英語を主とした外国語対策。これは、日本がさらなる訪日外国人観光客を、集めるために避けて通れないものです。
観光庁により、2016年1月12日に発表された「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関する現状調査」では、訪日外国人観光客が、旅行中に困ったことや、受け入れ環境のニーズに関して紹介されています。
「旅行中に困ったこと」との質問に対して、最も割合が高かった回答が、「無料公衆無線LAN環境」。2番目に高かったものが、「施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない(英語が通じない等)」でした。
日本国内では、訪日外国人観光客に対して、まだまだ外国語対応が遅れていることがわかります。
そんな現状から、リアル接客では「接客指さし会話」、WEBでの多言語化では「gengo」など、様々な外国語対応に関するインバウンド対策が、行われています。今回ご紹介する通訳サービス、「SMILE CALL(スマイルコール)」もその一環として、有効なインバウンド対策となるでしょう。
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「SMILE CALL」とはiPhone・iPadを通じた通訳サービス:リアルタイムで訪日外国人観光客との会話が可能に
「SMILE CALL(スマイルコール)」は、株式会社インデンコンサルティングが運営する通訳サービス。iPhone・iPadのビデオチャット機能を利用し、訪日外国人観光客とのコミュニケーションが可能になります。
英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の5言語に対応。24時間の利用が可能で、接続率95%、通話開始までの待ち時間10秒以内も保証しています。
同社は、インバウンド市場が賑わい出す前の2012年から、「スマイルコール」のサービスを開始。現在、「スマイルコール」は、全国で300社以上に、利用されています。
メリットは「コスト削減」:実際の外国語対応スタッフを雇うより楽で安価
「スマイルコール」のプロモーションページによると、同サービスを導入することで、様々な場面においてコストを削減できるとしています。
例えば、「スマイルコール」を利用することで、必要な時に、必要なだけ通話することが可能になります。通訳スタッフは、24時間365日稼働しているため、外国語スタッフを雇うよりも、大幅なコスト削減に繋がります。
また、外国語対応スタッフを育成する手間も省くことができ、スタッフの退職やシフト管理もする必要がなくなり、あらゆる業種において、便利な外国語対応サービスです。
タクシー会社から銀行まで。様々な業界で多数の実績
「スマイルコール」のホームページには、交通業界、宿泊業界、金融業界、小売業界、そして区役所などの公的機関まで、実に多くの導入事例が、挙げられています。
京都のタクシー業界「MKグループ」では中国語や韓国語の対応に利用
「MKグループ」は、京都のタクシー会社の「エムケイ」を中核とした企業グループです。運送事業、観光事業のサービス提供を行っています。
訪日外国人観光客増加を受け、事業全体が追い風を受ける一方、同社では、訪日外国人観光客受け入れ態勢の整備が、課題となっていました。
こうした背景から、「MKグループ」では、中国語や韓国語の対応に「スマイルコール」を活用。中国語や韓国語に、対応可能なスタッフの確保は比較的困難なため、同サービスを利用しました。
他の通訳サービスより、料金も安価であったことも決め手の一つとなりました。今後は台湾の大手タクシー業界とも連携し、さらなる訪日外国人観光客集客に努めるとしています。
大阪市内の温泉「なにわの湯」では温泉の楽しみ方、マナー説明時に利用
2004年12月にオープンした、大阪市内の温泉施設「なにわの湯」。同温泉施設は、地元民だけではなく、訪日外国人観光客からも人気を集めています。
「温泉」という日本独自の文化は、訪日外国人観光客にとっては、利用の仕方など、わからないことが多いと言われます。そういった場面で生じるトラブルを、回避するために同温泉施設では、「スマイルコール」の導入を始めています。
医療分野でも活用:1315件の通訳記録から、病院でのインバウンド対応時の頻出単語を分析
2016年9月12日の株式会社インデンコンサルティングによるプレスリリースによると、同社では、先ほどご紹介した「スマイルコール」を活用し、導入医療機関の通訳記録1315件からキーワードを抽出。「病院におけるインバウンド対応時の頻出単語トップ10」を発表しました。
上記の表からわかるように、診断書、保険、検査、アレルギーなどがトップ10に上がりました。
同社は今回の調査実施の背景として、国内のインバウンド対策における、言語面での不安や不満を挙げています。
とりわけ医療面においては、訪日外国人観光客増加に伴い、訪日外国人観光客の事故やけが、病気等が多く発生しています。病院など、受け入れ側にとっては、「多言語対応」「異文化や他宗教への対応」など、受入環境の整備が大きな課題となっているため、今回の発表を行いました。
このように、単なる通訳サービスにとどまらず、医療面においてのインバウンド対策にも貢献しています。
まとめ:多種多様な業界において活用が可能:外国語対応の新たなインバウンド対策として期待
今回、取り上げた通訳サービス「SMILE CALL」。国内の様々な業界で、新たな外国語対応に関するインバウンド対策として今後、注目を集めることが、予測されます。
快適なサービス環境や、フレキシブルな利用が可能であることから、今後、インバウンド対策を検討している企業にとって、良い選択肢になります。
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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