清明節(せいめいせつ)は、中国の祝日です。先祖のお墓に線香をあげて墓参りをする、日本の「お盆」に似た日で、2025年は4月4日〜6日の3日間が清明節休暇と定められています。
今回は、清明節のインバウンド動向や2025年の情報について解説します。
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清明節とは?
「清明節」は、日本でいうお盆のようなもので、お墓を清め祖先を供養する日として定められた中国の祝日です。お墓参りでは、お酒や食べ物などを供えたり、紙幣に似せて作った紙のお金「紙銭」(ジーチェン)を焼いたりします。また、地域によっては冷たいものを食べる風習もあります。
2025年の清明節はいつ?
中国国務院の発表によると、2025年の清明節休暇は、4月4日〜6日の3日間です。清明節は、旧暦3月の春分の日から15日目にあたる節句であり、毎年の日程は太陽暦を使用して決められます。例年4月5日前後に連休が設けられ、2025年も3連休となっています。
清明節のインバウンド動向は?
2019年の清明節は4月5日〜7日、2024年は4月4日〜6日とどちらも2025年と同様の3連休でした。この連休を含む4月のインバウンド動向は、例年どのようになっていたのでしょうか。
【コロナ前】2019年4月の中国インバウンド動向
2019年4月の訪日中国人客数は、72万6,132人でした。これは例年のピークである7〜8月と比較して30万人程度少ない数字で、清明節をきっかけに訪日旅行に出かける中国人はそこまで多くはないということがわかります。
ただし4月は桜のシーズンであり、日本の美しい桜を求めて4月に訪日する中国人は一定数いると考えられます。
【コロナ後】2024年4月の中国インバウンド動向
2024年4月の訪日中国人客数は53万3,611人でした。2019年同月比で73.5%にとどまっており、コロナ禍からの回復が遅れています。中国のOTACtripのデータによれば、2024年の清明節は、気軽に行ける国内を中心に旅行需要が盛り上がったようです。2025年はどうなるのかが注目されます。
中国人を清明節に集客したい場合、いつから何をするべき?
これまで述べてきた通り、清明節は訪日客数が大幅に増える期間というわけではありません。そのため夏季休暇の期間や春節、国慶節といった季節行事ほど優先度は高くありませんが、もし仮に清明節の期間に集客したいという場合、どう進めるべきなのでしょうか。
中国人向けのプロモーションでは、訪日するまでのリードタイムを考慮し、1~2か月先を見越してプロモーションの準備を始めることが肝要です。清明節の日程から逆算してプロモーションするとすれば、2〜3月には情報発信ができるようにしておく必要があるでしょう。
なお、訪日ラボが入手したRED(小紅書)のレポートでは、清明節に向けたマーケティング戦略として、
- 2月末〜3月10日ごろまでに検索や広告からの流入を見据えた事前準備を開始
- 3月11日〜清明節当日までが検索のピーク。準備期間の結果を踏まえて予算追加をしていく
の流れを推奨しています。また、清明節だけを狙うのではなく、その先に向けて継続的な取り組みを行うことをREDは推奨しています。
清明節以外にもある中国の祝日
清明節は先祖を供養する大切な祝日ですが、中国にはほかにもいくつかの祝日があります。それぞれどのような意味があり、時期はいつなのか確認しておきましょう。
1〜2月:春節
「春節」は中国における旧暦の正月(旧正月)です。家族や親戚で集まって新年を盛大に祝う習慣があり、中国では新暦の正月よりも重視されています。また、大型連休となるこの期間は、中国国内のみならず、国外にも多くの人が旅行に出かけており、日本にも毎年たくさんの中国人観光客が訪れています。
5月:労働節
5月1日は世界各国で「労働者の祭典」として祝日になる国が多く、「メーデー」と呼ばれています。中国でもこの日を「労働節(正式には国際労働節)」として祝日に制定しており、労働者の貢献を讃えるイベントが開催されます。
5〜6月:端午節
「端午節(たんごせつ)」は古代中国において成立した、暦上の節目となる日です。古代中国の政治家である屈原(くつげん)の供養祭が由来であり、現在の暦では、5月下旬〜6月上旬ごろに3連休が設定されます。ボートレースやちまき食、厄除けなど屈原に関連する風習が各地で残っています。
9〜10月:中秋節
「中秋節(ちゅうしゅうせつ)」は五穀豊穣を祈る伝統行事の日で、月餅をお供えして家族と満月を鑑賞する慣習があります。例年、中秋節連休は旧暦の8月15日から3日間ほど連休が設けられますが、年によっては国慶節と合わせて大型連休となることもあります。2025年は、国慶節・中秋節合わせて8連休が設定されます。10月:国慶節
「国慶節」は中国の建国記念日で、春節と並ぶ大型連休です。中華人民共和国の成立が宣言された10月1日が毎年国慶節として定められています。なお、同じ中華圏の台湾や香港にも国慶節(国慶日)がありますが、中国本土とは異なる日程が設定されるため注意が必要です。
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<参照>
中国政府网:
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
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