRST SLAM DUNK)」の人気も非常に高く、鎌倉高校前駅の聖地にもたくさんの韓国人が訪れています。

3. 韓国人が抱く日本の印象について

歴史的背景による日韓の複雑な関係性について触れてきましたが、韓国人が抱く日本の印象はどういったものなのでしょうか。詳しく解説していきます。

3-1. 日本の印象「良くない」との回答がわずかに増加

言論NPOが実施した「第11回日韓共同世論調査結果」によると、日本の印象について「良くない」と思う韓国人の割合は、2022年の52.8%から2023年には53.3%へわずかに増加しました。

若者の間では比較的日本の印象が良い傾向にあり、「良くない」と回答した人はミドルからシニアまでの層の割合が大きいということで、これまでに触れてきた歴史的背景による影響が出ているといえるでしょう。

3-2. 【良い印象】アニメがおもしろい、日本人は親切で誠実

同じく言論NPOの調査によると、韓国人が日本に対して「良い」印象を持つ理由として、「日本人は親切で誠実だから」が49.8%と最も多い結果となりました。

先述の通り、若い世代には「日本のアニメ」も人気のコンテンツとして親しまれており、日本の印象に良い影響を与えています。

3-3. 【悪い印象】歴史的背景、竹島(韓国名:独島)問題

韓国人が日本に対して「悪い」印象を持つ理由としては、やはり植民地支配などをめぐる歴史的な背景や竹島(独島)問題が大きいようです。

「韓国を侵略した歴史を正しく反省していない」を理由に挙げる韓国人が65.4%と非常に多く、「独島をめぐる領土対立」が50.4%で続いています。

4. まとめ

韓国と日本の歴史的背景をはじめ、今も続いている日韓の複雑な関係性、両国の貿易関係、さらには日本に対して抱く印象について解説しました。

戦争や紛争など不安定さを増す世界情勢下のなかで、安全保障上、そして経済活動においても、日本にとって韓国は重要な存在となっています。

若い世代を中心に日韓の観光・文化面での交流を続けることで、国家間の相互理解や信頼関係の構築にもつながるでしょう。

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<参照>
外務省:大韓民国 基礎データ報道発表(日韓国交正常化50周年記念)
日本政府観光局(JNTO):訪日外客数(2023 年 12 月および年間推計値) / JNTO 訪日旅行誘致ハンドブック 2022(東アジア4市場)
日本経済新聞:韓国大統領、日韓関係を「一段階飛躍」 25年国交60年で
外務省:第9回日中韓サミット
言論NPO:日韓の関係改善で国民意識は改善傾向 一方、韓国には否定的な見方もあり、温度差が見られる

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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