大阪観光局は、2024年に大阪を訪れる外国人客が過去最高の1,400万人となる見通しを発表しています。大阪・関西万博が開催される2025年に向けて取り組みの効果を最大化させるべく、強力かつ着実に進めていく方針です。
では、具体的にどのような方針が定められているのでしょうか。すでに5月に公開されている内容ではありますが、「令和6(2024)年度事業計画」の内容を改めて見ていきましょう。
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大阪観光局、訪日客目標は過去最高の年間1,400万人
各社報道によると、大阪観光局は5月31日の記者会見で、2024年の訪日客数の見通しについて発表しました。2024年に大阪を訪れる外国人客は、1,400万人にのぼるとしています。背景として、円安による訪日需要の追い風に加え、中国からの訪日客の回復を見込んでいます。
事業計画書にも令和6(2024)年度の取り組みの方針の中で、「来阪外国人客数1,400万人を達成」と言及しています。
2024年度 大阪観光局の方針は
大阪観光局は、今年度の事業の柱として、次の5つを掲げています。
- 観光DXの推進及びマーケティング活動の更なる強化
- 国内外プロモーションの積極的な展開
- 大阪・関西万博、IR開業に向けたSDGsの機運醸成及び取組みの推進
- 「大阪=日本の観光ショーケース」の実現に向けた高付加価値コンテンツの充実
- 万博を契機とした国内外からのMICE誘致の更なる促進
1の観光DXの推進及びマーケティング活動の更なる強化では、観光アプリの運用・機能拡充や、関西空港出口調査などを活用したマーケティング活動の強化を掲げています。
2の国内外プロモーションの積極的な展開では、万博周知などを目的としてアジア市場(中国、インドネシア、インド等)に対してのセールスコールおよび商談会の実施、欧米市場に対してのフランスへのトッププロモーションやBtoCイベントへの出展などを行います。
また、ラグジュアリー市場やムスリム市場もターゲットとしてBtoB旅行博への出展などを行うとしています。
さらに、マーケティング分析に基づき魅力的なコンテンツをわかりやすく紹介するブランディングサイトの活用なども行います。
大阪のオーバーツーリズム対策は
2025年の万博開催、そしてそれ以降に向けて、不安視されているのがオーバーツーリズムの顕在化。大阪観光局でも合わせて約1.8億円を投じ、オーバーツーリズム対策に取り組みます。
具体的には、
- 混雑しているエリア等の受入環境整備による分散の促進
- 旅のマナー啓発やトイレマップ等による観光客・住民等にとって快適な環境整備
- 大阪市内及び府域周遊の促進による場所の分散を促進
- 夜間コンテンツの造成を促進して時間軸での分散を促進
の4つを掲げています。また、広域連携や府域周遊にも取り組みます。
さらに、オーバーツーリズム対策に関わりの深い高付加価値コンテンツの取り組みについては、
- スポーツツーリズムやアドベンチャーツーリズム、サイクルツーリズムといった取り組みの推進
- 食体験プログラムの造成と販売
- ラグジュアリー層を想定したコンテンツ提供に加えて空港・ヘリポートなどの離発着場整備やコンシェルジュ機能の育成
- 文化芸術観光やナイトタイムエコノミーの推進
など、さまざまな視点から取り組むとしています。また、万博を契機としてMICE誘致も促進します。
関西3空港で国際線の外国人客最多、中国便増便も:オーバーツーリズム対策急がれる
大阪を訪れる訪日客の多さは、空港の利用状況からもうかがえます。関西エアポートの発表によると、4月の関西国際空港・大阪国際空港・神戸空港の国際線における外国人旅客数は、159万人にのぼりました。2019年同月を上回り、単月で過去最多となっています。続いて5月の国際線における外国人旅客数外国人旅客数は、2019年同月比106%の約157万人となっており、好調に推移している状況です。
さらに同社が発表した今年の夏ダイヤでは、中国便も徐々に回復傾向にあり、2019年比で64%となる週318便が見込まれます。天津航空、中国国際航空、中国南方航空など中国航空各社の増便も続いています。
航空便の増便も影響し、今後さらなる盛り上がりが予想される大阪のインバウンド。オーバーツーリズムに陥ってしまう前に、受け入れ環境の整備が急がれています。
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大阪観光局:令和6(2024)年度事業計画
日本経済新聞:大阪の外国人客、24年1400万人見通し5年ぶり過去最高
MBS NEWS:大阪のインバウンド客『コロナ前を上回る過去最多』の見通し
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