化粧品業界 輸出増の背景にはインバウンドの影響が!? 化粧品業界の生産動向から読み解くインバウンドの「旅アト」への影響

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インバウンドにおいて近年最も話題となった「爆買い」そして「爆買いの収束」。2014年〜2015年にかけて、ビザ緩和、LCCの増便、そして円安元高という要因を受けて、訪日中国人観光客数が異例の増加。そして日本製品の大漁買い減少を巻き起こしました。

一転、2016年に円高傾向になると、円ベースでのインバウンド消費額が前年同期比割れするタイミングも出始め、大手メディアを始めとして「爆買い終わったか」という報道が頻発しました。しかしながら、訪日ラボでもお伝えしていたとおり、現地通貨換算ではむしろインバウンド消費は増加傾向にあり、円高の影響を受けての円ベースでの消費額減、という意味であったこと、そして特に高額商品と比較して円高の影響を受けにくい化粧品類を始めとした日用品類においては爆買いは未だ続いています。

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今回は、その「化粧品は爆買いが続いている」点について、業界全体の生産量と輸出量、そしてインバウンド消費との関係を見ていきます。この数値を見てみると、インバウンドの経済効果は、訪日中(旅ナカ)のみならず、帰国後(旅アト)にも影響を及ぼしていることが垣間見えます。

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化粧品業界2014年から2016年にかけて好調:その理由はインバウンドに喚起された輸出用アップにあり

化学製品の生産の寄与度分解:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

化学製品の生産の寄与度分解:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

上記表は2015年1月を基準とした、日本国内の化学製品の生産増減に対する製品類別の寄与度を表したものです。2015年8月を契機に、図表内赤で示された化粧品類がプラス方向で推移しており、2016年に入ってからは、日本の化学製品生産を牽引する存在になっていることがわかります。

化粧品の生産・出荷・輸出:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

化粧品の生産・出荷・輸出:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

化粧品の生産・出荷・輸出量について詳しく見てみましょう。上記表は2010年の化粧品の生産・出荷・輸出量を100とした、それぞれの推移を示したものです。前掲の図「化学製品の生産の寄与度分解」にならって、およそ2015年の8月頃から堅調な増加傾向にあることが見て取れます。

訪日外国人観光客数と消費額および1人あたり旅行支出額の推移

訪日外国人観光客数と消費額および1人あたり旅行支出額の推移

しかしながら、いわゆる「爆買い」現象がはじまった2014年、そして円安が最も進み訪日外国人観光客1人あたりのインバウンド消費額が最も高くなったのが2015年だったことを考えると、ピークの時期が1年ずれていることが気になります。これは何故なのでしょうか?

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化粧品業界の好調の要因は「インバウンド消費」?それとも「輸出」?

再度、図「化粧品の生産・出荷・輸出」を見てみましょう。

化粧品の生産・出荷・輸出:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

化粧品の生産・出荷・輸出:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

こちらの右図を見てみると、輸出量が堅調な伸びを見せており、これに引き上げられる格好で出荷や生産が増加しているのではないか、という仮説が導き出されます。

家計の化粧品支出額の推移:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

家計の化粧品支出額の推移:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

それを裏付けるように、国内の家計の化粧品支出額はここ数年際立った変化はありません。よって、日本国内の内需による生産・出荷量の押し上げではないことが、ここから読み取れます。

また、訪日旅行中(旅ナカ)のインバウンド消費が化粧品業界好調の1番の要因なのであれば、円安によって、最もインバウンド消費が喚起された2015年の7月〜9月頃にピークを迎えていて良いはずです。

ここからわかることは、2016年に数年の化粧品業界の好調の最も大きな要因は、輸出量の増加にあるのではないか、という仮説が成り立ちます。

化粧品業界好調の直接の要因は輸出量の増加

化粧品の出荷・輸出・インバウンド消費:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

化粧品の出荷・輸出・インバウンド消費:内閣府「今週の指標 No.1163 化粧品の生産動向とインバウンド消費」より引用

さて、この図表を見てみると、化粧品の出荷額、輸出額、そしてインバウンド消費の2014年から2016年にかけての推移を表したものです。こちらを参照すると、これら3つの指標が有意に相関しているようにみえます。

化粧品の出荷額を国内出荷・輸出に因数分解

化粧品の出荷額を国内出荷・輸出に因数分解

前掲の図「化粧品の出荷・輸出・インバウンド消費」より、出荷と輸出のY軸を揃え、出荷額から輸出額を引いて「国内出荷」とし、出荷額の内約を整理してみました。統計元が違っているので正確な数値ではないとは思われますが、化粧品の出荷額の押し上げに、輸出額の増加がかなり寄与していることが感覚的につかめるのではないでしょうか。

この続きから読める内容

  • 化粧品業界好調の背景にはやはりインバウンドの存在が
  • インバウンド消費が大きい国には輸出額も増加している。
  • 訪日旅行中での買い物の満足度が旅アトでの消費にも影響している
  • 業界最大手資生堂も日本製を前面にした商品展開を中国国内で開始
  • まとめ:インバウンドは「インバウンド」に留まらない…今後は旅アトの市場にも要注目
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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