観光庁の秡川 直也(はらいかわ なおや)長官は2月19日、定例会見を実施しました。会見では、同日発表された日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計、および観光庁 旅行・観光消費動向調査の結果について報告がありました。
訪日外客統計によると、2025年1月の訪日外客数推計値は378万人を記録。昨年1月から9%伸ばし、単月過去最高を更新しました。
また、旅行・観光消費動向調査によると、2024年年間の日本人の国内旅行者数は5.4億人で、コロナ前2019年の9割程度まで回復。1回の旅行における支出が4万6,579円で2019年比125%となった結果、消費額は25兆円で過去最高となりました。
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1月の訪日外客数は好調に推移
1月の訪日外客数の受け止めについて問われた秡川長官は、「昨年11月、12月の数字が良かったので、年明けはどうなるのかについて期待と不安があったが、思っていたよりも良い数字だった」と回答。
「インバウンドの8割を占めるアジアの国が前年比較で40%、さらに欧米諸国でも30%増えている。引き続き日本に対する需要があるのと、航空便も回復しているので来やすい状況」と振り返りました。

中国春節の動向は
続けて春節の動向について問われると、「アジア諸国の春節期間の需要もあって伸びた」と評価しました。
なかでも中国人の訪日客数は98万人で、前月12月の60万人から大きく伸び、1位だった韓国をおさえてトップに躍り出ています。

中国人旅行者のニーズについて、現地旅行会社からは「昨年春節と比較して日本向けの旅行商品の売上が良い」との情報があり、地方の観光地や温泉の周遊を加えたプランが好調だといいます。日系の航空会社からは「春節期間の搭乗率は、それ以外の期間よりも高かった」といった情報も上がってきているようです。さらに中国企業の市場調査では、中国国外の海外旅行先の中で日本が1位になっています。
一方、中国人の訪日のピークは夏であることから、「春節・国慶節はピークに見えるが案外そうではない」「春節関係なく日本に来ていた」など、春節期間に限らず訪日需要に勢いがあったことが1月の好調の要因だと分析しました。
また、タイで中国人俳優が拉致された問題が旅行需要に影響しているのかという質問については、「そういう要因もあるのかもしれない」とした上で、そうした旅行需要に影響するような出来事は毎月のように起きているにもかかわらず、例年一貫した推移が見られることから、2月以降どう動くのかに注目していると述べています。
サービスに見合った価格設定の必要性にも言及
さらに、宿泊料金の値上げをはじめとして旅行業界でも物価の上昇が見られることについて問われると、「きちんと(適切な利益を)取って、従業員にも払って、という循環に入りたい、というのが長年の業界の課題だった」「コストに見合った値段が取れるようになってきている。今まで課題だったことが少しずつ実現できているのではないか」と評価。
価格が高いもの(いわゆる「観光地価格」)や「二重価格」についても「値付けは商売の根幹であり、どうするかは個々の事業者の判断」「サービスに対して適切な対価を取るというのは悪くはない」として、提供するサービスや客層に合わせた価格設定の必要性を示唆しました。
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