ファムトリップ・FAMトリップとは | メディア向け観光コンテンツ体験ツアー

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

ファムトリップとは、観光産業にかかわる人々が、ターゲットとしたい市場のメディアやブロガー、旅行代理店を招待して実際に観光コンテンツを体験してもらうツアーやPR手法を意味します。

ファムトリップはFamiliarizationTrip(ファミリアライゼーショントリップ)の略称で、FAMトリップと表記されることもあります。

インバウンドプロモーション手法の一つとしても、ファムトリップが注目されています。

体験後は、参加者であるメディアやブロガー、旅行代理店等に現地向け情報発信をしてもらいます。

コンテンツは、ブログやSNS、その他あらゆるメディアで発信され、潜在顧客に対して訪日旅行を訴求したり、需要を掘り起こすことができます。

この記事では、

  • ファムトリップとは
  • ファムトリップのメリット
  • ファムトリップ成功事例

についてご紹介します。

関連記事
コト消費とモノ消費とは

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる


【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】

会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。

ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

ファムトリップとは

そもそも「ファムトリップ」とはどのようなものなのでしょうか。

JNTOの定義によると

Familialization Trip 下見招待旅行、ファムトリップ
内容
略して「ファム」(”Fam”)と言う。大会・会議用施設側が将来バイヤーとなる可能性のある組織の代表者らを現地に招いて下見を目的としたセミナーを催し、これによって会場利用契約成立の機会の増大を図る。複数の組織の代表者を招いて行う場合もあれば、個別に招く場合もある。―JNTOより引用

とされています。

もう少し噛み砕くと

  • ターゲットとする国の旅行会社、メディア、ブロガー(KOL、インフルエンサー、パワーブロガーとも)を招待
  • 特定の観光エリアや、インバウンド向けサービスなどを現地で体験してもらう
  • その体験を旅行企画に活かしたり、メディアやブログに記事掲載する

といったプロセスで行われる観光プロモーションとなります。

ファムトリップのメリット

ファムトリップの1番のメリットは、招待され実際に体験した人が、それぞれの国にローカライズした形でプロモーションをしてくれることにあります。

訪日外国人観光客の二大情報収集源にリーチできる

観光庁の消費動向調査によると、訪日外国人観光客が役に立ったとしている情報源は以下の通りとなっています。

順位 情報源 パーセンテージ
1位 個人のブログ 27.20%
2位 旅行会社ホームページ 18.10%
3位 旅行ガイドブック 17.60%
4位 自国の親族・知人 17.20%
5位 日本政府観光局ホームページ 17.00%

個人のブログの情報が役に立ったとしているのが訪日外国人観光客全体の27.2%で1位、続いて旅行会社のホームページが18.1%となっています。

また、アジア訪日外国人観光客においてはこの傾向はより強くなり、個人のブログが役に立ったとする回答率は、訪日台湾人観光客で30.0%、訪日香港人観光客で37.7%、訪日韓国人観光客に至っては48.9%にのぼります。

そのため、ファムトリップを用いたプロモーション施策は、訪日旅行を計画している潜在的訪日客に対して効果的なものと考えられます。

継続的な広告費はかからない・コンテンツが資産となる

インバウンドに限らず、プロモーションとして一般的な手法である広告。ソーシャルメディア広告やアフィリエイト、リスティング、動画などといったWEB広告や、雑誌やテレビなどのオフラインでの広告など、様々な形態が存在します。

これらの広告手法に共通するのは、効果は一過性であり財産になりにくいということがあります。

もちろん、広告によって流入した顧客がファンとして財産になるといったケースもあります。Facebookページのファン数などはその例といえるでしょう。ただし、広告の効果を継続させるためには、広告費を掛け続ける必要があります。

それに対しファムトリップの場合、メディアやブロガーによって書かれたプロモーション記事などは、公開後基本的にはインターネット上に残ります。

そのため、後述の通り1度の費用はかかるものの、効果の持続性が高いプロモーション手法です。

各国目線でウリのポイントを分析できる

更には、外国人を招致して実際に体験してもらうことで、各国の目線での地域やサービスのアピールポイントを発見できることもメリットです。特に地方の場合、「自分たちの地域のどこがアピールポイントになるのかわからない」というケースも少なくはありません。

