株式会社電通は、世界15の国・地域を対象に「ジャパンブランド調査2024」を実施し、調査結果を発表しました。
「ジャパンブランド」が世界でどのように評価されているのかを調査したもので、日本が「観光目的で再訪したい国・地域」で1位であることなどがわかりました。
本記事では、調査結果の中から注目すべきポイントを抜粋してまとめます。
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電通が「ジャパンブランド調査2024」を実施
電通は、世界15の国・地域の20〜59歳の7,460人を対象に、「ジャパンブランド調査2024」を実施しました。観光や食分野、日本産品、価値観など、ジャパンブランド全般に関する海外生活者の意識と実態を定期的に調査しているものです。
今回の発表では、「観光目的で再訪したい国・地域」で日本が1位となった要因を、【期待】【契機】【関心】【地方】【和食】の5つの視点で読み解いています。
海外旅行経験者が再訪したい国、1位は日本
世界の海外旅行経験者が観光目的で再訪したい国・地域(複数回答)において、日本が1位となりました。2位のシンガポールとは19.9ポイント、3位のアメリカとは21.6ポイントの差があり、日本が突出して人気が高いことがわかります。
地域別では東アジア・東南アジア共に1位を取り、特にアジア圏での人気の高さがうかがえます。日本政府観光局(JNTO)が2023年1〜3月に調査したデータでも、日本はアジア圏において「今後行きたい旅行先」トップであり、コロナ禍後に訪日旅行が復活してから、一貫して人気があることがわかります。
関連記事:「今後行きたい旅行先」日本が11市場でトップに:JNTO、新たに世界22市場の旅行意向調査を公表


訪日旅行で期待していることは「グルメ」「独自の文化」「自然」
海外旅行先として日本に期待していることでは、「多彩なグルメ」「他国と異なる独自の文化」「他国にない自然景観」の3つが上位に入りました。
訪日外国人が日本に期待することは多様ですが、観光庁が発表した今年の「観光白書」とあわせて分析すると、日本食や文化に対する関心が年々高まっているのではないかと推察されます。
関連記事:インバウンドの現状と課題は?【令和6年版観光白書 徹底解説(2)】

訪日外国人の約半数はリピーター
日本を観光目的で訪れた人のきっかけは「前回日本を訪れて楽しめたので、また行きたいと思ったから」で、約半数がリピーターとして訪日観光を楽しんでいることがわかります。観光白書でも、香港と台湾を中心にアジアからの訪日外国人のリピート率が高くなっています。
また東アジアでは「円安が続いているうちに、行くべきだと思ったから」の選択率も高く、何回も訪れているからこそ、より費用が抑えられるタイミングでの訪日を検討していることが推測できます。
関連記事:インバウンドの地方誘客と消費拡大の動向は?取り組み事例も紹介【令和6年版観光白書 徹底解説(3)】

お金を払って体験したいことは「庶民的な和食」「農泊」「新幹線」など多様
今後の訪日時にお金を払って体験・利用したいものについては、「庶民的な和食レストラン」「農泊体験」「新幹線」などの選択率が高くなっています。
また一部の国・地域では「日本オリジナルのコンビニ食品」「日本製のスナック菓子」などが支持されており、日本人にとっては日常的である文化にも関心が高いことがわかります。


認知度が高い都道府県は変化なし、地方観光は情報量の少なさが課題
上位5位は大阪府、京都府、広島県、北海道と続いており、過去8年間の調査においてその中での順位変動はあったものの、その顔ぶれには変化がありませんでした。

また訪日外国人が感じる地方観光の障害要因については、「言語によるコミュニケーションの不安がある」「東京や大阪、京都などの都会以外の地方観光地を知らない」「地方観光地が持つアクティビティに関する情報源が足りない」といった、地方観光に関する情報不足が課題となっていることがわかります。
特に「言語によるコミュニケーションの不安がある」については、訪日経験のないポテンシャル層はビギナー層(訪日回数1回)、リピーター層(訪日回数2回以上)と比べて約10ポイント高く、地方送客のためには多言語対応などの環境整備が必要不可欠であることがわかります。

帰国後にまた食べたい日本食は「ラーメン」
自国で日本食を食べる頻度についても見てみます。
月に1度以上外食・中食する割合は、東アジアと東南アジアで7割以上だったのに対し、欧米豪は6割未満でした。一方で月に1度以上内食する割合は、東アジアと東南アジアが外食・中食と比べて約10ポイント低いのに対し、欧米豪では外食と内食にほとんど差が見られませんでした。

また帰国後にまた食べたい日本料理は「ラーメン」が最も高く、「刺身」「てんぷら」が続きました。また中東・欧米豪では「から揚げ」が共に1位ですが、東アジアでは25位、東南アジアでは10位と、地域間で差があることもわかりました。

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株式会社電通:電通、世界15の国・地域を対象に「ジャパンブランド調査2024」を実施
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