脱ゴールデンルートで北陸に注目集まる JNTOが訪日プロモーション成果を報告(JNTO取材)

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

日本政府観光局JNTO)は1月22日、メディアブリーフィング(メディア向けの報告会)を開催。インバウンド観光をめぐる最近の動向や、北陸地域への訪日プロモーションなど、2024年の取り組みの成果を説明しました。

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

インバウンド観光をめぐる最近の動向について

はじめに、インバウンド観光をめぐる最近の動向について、日本政府観光局(JNTO)理事 出口 まきゆ氏より説明がありました。

▲日本政府観光局(JNTO)理事 出口 まきゆ氏:訪日ラボ撮影
▲日本政府観光局(JNTO)理事 出口 まきゆ氏:訪日ラボ撮影

訪日客数・消費額ともに過去最高に

まず訪日外客数については、既報の通り12月は2019年比38.1%増の348万9,800人となり、単月として過去最高となりました。また2024年年間は3,686万9,900人で2019年を約500万人上回り、年間としての最高記録を大幅に更新しました。

2024年の訪日客数について、出口氏は「ピークシーズンを中心に東アジアだけでなく、東南アジア欧米豪などすべての市場で実数が大幅に増えたことが、訪日客数の過去最高記録につながったと考えている」と述べました。

関連記事:訪日外客数、2024年累計は過去最高の3,687万人

中国については、2019年の水準には戻っていないものの、2023年を上回っており「回復基調にある」としました。そのほか東アジア3市場、東南アジア6市場は全体として2019年を上回る水準で好調に推移しているとしており、欧米豪市場についても2019年を大幅に上回る水準で非常に好調だとしました。

また観光庁が発表している訪日旅行消費額についても、2024年年間は2023年比53.4%増の8兆1,395億円となり、訪日客数と並び過去最高を記録したと報告しました。

関連記事:訪日消費額、過去最高の8.1兆円

地方部の外国人宿泊数も2019年を超える

宿泊者数については、宿泊者数が特に多い東京が2019年と比較して大きく増加しており、大阪や京都も2019年を上回っているとしています。

また地方部における宿泊者数を市場別に見ると、台湾韓国を中心に欧米豪インドシンガポールなどで2019年同期を上回っており、欧米市場を中心に地方部への宿泊者数の伸びが見られるとしています。

また出口氏は地方誘客の促進について「地方部の宿泊者数は2019年を超えているものの、三大都市圏に宿泊者数が集中しているのは事実であり、JNTOとしては地方部の魅力をさらにアピールしていきたい」と述べました。

海外メディアが日本を評価

出口氏は最後に、海外メディアにおいても日本の観光地が評価されていると報告しました。

たとえば米ニューヨーク・タイムズ紙の「2025年に行くべき52か所」において、富山市大阪市が選出されました。

関連記事:NYタイムズが選ぶ「2025年に行くべき観光地」日本から富山・大阪が選出

またCNNの「2025年に行くべき場所:最高の場所25選」では関西地方が選ばれています。

出口氏は大阪や関西地方が選出されたことについて、「2025年は万博の開催年ということもあり、JNTOとしても『万博+観光』としてプロモーションしていければと考えている」と述べました。

2025年「訪日客数4,000万人」について

訪日外客数が過去最高を記録したことを踏まえて、観光庁の秡川 直也(はらいかわ なおや)長官は1月15日、定例会見で2025年の目標について問われた際に、明確な目標値はないものの「2030年の目標を6,000万人と定めた際には、2020年に4,000万人と定めていた。6,000万人を達成する上で、その途中に4,000万人の目標がある」「(今年は)途中経過の目標を達成できるように、力を合わせてやっていきたい」と述べました。

関連記事:訪日客数3,600万人・訪日消費8兆円突破 観光庁長官「長年の成果」

4,000万人という目標について、JNTOとしての捉え方を伺ったところ、出口氏は一概に述べるのは難しいとしたものの、「現在のインバウンド市場は非常に好調であるため、この強い訪日トレンドが続いていくように海外事務所・本部一体となってプロモーションしていければと考えている」とコメントしました。

2024年、JNTOの取り組みと成果について

2024年におけるJNTOの取り組みと成果について、主に以下の3点について報告がありました。

  • 北陸地域への訪日プロモーション
  • アジアにおける大規模プロモーション
  • Adventure Week 2024 沖縄

北陸地域への訪日プロモーション」については、企画総室 担当部長 冨岡 秀樹氏より報告されました。JNTOとしては「観光復興に向けた支援」の一環として、観光地に関する正確な情報や北陸新幹線延伸についての情報発信、北陸の観光プロモーションを重点的に実施したとしています。

その結果、北陸4県の外国人延べ宿泊者数は2024年の10月までに250万人(2023年同期比93%増・2019年比57%増)となり、大きく増加したと報告しました。

また海外の旅行会社北陸を評価しており、ゴールデンルート以外の新たなルートとして積極的に販売していきたいといった声を受けているとしました。2025年も北陸4県にフランス富裕層取扱旅行会社を招請するなど、積極的なプロモーションを実施していくとのことです。

アジアにおける大規模プロモーション」について、海外プロモーション部 マネージャー 高橋 歩氏は、地方誘客促進にあたって送客強化地域を設定してプロモーションを行った成果を報告しました。

実際にOTAと連携して送客強化地域に合わせた特設ページを設置した結果、2024年11月時点で約3.7万件の予約数を記録したとしています。

また1月下旬より日系LCCと連携して中国韓国台湾香港タイの5市場において国内線の利用促進キャンペーンを実施し、地方誘客促進・再訪促進を図る施策を準備中だと述べました。

関連記事:2024年度アジアにおける大規模キャンペーンについて

最後に、市場横断プロモーション部 マネージャー 春原 あきほ氏より「Adventure Week 2024 沖縄」について報告がありました。

沖縄県においてオリエンテーションやファムトリップ、商談会を行ったと報告し、沖縄ならではの体験を通して、参加した旅行会社メディアおよび沖縄県内の事業者からも好意的な感想を受けていると述べました。

また2025年は「Adventure Week 2025 東北」として東北地方での開催を予定しているとのことです。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!

訪日ラボに相談してみる

【インバウンド情報まとめ 2025年1月前編】2024年訪日客数・消費額「過去最高」2025年は4,000万人へ ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に1月前編のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

2024年訪日客数・消費額「過去最高」2025年は4,000万人へ ほか:インバウンド情報まとめ【2025年1月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに