2017年2月のインバウンド市場は?:苦戦…203.6万人で過去最高だが伸び率1桁:春節のズレ、昨年より1日減で7.3万人のロスが要因か

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2017年2月のインバウンド市場は、訪日外客数が203.6万人で前年同月比7.6%増となり、2月として過去最高を記録しました。1月の集計でお伝えしたとおり、春節(旧正月)が1月末にスタートしたことにより春節によるインバウンド需要が1月にずれ込んだこと、そして昨年(うるう年)より2月が1日少なかったことにより伸び率は1桁台にとどまりました。

2017年の春節(旧正月)開始!春節の基礎知識と最近のトレンドを解説

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それでは、2017年2月の各国のインバウンド市場の状況と、前月1月にビジットジャパンによって行われた各国インバウンド市場向けプロモーションを見ていきましょう

<2017年1月のインバウンド市場まとめはこちら>

2017年1月のインバウンド市場は?:229.6万人で過去最高 春節(旧正月)が1月からだったことが後押し

2017年1月のインバウンド市場は、訪日外客数が229.6万人で前年同月比24%増となり、1月として過去最高を記録しました。中華圏の国や地域を中心に訪日外客数が増加。これは春節(旧正月)が昨年2月始めスタートだったのに対し、今年2017年は1月末からスタートだったことが後押しした模様。それでは、2017年1月の各国のインバウンド市場の状況と、前月2016年12月に行われた各国インバウンド市場向けビジット・ジャパン関連プロモーションを見ていきましょう<2016年12月のまとめはこちら><20...

<2016年のインバウンド市場まとめはこちら>

【速報】2016年のインバウンドは過去最高の2403.9万人!

昨日2017年1月17日、JNTOより訪日外客数統計の2016年年間値が発表され、2016年のインバウンドは過去最高の2403万9千人であったことがわかりました。2015年の1973.7万人に対し、前年比21.8%増となり、初の2000万人突破。JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最多の訪日者数となりました。 目次2016年 2400万人突破!このままのペースであれば4000万人も不可能じゃない2013年から振り返るインバウンド市場各国のインバウンド市場推移訪日中国人観光客訪日台湾人...

 

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2017年2月までの全国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの全国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの全国籍インバウンド外客数推移

2017年2月の全国籍の訪日外客数は203.6万人(前年同月比7.6%増)となり、昨年2月の189.1万人を14万人上回って過去最高を記録しました。しかしながら、 伸び率は1桁台にとどまっており、2017年の2月は苦戦 したと言えます。

この背景にあるのは、先月好調の要因としてあった中華圏の春節旧正月)にあります。中国をはじめとした中華圏の国や地域で最大の旅行シーズンである春節旧正月)が、昨年2月スタートだったのが、今年2017年は1月末にスタートしました。そのため、 1大旅行シーズンである春節によって喚起されたインバウンド需要が1月に流れ込んだことが伸び率不調の要因 として考えられます。

さらに昨年はうるう年であったことから、 今年2017年2月は昨年より1日少ない 状況。単純計算で 2月は1日あたり7.3万人 の外国人観光客が訪日しており、仮に昨年と 同じ29日で換算すれば、約211万人で伸び率は11.5%程 となります。1日短いことがかなりの影響をもつことからも、インバウンド市場が堅調に拡大していることが伺えます。

2017年2月までの中国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの中国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの中国籍インバウンド外客数推移

2017年2月の中国インバウンド市場では、前年同月比2.0%増の約50.9万人、2月として過去最高を記録。昨年は2月にスタートした 春節旧正月)休暇が、1月末スタートになった ことが、翻って 2月のインバウンド需要の目減りの原因 となりました。しかしながら、 春節旧正月)期間を含む1月〜2月の合計では、前年同期比17.0%増 であり、基本的には堅調な伸びを見せていることがわかります。

前月2017年1月の中国向けインバウンドプロモーション活動は?