例えば昨年9月に農林水産省が岩手県内陸部の遠野で実施したファムトリップでは、参加した外国人バイヤーを対象に、バイヤーの視点から農山村の資源や受入体制について評価や課題等をヒアリングして調査結果を纏めています。

遠野で実施したファムトリップで行われたアンケート調査の一部:農林水産省より引用

遠野で実施したファムトリップで行われたアンケート調査の一部:農林水産省より引用

本調査では、ファムトリップで印象に残ったことや、自国での関心度、商品化の際のセールスポイントや考えられるターゲット層についてヒアリングしており、観光資源としての有用性などが浮き彫りになっています。

ニセコでのファムトリップ事例:経済効果約5億円の試算

2014年に行われたニセコでのファムトリップ事例を見てみましょう。

Hokkaido Snow Travel Expo 2014実行委員会が北海道を世界を代表するスノーリゾートにすべく、アジア、豪州、北米、欧州の16市場からメディア8社9名、旅行会社等42社42名ニセコ町と倶知安町に招致しました。

ニセコで行われたファムトリップ:観光庁より引用

ニセコで行われたファムトリップ:観光庁より引用

その成果は、商談数にして506マッチングを達成し、各国3メディアで取り上げられるというものでした。

ウィンタースポーツシーズンで約3,000名の送客見込みとなり、経済効果としては約5億円にも達するという計算もあります。

ファムトリップはコト消費トレンドとも相性がよい

昨今のインバウンドではコト消費傾向が進んでいます。それにともない、FIT(個人旅行)客の増加も見越されています。

とすれば、今後さらに個人のブログや旅行代理店のホームページでの情報収集が進む可能性が高く、体験型のレジャーやサービス、観光と相性の良いファムトリップの有効性が高まってくるものと考えられます。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

関連記事

各都道府県別インバウンド消費額を推計してみました:現状ゴールデンルート外、首都圏以外は苦戦の模様

先日国籍別訪問率のヒートマップをご紹介しましたが、それぞれの都道府県で見たときのインバウンド消費額は、現状どうなっているのでしょうか?今回は、観光庁「訪日外国人消費動向調査平成27年の年間値の推計(暦年)」観光庁「宿泊旅行統計調査平成27年1月~12月分(年の確定値)」ジャパンガイド「外国人が興味を持っている都道府県ランキング」の数値を利用して、各都道府県のインバウンド消費額を推計してみました。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウン...

KOLとは

近年の訪日外国人観光客の急増により、訪日外国人向けのマーケティング全般を意味する「インバウンドマーケティング」の考え方が浸透しています。この記事では、中国版インフルエンサーマーケティング「KOL」とは何か?注意点や活用方法、事例を解説します。目次「インバウンドマーケティング」とはKOLマーケティング・インフルエンサーマーケティングとは?中国の人気SNS「Weibo(微博)」のKOLKOL選抜の際の注意点KOLの活用方法とその事例爆買時代の終焉、そして個性消費の時代へ「インバウンドマーケティ...

 

「コト消費」「モノ消費」とは?最近話題になっている訪日外国人の消費活動の変遷について解説

最近メディアの訪日外国人観光客に関するニュースで、「爆買い」から「コト消費」にキーワードのトレンドが移ってきています。訪日ラボでも何度か触れてきましたが、改めて「爆買い」「モノ消費」「コト消費」について解説していきます。コト消費で重要なのは「顧客満足度を上げる」こと!顧客満足度向上に有効なインバウンド対策についてより詳しい資料のダウンロードはこちら「翻訳・多言語化」の資料をDLして詳しく見てみるバーコードやQRコードを活用した多言語ソリューション「多言語化表示サービス」の資料をDLして詳し...

<参考>

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
  • 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

詳しくはこちらをご覧ください。

宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに