【香川県】インバウンド観光客 前年比241.6%の伸び率で増加した2つの理由:地方誘致の成功例

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訪日外国人観光客数が初めて2,000万人を突破し、2016年はインバウンド業界にとって記念すべき年になりました。

【速報】2016年のインバウンドは過去最高の2403.9万人!

昨日2017年1月17日、JNTOより訪日外客数統計の2016年年間値が発表され、2016年のインバウンドは過去最高の2403万9千人であったことがわかりました。2015年の1973.7万人に対し、前年比21.8%増となり、初の2000万人突破。JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多の訪日者数となりました。 目次2016年 2400万人突破!このままのペースであれば4000万人も不可能じゃない2013年から振り返るインバウンド市場各国のインバウンド市場推移訪日中国人観光客訪日台湾人...

矢野経済研究所の調査では、来年2017年の訪日外国人観光客数を2,822万人、再来年を3,086万人と予測しており、これからも安定してインバウンド需要は拡大していくことが期待できます。

このような背景をもとに、地域のPR、観光業の活性化を目的に、地方の自治体はインバウンドの地方誘致に取り組んでいます。

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楽天トラベル インバウンド旅行における人気上昇エリアランキングを発表:香川県がトップに!

インバウンド(訪日外国人)の人気上昇エリアランキング:YOMIURI ONLINEより

インバウンド(訪日外国人)の人気上昇エリアランキング:YOMIURI ONLINEより

楽天株式会社が提供する旅行予約サービス「楽天トラベル」は、楽天トラベルの外国語サイトによる予約人泊数をもとに、「2016年 訪日旅行(インバウンド)の人気上昇エリアランキング」を発表しました。

このデータによると、2016年、日本の都道府県の中でもっとも訪日外国人観光客からの人気が上昇したエリアは、高松・さぬき・東かがわを中心とする香川県でした。

その伸び率は、 前年比241.6%増(約3.4倍) となっており、訪日外国人観光客から香川県が大きな注目を集めていることがわかります。

インバウンドにおける香川県の躍進。この地方誘致の成功には一体どのような理由があるのでしょうか?

 

香川県が前年比241.6%増のインバウンド誘致に成功した2つの理由とは?

①離島巡り×アート 瀬戸内国際芸術祭が開催:10万人以上の訪日外国人観光客が来場

瀬戸内国際芸術祭 概要:イグニッションより引用

瀬戸内国際芸術祭 概要:イグニッションより引用

香川県では去年、「瀬戸内国際芸術祭2016」が開催されました。

「瀬戸内国際芸術祭」とは、美しい瀬戸内海の島々を舞台に3年に一度開催される現代アートの祭典です。

瀬戸内海に浮かぶ14の島々(直島/豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島、本島、高見島、粟島、伊吹島、高松港・宇野港周辺)が会場となっており、開催時期は春・夏・秋の3回。フェリーで島めぐりをしながら、現代アートの数々を楽しむことができます。

「瀬戸内国際芸術祭」の公式ホームページは日本語・英語の2言語に対応。瀬戸内国際芸術祭実行委員会の資料によると、同サイトのアクセスの87.9%は国内からとなっており、 海外からのアクセスは12.1% であったとのこと。海外での注目度の高さが伺えます。

また、「瀬戸内国際芸術祭2016」の来場者を対象にしたアンケート結果によると、「瀬戸内国際芸術祭2016」では、合計で1,070,368人の来場を記録。そのうち 13.4%である約140,000人が訪日外国人観光客 であったとのこと。

離島を舞台とした芸術祭とだけあって、フェリーの発着地である香川県・高松を拠点に観光をする訪日外国人観光客が多かったことが、香川県のインバウンド誘致における躍進の要因の一つとなりました。

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②うるう年も要因の一つに:お遍路が訪日外国人観光客に人気

訪日外国人観光客×お遍路:「遍路とおもてなし」通信より

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また、2016年、香川県ではお遍路(*1)を目的とした旅行が人気でした。

うるう年である2016年は、通常とは逆周りのコースでお遍路をする「逆打ち」を行うとより御利益が高いと言われていることから、例年よりも多くの訪日外国人観光客が訪れたとのこと。

お遍路は、訪日外国人観光客に人気の行事となりつつあり、最近では、ニューズウィークでも「アメリカ人記者が歩いた四国お遍路」と題して、外国人目線で「お遍路」での体験が紹介されています。

また、香川県などが作成した「お遍路」をテーマとする観光周遊ルート「スピリチュアルな島~四国遍路~」は、2015年に観光庁が開始した事業である「広域観光周遊ルート形成促進事業」(*2)に選定されました。

観光庁は、「お遍路」をテーマとする観光周遊ルートの選定を通じて、2020年までに四国4県外国人延べ宿泊者数66万人 まで伸ばすことを目標としています。

徳島文理大学講師のデビット・モートン氏の調査によると、香川県さぬき市にあるお遍路に関する情報交換施設「前山おへんろ交流サロン」では、入場したお遍路さんが体験や感想などを記入できるノートが用意してあり、訪日外国人観光客の記入は、 2007年は年間約70名 でしたが、 2012年ではその倍を超える150名 、さらに 2015年には400名 と年々増加しているとのこと。「お遍路」を目的とした訪日外国人観光客の人気が高まってきていることが予測できます。

「お遍路」のような日本文化に関連する行事を観光周遊ルートとして組み込み、訪日外国人観光客にPRすることで、インバウンド誘致につなげることに成功しています。

*1 お遍路:弘法大師(空海)の足跡をたどり、四国にある88ヶ所のお寺を巡ること

*2 広域観光周遊ルート形成促進事業:観光庁が魅力ある観光地域をピックアップし、訪日外国人観光客の滞在日数に合わせた広域観光周遊ルートを形成することにより、訪日外国人旅行者の周遊促進による地域の活性化を図ることを目的とした事業。

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まとめ:瀬戸内国際芸術祭の開催と訪日客の間でのお遍路の人気が背景に

香川県が訪日外国人観光客にとって、注目の観光スポットになりつつあります。

その背景には、

  • 海外からも関心が高い「離島巡り」×「アート」をコンセプトとした瀬戸内国際芸術祭の開催
  • 訪日客から注目のアクティビティーとなりつつある「お遍路」を組み込んだ観光周遊ルートの人気

があると考えられます。

MICEに分類されるような大型イベントの開催や、「日本らしさ」「日本文化」をウリにした観光周遊ルートの作成・PRは、訪日外国人観光客誘致に有効な手立てとなります。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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