中国インバウンド市場向けの1月のプロモーションは、1月14日に深圳、1月21日に上海、1月22日に北京で、日本の食をテーマとしてJNTO主催のSNSオフライン交流会(いわゆるオフ会)を開催しました。会はJNTOWeibo微博)公式アカウントで実施した日本のグルメ写真投稿キャンペーンと連動。FITでの訪日旅行経験豊富な男女約30名が参加し、大盛況を収めました。

 

2017年2月までの台湾籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの台湾籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの台湾籍インバウンド外客数推移

2017年2月の台湾インバウンド市場では、前年同月比1.7%減の約34.3万人でした。伸び率がマイナスとなるのは4年1か月ぶりのことです。 中国同様春節旧正月)によるインバウンド需要のずれ込み の他、昨年の復興(トランスアジア)航空の解散に伴うツアーキャンセルなどの影響を受けた格好に。1月〜2月の合計でも前年同期比3.6%増に落ち着いており、 海外旅行需要の周辺諸国への分散化が進んでいる ことが伺えます。

前月2017年1月の台湾向けインバウンドプロモーション活動は?

台湾インバウンド市場向けの1月のプロモーションは、1月13日に台北でオフライン交流会(オフ会)を実施しました。訪日旅行経験豊富な参加者が多数参加し、訪日旅行に関する情報交換をするなど活発な会となりました。また、台湾の人気ブロガーを兵庫県に招聘するファムトリップを実施。招聘したブロガーの旅程は現地ツアー販売ウェブサイトからダウンロードでき、FITでの訪日旅行のモデルプラントして活用されています。

 

2017年2月までの香港籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの香港籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの香港籍インバウンド外客数推移

2017年2月の香港インバウンド市場は、前年同月比7.4%減の約14.1万人に。伸び率がマイナスとなるのは 台湾同様4年1か月ぶりです。こちらも 中国・台湾同様に春節旧正月)需要のズレ込みが2月不調の要因 に。しかしながら、春節旧正月)期間を含む 1月〜2月の合計では、前年同期比 17.8%増 だったことから、堅調な伸びを見せていることがわかります。

前月2017年1月の香港向けインバウンドプロモーション活動は?

香港インバウンド市場向けの1月のプロモーションは、1月中旬頃からLCC格安航空会社)のJetstarと共同プロモーションを実施。東京行き片道およそ8600円、大阪行き片道およそ8300円の格安航空券を販売し、メインターゲットの20代初訪日層を中心に、訪日旅行の手軽さをPRしました。

 

2017年2月までの韓国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの韓国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの韓国籍インバウンド外客数推移

2017年2月の韓国インバウンド市場は、前年同月比22.2%増の約60万人で、2月として過去最高を記録しました。 2月の東アジア圏が軒並み低迷するなか際立って好調の市場 で、韓国のアウトバウンド全体が増加傾向にあったこと、そして航空路線の拡大や訪日旅行商品の販売拡大・低価格化を要因に訪日外客数を伸ばしました。韓国もまた、中華圏同様旧正月(韓国では「ソルラル」)休暇があり、1月へのズレ込みによって低迷が心配されたものの、結果としては前年同月より約10万人増加。 20市場の中で訪日中国人観光客を抜いて訪日者数が最多 となりました。

前月2017年1月の韓国向けインバウンドプロモーション活動は?

韓国インバウンド市場向けの1月のプロモーションは、韓国のテレビ番組を東京と岐阜に招聘しました。これはアニメ映画「君の名は。」が韓国国内で動員数350万を突破し、韓国で放映された日本映画歴代1位となったタイミングに合わせた格好。放送後は、韓国が本場のキュレーションサイト「NAVER」で”岐阜県”が検索ワード第3位になるなど注目を集め大成功の結果に。

 

2017年2月までのタイ国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までのタイ国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までのタイ国籍インバウンド外客数推移

2017年2月のタイインバウンド市場は、前年同月比22.5%増の約7.5万人で、2月として過去最高を記録しました。 伸び率においては、訪日数最多を記録した韓国を抜いて1位 という結果に。昨年10月のプミポン国王の崩御以来伸び率の低迷が続いていたものの、4ヶ月ぶりに2桁台成長に復調しました。 3月以降はタイの最大旅行シーズン「ソンクラーン」を控えており、更なる成長が期待 できます。

前月2017年1月のタイ向けインバウンドプロモーション活動は?

