この記事は約6分で読み終わります。

インバウンド市場において最重要顧客といえる訪日中国人観光客。その中国での2大の旅行シーズンといえば春節(旧正月)と国慶節です。この時期はインバウンドビジネスでも注目が集まりますが、今年2017年の春節はどのようになるでしょうか?

2017年春節(旧正月)はじまる

春節(旧正月)は、中華圏での最も重要とされる祝日です。毎年スケジュールが異なり、今年2017年春節は1/28スタートとなります。その前日(除夕)の1/27にはじまり、2/2までの7連休になります。

そもそも春節(旧正月)とは?

春節(旧正月)とは、別名の「旧正月」の名の通り、旧暦での正月を指します。旧暦は月の動きを主とし、太陽の動きを参考にした太陰太陽暦で定められた暦です。現在世界で一般的に使われる新暦(グレゴリオ暦)とは月日にずれが生じます。そのため、旧暦での正月を祝う春節は、その開始日に毎年ずれが生じます。

春節の前日を除夕と呼びます。旧正月版大晦日といったところで、特別な食事を食べて新年の準備をします。そのため、例年休日は春節前日からはじまり、そこから1週間の連休となります。

なぜ旧暦の正月を春節として祝うのか?

中国をはじめとした中華圏では1644年に制定された旧暦が広く使われていました。中国で新暦(グレゴリオ暦)が採用されたのは20世紀に入ってからのことで、中国の文化・習慣に旧暦は深く根付いています。中国では誕生日を旧暦で表したり、新暦・旧暦両方で祝ったりするほどです。

そのため、新暦での1月1日を元旦として祝いつつも、旧暦での正月、つまり春節をより盛大に祝うという文化が未だに根強く残っています。

2017年から2020年までの春節(旧正月)のスケジュール

今年2017年の春節は前述の通り1/28スタートで、1/27から7連休となります。その後2020年までのスケジュールは、以下の見込みです。

春節開始日連休期間
2018年2/162/15〜2/21
2019年2/52/4〜2/10
2020年1/25 1/24〜1/30

実際には、例年春節前の12月に中国の国務院から正式なスケジュールが発表されるため、そこで日程が確定します。

 

インバウンドと春節(旧正月)の関係

春節(旧正月)では、家族との団欒が重視されるため、元来は帰省シーズンとして機能していました。しかしながら、近年の中国経済の成長、そして海外旅行解禁に伴うブームが発生し、この大型連休に海外旅行に行く中国人が増加します。

そこで2014年ごろから始まった円安、そして訪日ビザ緩和、LCCの増発などをうけ、春節に訪日旅行をする中国人観光客が増加。2014年、2015年の春節での爆買い現象によって、インバウンド業界のみならず春節というキーワードが有名になります。

<関連>

実はそこまで訪日中国人観光客が激増するわけではない春節(旧正月)

それでは、ここ数年の春節と訪日中国人観光客の関係をデータをもとにして見てみましょう。

2013年から2016年の訪日中国人観光客の月別外客数推移

2013年から2016年の訪日中国人観光客の月別外客数推移

訪日中国人観光客が爆買いで脚光を浴び始めた2014年。その前年2013年からの月別の訪日中国人観光客の旅行客数をみてみると、春節にあたる1月・2月の旅行客数はそこまで多くないことがわかります。

旅行客数で見てみると、春節よりも夏休み期間の7月・8月のほうが、月あたりおよそ1.8倍ほどの旅行客数を確保しています。

2017年の春節(旧正月)中の訪日中国人観光客のトレンドは?

それでは、今年2017年の春節の訪日中国人観光客のトレンドはどのようになっているでしょうか?

