【京都・嵐山】"一極集中"する観光客…解決の鍵は「旅マエの情報提供」 現地の事業者に取材した

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近年、外国人観光客の急増により、京都市内の観光地はかつてないほどの賑わいを見せています。その中でも、嵐山は多くの観光客で溢れかえる人気エリアです。

本記事では、嵐山エリアの現状や観光客の動向、さらに地元店舗の実態について詳しく取材しました。

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人気の高まる嵐山 その理由を外国人に直撃


嵐山は美しい自然景観歴史的な建造物で有名です。最近では、InstagramなどのSNSで嵐山の写真がシェアされることが増え、外国人観光客の間でもその魅力が広まっています。

観光に来ている外国人に直接話を聞いてみると、多くの人々が嵐山自然美や歴史的な雰囲気に魅了されていることがわかりました。あるアメリカ人観光客は、SNSでしか見たことがない光景だったが、実際に見ると壮観で、日本に来ることの重要さがより理解できる」嵐山の景観を高く評価していました。

また、外国人観光客の受け入れ体制が整っていることも、嵐山の人気の理由と言えます。実際に嵐山駅を降り立つと、まず目に飛び込んでくるのは、各所に設置された外国人観光客向けの案内板やパンフレットです。さらに、無料Wi-Fiスポットの設置や、QRコードを利用した多言語案内など、IT技術を駆使したサービスも増えており、観光地としてのインフラ整備が進んでいることが伺えます。

団体観光客を案内するガイドは、嵐山インバウンド対応が整っており、道中の多言語の看板は日本語のものよりも多く、バスの停車場も広いためツアーに組み込みやすい」と語っていました。観光のプロであるガイドの方のコメントからも、嵐山インバウンド対策は充実していることが分かります。

インバウンド対策に取り組んでいる店舗を取材


今回、インバウンド対策に注力している店舗として、株式会社カンコウタイが運営する「五穀豊穣のお茶屋ごはん®五木茶屋」を訪れました。同社は「京都嵐山を世界一の観光地へと」をコンセプトに、パートナー店舗へのマーケティング支援を行っており、「五木茶屋®」もその店舗の一つです。

店内には外国語対応のスタッフを配置しており、英語に限らず韓国語中国語(簡体字)での言語対応を行っています。また、予約優先席と自由席を区別することで当日のお客様にも対応しています。

実際に店舗のオーナーに話を伺ったところ、インバウンド需要に応えるために様々な工夫を凝らしているとのこと。

例えば、同店では料理の食べ方に関する説明用紙を多言語で作成しており、「和食を正しい作法で食べたい」という外国人観光客のニーズに応える取り組みと言えます。

また、日本の観光客に比べて、海外から来る観光客は時間にルーズな一面があり、予約時間までに来店しないなど、トラブルが発生することもあるとのこと。そうしたトラブルに対しても、予め来店ルールを伝達することやメニューの絞り込みを行い、店舗オペレーションを最適化を図ることで対応しています。

インバウンドの盛況に伴うオーバーツーリズム問題、カンコウタイシが考える嵐山の将来像


嵐山エリアのインバウンドに対する取り組みは評価されていますが、一方で課題も残されています。まず、観光客の増加に伴う地域住民との共存が挙げられます。観光客による混雑や騒音、マナーの問題などが地域住民の生活に影響を与えているとの声もあります。

また、観光地としての持続可能性も重要な課題です。観光客の増加により、自然環境や文化遺産への負荷が増している高まっている現状を踏まえ、環境保護や文化財の保存に対する取り組みが求められています。例えば、ゴミの分別や環境に配慮した観光マナーの啓発活動が一層進められる必要があります。

このように課題が山積している嵐山の将来像について、株式会社カンコウタイシ会長の小田様にお話を伺いました。小田様は嵐山保勝会の理事をされており、事業を行うだけでなく、嵐山の将来を見据えた取り組みを考えられています。

小田様曰く、オーバーツーリズム嵐山全体で起きている現象ではなく、長辻通りなど観光客が集中するエリアでしか発生していないとのこと。嵐山には、亀山公園エリアや二尊院エリアなど、自然豊かで四季を感じられるエリアが複数ありますが、現状は旅マエを含め認知されていないルートやエリアが多く、結果的に一極集中の状況が発生しているという構図になっています。

そこで、カンコウタイシは、認知されていないルートやエリアなどの情報を旅マエの旅行客に届けることで、観光客の分散化の促進を図っています。さらに、観光での売上や消費が、環境整備や保全にも付与されるエコシステムを構築する事で、より持続的な素晴らしい観光地の嵐山へと近づけたいと話していました。

観光客からの人気が高い一方で、オーバーツーリズム等の課題を抱えている嵐山。その要因は、特定の地域に観光客が一極集中する状況にあります。こうした状況に対応するためにも、旅マエでの情報提供により観光客を分散化することが重要と言えそうです。

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以上、嵐山インバウンド事情についての取材記事をお届けしました。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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