タイインバウンド市場向けの1月のプロモーションは、昨年12月に続き、九州地方の認知度向上&旅行商品の販促を目的として、「くまモン」などを起用した広告を展開。また、富裕層・中間層向けに、現地旅行会社と共同で、新聞やオンラインメディアなどに広告を出稿するなどをしました。

 

2017年2月までの米国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの米国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの米国籍インバウンド外客数推移

2017年2月の米国インバウンド市場は、前年同月比8.8%増の約7.4万人で、2月として過去最高を記録しました。 2月は海外旅行のオフシーズンとなり、例年通り訪日外客数は落ち込みを見せた ものの、堅調な米国経済やアジアへの渡航者数の増加傾向など、訪日需要を取り巻く環境は安定しています。しかしながら気になるのは 1月末に発表された一部地域からの入国を制限する大統領令 。今のところ2月の訪日者数への影響は見られないものの、新生トランプ大統領政権の、今後の動向を注視していく必要があります。

前月2016年12月米国向けインバウンドプロモーション活動は?

米国インバウンド市場向けの1月のプロモーションは、1月下旬、ニューヨークで3日間開催された「The New York Times」主催の旅行博「TTimes Travel Show(NYTTS)」にビジット・ジャパンブースを出展しました。同旅行博は過去最高の3万人を超える入場者数を記録しており、ビジット・ジャパンブースも盛況となりました。

 

2017年2月までのカナダ籍インバウンド外客数推移

2017年2月までのカナダ籍インバウンド外客数推移

2017年2月までのカナダ籍インバウンド外客数推移

2017年2月のカナダインバウンド市場は、前年同月比7.5%増の約1.9万人で、2月として過去最高を記録しました。 カナダにおいても春節旧正月)の影響 があり、中華系カナダ人のインバウンド需要が1月にずれ込んだ結果、伸び率は1桁台にとどまりました。

前月2017年1月のカナダ向けインバウンドプロモーション活動は?

カナダインバウンド市場向けの1月のプロモーションは、日本の観光記事を執筆するために訪日するジャーナリストの取材支援(メディア広報支援事業)を継続的に行った成果として、カナダの季刊旅行雑誌「Canadian World Traveller」に九州の特集が掲載されました。その他、オンライン旅行サイト Travel IndustryToday.comでは軽井沢に関する記事が掲載されました。

 

2017年2月までの英国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの英国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までの英国籍インバウンド外客数推移

2017年2月の英国インバウンド市場は、前年同月比5.3%減の約1.9万人となり、前年割れの結果に。 例年通り、2月を含む冬季は英国紙上においてはインバウンドオフシーズン であること、そして 中華系英国人の春節需要の1月へのズレ込み などが、その原因と考えられます。また、前年と比較し訪日スキー客が減少していることも伸び悩みに影響を与えた模様です。

前月2017年1月の英国向けインバウンドプロモーション活動は?

英国インバウンド市場向けの1月のプロモーションは、昨年12月から2017年3月にかけて「ビジット・イースト・アジアキャンペーン」を開催。その一環として、日本・中国・韓国を周遊するルートを促進する取り組みを行っています。

 

2017年2月までのオーストラリア国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までのオーストラリア国籍インバウンド外客数推移

2017年2月までのオーストラリア国籍インバウンド外客数推移

2017年2月の豪州インバウンド市場は、前年同月比13.5%増の約4.1万人で、2月として過去最高を記録しました。 ウィンタースポーツを目的としたインバウンド需要増加 や、日豪路線における航空座席供給量の増加などが、訪日外客数増加を後押ししたものと見られます。

前月2017年1月の中国向けインバウンドプロモーション活動は?

豪州インバウンド市場向けの1月のプロモーションは、1月14日にシドニーで「日豪観光セミナー」を開催しました。観光庁、一般社団法人日本旅行業協会JATA)が共催しており、現地のメディアや旅行業界関係者等を対象としたもので、JNTOとオーストラリア政府観光局(TA)との間で日豪双方向の旅行需要拡大を目的とした協力覚書を締結しました。セミナーには安倍内閣総理大臣も臨席しており、「2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、国を挙げて海外からのお客様を歓迎する体制を整えている」とコメント。

<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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