2017年の中国の春節海外旅行需要は600万人、日本は人気2位

日本をはじめ海外では中国人観光客の購買力に期待が高まるが、中国からの期間中の海外旅行客数は約600万人と、前年並みにとどまる見通しだ。人民元安を背景に海外での買い物のお得感が薄れ、増勢が鈍ったようだ。韓国、台湾など中国との関係が悪化する国・地域は人気が大きく低下している。―日経新聞「中国・春節、海外へ600万人 日本は2番人気

今年の春節の海外旅行需要は600万人見込みで、前年並みに留まるとのこと。うち、日本の人気は2番手で、今まで上位常連だった韓国や台湾などの中国との関係が冷え込んだ国への旅行需要が減退している模様。

関西国際空港の発着便で満席多発 前年の14.7万人を超える訪日客見込み

関西空港では、27日から来月2日までの1週間に、中国や台湾とを結ぶ便が過去最多のおよそ1大阪入国管理局関西空港支局によりますと、関西空港には、去年のこの期間におよそ14万7000人の外国人が訪れたということで、航空各社は去年を上回る利用者を見込んでいます。200便運航される予定で、第2ターミナルに乗り入れているピーチ・アビエーションによりますと、多くの便がほぼ満席だということです。―NHK WEB NEWS「春節 各地で中国などからの観光客でにぎわう

近年中国や台湾のインバウンド窓口となりつつある関西国際空港では、昨年の14.7万人を超える訪日外国人観光客を見込んでいます。春節期間には、過去最高となる1200便予定のほとんどが満席状態とのこと。

進むコト消費、爆買いは化粧品で継続

 体験型の旅行が人気を集める一方、爆買いは低調になっている。その背景には、中国政府が昨年4月、入国する個人の荷物に対する関税を引き上げたことや、機内持ち込み手荷物の制限を厳しくしたことがある。

遠鉄百貨店(浜松市中区)によると、2015年度は中国人観光客の客単価が5万円強だったが、16年度(11月現在)は4万3000円に下がった。それでも化粧品は人気といい、今年の春節時期も、中国語がわかる案内スタッフ2~3人がフル稼働する。―YOMIURI ONLINE「春節休暇の中国人、増える体験型…雪遊びも人気

訪日中国人観光客の旅行スタイルがコト消費に移行しつつあることは何度か解説しました。春節期においても、やはり同様の模様。また、爆買いは、円高の影響を受けにくい化粧品などの小額商品群においては継続しています。

富裕層は春節時期の訪日旅行を敬遠している?

富裕層の一部では「出国取りやめ派」が増えているとのうわさを聞き、冒頭の夫婦に連絡してみたら、案の定だった。

この夫婦は昨秋、今年の最初の旅行先として、まだ行ったことのない鹿児島を選択。ネットなどを見ながら綿密に旅行計画を立てた。その際、春節は会社が休みになるが、「その時期だけは避けよう」と2人の意見が一致したという。結局、1月初旬に来日した。航空券が高くなり、どこも混雑するという以上に、中国人の団体観光客と海外で鉢合わせすることに強い嫌悪感を持っていたからだ。―YOIURI ONLINE「春節に異変 中国富裕層がこの時期の日本は敬遠?

前述で解説したとおり、春節は中国にとって最大の旅行シーズンとなっています。また、訪日旅行が国内でブームになっているとあれば、せっかく日本に来たのに周りを見渡せば中国人だらけ、という状況に対し、中国人自身が辟易としているケースも。また、日本人による接客にも、いわば「春節疲れ」の色が見えるようで、筆者の富裕層中国人の友人へのヒアリングによれば、これらが富裕層の春節期の訪日旅行離れになっている可能性があるとの指摘です。

 

まとめ:トレンドと数値を把握して適切な春節インバウンド対応を

春節(旧正月)は、中国の最大の旅行シーズンであり、インバウンド需要も伸びるシーズンです。2017年の春節は昨年2016年より微増程度の模様です。

そもそも、単純に訪日中国人観光客の旅行者数で比較すれば、夏休みシーズンの7・8月のほうが需要は大きく、春節シーズンは1年間のインバウンドで見れば、そこまで大きな需要がある期間とは言えません。春節の1週間に集中して需要が急増するシーズンと言えるでしょう。

<関連>

<参考>

 

訪日ラボに「いいね」をして
最新情報を受け取る

インバウンド最新情報をお届けします。

これ以上前の記事はありません…