観光マーケティングとは?成功につながる「3つ」の施策と「5つ」のステップを解説

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水際対策が緩和されて以降、インバウンド需要が急拡大しているなか地方誘客が課題といわれています。

そこで注目されているのが観光マーケティングです。本記事では、観光マーケティングの意味や実情、成功のポイントについて詳しく紹介します。

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観光マーケティングとは

観光マーケティングとは観光客誘致を目的として行われるマーケティング戦略のことで、わかりやすく説明すると自地域を訪問してもらい、ファンになってもらうための施策全般のことをいいます。

観光業界において、マーケティング戦略が成功したか否かの大きな判断材料となるのがリピート訪問者の数です。一過性のブームで観光客が押し寄せても、訪問した観光客を満足させるための仕組みがなければブームで終わってしまい、むしろその後は以前より状況が悪化するケースがあります。

そのためマーケティング戦略を展開させる際には、長期的な視野で考え、1度訪問した観光客にリピーターになってもらえるかが成功の鍵をにぎります。そのために必要となるのが、観光マーケティングなのです。

観光マーケティング3つの施策

続いては、観光マーケティングで用いられる施策を3つ紹介します。

1. ローカルSEO(MEO)とウェブ広告

ローカルSEOMEO)とは一般的に、Googleマップなどで上位表示されるための施策を打ち、ユーザーの目にとまる機会を増やして店舗集客の向上を目指す施策のことを指して使われることが多くなっています。

GoogleマップGoogle検索を利用してお店や施設の情報を検索するインバウンド客が増えているいま、実店舗における重要な集客施策としてローカルSEOが注目されています。

ウェブ広告への出稿も、自サイトをターゲットユーザーの目に触れさせるためには有効な手段といえます。

関連記事:ローカルSEOとは?SEOやMEOとの違い、対策のポイント注意点を解説

2. 口コミの収集

観光マーケティングにおいても口コミは重要な資産となります。

アンケート調査会社のマイボイスコムが2023年に「ネット上の口コミ情報」に関するインターネット調査を実施した結果、商品購入やサービス、店舗を利用する際にネット上の口コミ情報を参考にしていると回答した人は、実に55%に達しています。

観光客の利用が見込まれる店舗や施設においては、口コミを集めることで宣伝効果や見込み顧客の訪問意欲を高める効果が期待できます。

観光名所や店舗では、口コミ投稿を歓迎していることや、口コミを投稿できる店舗ページへのリンクをQRコードで提示するといった施策に取り組むことで、口コミ集客や口コミからの現状分析が可能になります。

インバウンドを対象とした口コミ対策については、口コミアカデミーの「今からできるインバウンド×口コミ対策」の資料で詳しく紹介しています。

口コミアカデミーは訪日ラボ運営会社の株式会社movが運営するサイトです。ネットでは公開されていない確かな情報が盛り込まれています。簡単な会員登録を済ませるだけでマーケティングに役立つ資料をすべて無料でダウンロード可能です。ぜひご活用ください。

<参照>

マイボイスコム株式会社:ネット上の口コミ情報に関するアンケート調査(第6回)

3. 観光DX

予約サイトなどオンラインプラットフォームでの口コミの収集・分析だけでなく、観光客の行動についてデータを集計し顧客体験の質向上や収益の拡大を図る観光DXも各地で進んでいます。

観光DXにおいては、AIにより大量の行動履歴のデータ(ビッグデータ)を分析することで、旅行者一人ひとりのニーズにパーソナライズされたサービスの提供が可能になります。

観光マーケティングを実施するときの5ステップ

観光マーケティングにおいては、どの季節にどのような属性の人がその観光地を訪れるのか、また時間帯別やエリア別にどういった行動パターンがあるのかを情報収集し、より多くの人に訪れてもらえるような働きかけを考えます。

以下に、観光マーケティングを実践するための具体的なポイントについて解説していきます。

1. 目標設定

目標設定とは、マーケティングの目指すべきゴールを設定し、そのために必要なプロレスを洗い出してフレーム作りをする作業です。目標設定をする際に大切なのが、目標数値を明確にする点です。

たとえば「今より多くの人に足を運んでもらいたい」といった曖昧な概念ではなく「マーケティングの成果のゴールを5年後に設定し、最初の1年で客足を現状の10%伸ばし、最終年には年間の訪日客数を10万人にする」というように具体的な数値を立てます。

数字を立てる時に重要なのが、理想の数値目標を置くのではなく、現状を鑑み、マーケティングの展開により達成の可能性がある現実的な数値にする点です。

2. 外部や内部環境を分析

目標を設定したら、次に取り組むべきは現状分析です。現在、マーケティングを実践する上で多く用いられているのが、「PEST(ペスト)分析」です。

PEST分析は政治、経済、社会、技術の4つの視点からマクロ環境(外部環境)を分析するもので、この分析によりまずは社会の現状や経済状況といった、自分たちを取り巻く外部要因の状況を明らかにします。

その後、自身の観光地のインフラの現状、活用できる人材、集客のキーとなる資源の状況といった内部環境を分析することで、PEST分析が完了します。

3. ブランドを構築する

PEST分析の次に取り組むのは、「STP分析」です。これはセグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(狙う市場の決定)、ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)の頭文字をとって付けられたものです。

STP分析を行うことで、観光市場全体における自身の観光地の立ち位置を明確にし、他の観光地にはない自分たちだけのブランド価値を明らかにできます。

目指すべき市場が明確になることで、ターゲットユーザーの絞り込みが可能になり、それに応じた事業展開やマーケティング戦略を繰り広げることが可能になります。

4. 7つの「P」を設定

観光は商品のように形があるわけではありません。「サービス」に対するマーケティング戦略を考える際、近年では戦略の核として決定すべき「7P」があります。  

  • Price:価格設定、利益、コストといった価格戦略 
  • Product:イベント企画、商品、コンセプトといった製品戦略
  • Place:立地、配送、物流といった流通戦略
  • Promotion:販売活動といった販売戦略
  • Process:業務や販売プロセス
  • People:従業員、業者など運用に関わるスタッフ
  • Physical Evidence:安心・安全保障の担保

この7つの項目に当てはめて考えていくと、かなり具体的な戦略が完成するはずです。

5. カスタマージャーニーの設計

マーケット戦略の中では、ターゲット層により訴求するために、典型的なターゲット層であるペルソナ(特定の架空の人物)を仕立てます。

そしてこのペルソナの行動や思考、感情を見える化させることで、ターゲット層に適切な場所、適切なタイミングで情報を伝えることができるようにする「カスタマージャーニー」と呼ばれる作業を行います。

カスタマージャーニーは、ターゲットユーザーを深く理解し、より効果的なマーケティング戦略を考えるうえで必須となっています。

近年は情報取得や購買の窓口が多様化しています。スマホの普及や関連技術の発展により、ターゲットユーザーの個々の導線情報を細かく収集、分析できるようになりました。

関連記事:カスタマージャーニーとは?概要や作り方、メリットを紹介

観光マーケティングで地域活性化

インバウンドを含めて観光客を集めるためには、宿泊施設や交通手段などの環境整備に加え、地域の観光資源をアピールするための魅力的なストーリー作りが必須です。設計したストーリーは、オンライン、オフラインで人々に届けなければなりません。

観光業の発展は、これからの地域活性化、日本社会の成長に欠かせません。こうした事情を背景に、これからも観光マーケティングが広がっていくでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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