なぜ牛乳が1位に?ローソン、春節の「支付宝(アリペイ)」利用者購入ランキング発表

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平成29年(2017年)2月10日、全国に店舗を構える大手コンビニチェーン「ローソン」が、中国で4億人以上が利用しているとされ、同社が訪日中国人観光客のインバウンド対策などを目的に導入したモバイル決済サービス支付宝アリペイ/Alipay)」の利用状況を発表しました。ランキング形式でまとめられており、中国を中心とした訪日外国人観光客の考える”日本のコンビニ像”が読み取れる内容になっています。

24時間営業で日本人にとっては生活に欠かせないものとなっているコンビニ。インバウンドの世界では、どのように認識されているのでしょうか。

 

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無料Wi-Fi、多言語対応、決済サービス導入とインバウンド対策を行ってきたローソン

まずは、ローソンがこれまでに行ってきたインバウンド対策を見てみましょう。

平成27年(2015年)6月1日、ローソンは全国約1万2,000店舗(当時)で利用できる「LAWSON Wi-Fi」を、訪日外国人観光客向けの多言語対応にリニューアル。日本語に加え、英語、韓国語、中国語(簡体字/繁体字)も選択できるようになりました。また、空港や駅、商業施設などのエリアで利用できる無料Wi-Fiアプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」経由で、接続することも可能に。

翌年、平成28年(2016年)1月にはモバイル決済サービス「支付宝(アリペイ/Alipay)」を導入することを発表。中国の大型連休「春節(旧正月)」に訪日中国人観光客の需要が大幅に拡大することを見込んで、空港やホテル立地などの9店舗で試験的に運用されました。同年末には、全店舗で導入することが発表されています。

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訪日外国人観光客がコンビニで購入する商品は?

今回、発表された「支付宝アリペイ/Alipay)」の利用状況の調査が行われたのは、平成29年(2017年)1月24日~2月5日まで。これは春節旧正月)の前後3日間を追加した期間にあたります。同年、1月24日からローソン全店舗(約1万3,000件)に導入されており、訪日外国人観光客数の多い札幌、東京、大阪、京都、福岡、沖縄を中心に、約3割の店舗で利用され、累計件数は5万2,000件を超えたとのこと。

その売上数ランキングは以下の通りです。

商品売上数ベスト10

  1. 牛乳 200ミリリットル
  2. 牛乳 500ミリリットル
  3. おでん(大根)
  4. 肉まん
  5. 飲料水(2リットル)
  6. 飲料水(500ミリリットル相当)
  7. 乳酸飲料(500ミリリットル)
  8. フライドチキン
  9. バナナ(1本)
  10. グミ

昨年、「支付宝アリペイ/Alipay)」を試験導入した際には、お土産品を含む多様な商品が購入されているとしていましたが、今回ランクインした商品はいずれも、日本滞在中に消費されるであろう食料、飲料品。牛乳が上位2位を占めている理由としては、 品質に対する評判が高いこと、朝晩にホテルなどで飲む機会が多いこと が挙げられるとのこと。

より容量の多い500ミリリットルではなく、200ミリリットルのものが上位に位置しているあたりからも、その消費のされ方が読み取れるのではないでしょうか。その一方で、飲料水は2リットルが5位、500ミリリットル相当が6位となっており、牛乳とは逆の傾向を示しています。こちらでは「ホテルに置いておき、宿泊中はいつでも飲めるようにしておきたい」という意識が働いているのではないでしょうか。

このように「コンビニ=日本旅行中に”普段使い”できるお店」という図式が成り立っていることと同時に、「支付宝アリペイ/Alipay)」利用者には平均客単価が高いという特徴が見られました。ローソン全体の客単価の約1.6倍にのぼる800円~900円だったとのこと。

 

まとめ:訪日外国人観光客にとっても、コンビニは身近なお店

支付宝アリペイ/Alipay)」を全国の店舗に導入したローソンが、その利用状況を発表しました。対象期間は春節旧正月)の時期で、中国からの訪日外国人観光客の行動傾向を色濃く反映していると思われます。トップ10にランクインしたのは、いずれも日本滞在中に口にすると思われる食料や飲料。訪日外国人観光客にとっても、コンビニは”普段使い”できるお店になっているようです。

このような傾向が現れた原因のひとつは、日本人もよく認識しているコンビニの利便性の高さでしょう。しかし、ローソンはさらに多言語対応や無料Wi-Fi、商品への英語表記の追加、モバイル決済サービスの導入……といった具合にさまざまなインバウンド対策に取り組んでいます。訪日外国人観光客にも利用しやすい店舗づくりを追求した結果、日本人同様、気軽に使うお店として理解されるようになったのではないでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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