2017年の春節(旧正月)開始!春節の基礎知識と最近のトレンドを解説

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

インバウンド市場において最重要顧客といえる訪日中国人観光客。その中国での2大の旅行シーズンといえば春節旧正月)と国慶節です。この時期はインバウンドビジネスでも注目が集まりますが、今年2017年の春節はどのようになるでしょうか?

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<オススメ記事>
中国インバウンド 今後の動向は?【訪日ラボが徹底予測】

2017年春節(旧正月)はじまる

春節旧正月)は、中華圏での最も重要とされる祝日です。毎年スケジュールが異なり、今年2017年春節は1/28スタートとなります。その前日(除夕)の1/27にはじまり、2/2までの7連休になります。

そもそも春節(旧正月)とは?

春節旧正月)とは、別名の「旧正月」の名の通り、旧暦での正月を指します。旧暦は月の動きを主とし、太陽の動きを参考にした太陰太陽暦で定められた暦です。現在世界で一般的に使われる新暦(グレゴリオ暦)とは月日にずれが生じます。そのため、旧暦での正月を祝う春節は、その開始日に毎年ずれが生じます。

春節の前日を除夕と呼びます。旧正月版大晦日といったところで、特別な食事を食べて新年の準備をします。そのため、例年休日は春節前日からはじまり、そこから1週間の連休となります。

なぜ旧暦の正月を春節として祝うのか?

中国をはじめとした中華圏では1644年に制定された旧暦が広く使われていました。中国で新暦(グレゴリオ暦)が採用されたのは20世紀に入ってからのことで、中国の文化・習慣に旧暦は深く根付いています。中国では誕生日を旧暦で表したり、新暦・旧暦両方で祝ったりするほどです。

そのため、新暦での1月1日を元旦として祝いつつも、旧暦での正月、つまり春節をより盛大に祝うという文化が未だに根強く残っています。

2017年から2020年までの春節(旧正月)のスケジュール

今年2017年の春節は前述の通り1/28スタートで、1/27から7連休となります。その後2020年までのスケジュールは、以下の見込みです。

春節開始日 連休期間
2018年 2/16 2/15〜2/21
2019年 2/5 2/4〜2/10
2020年 1/25 1/24〜1/30

実際には、例年春節前の12月に中国の国務院から正式なスケジュールが発表されるため、そこで日程が確定します。

インバウンドと春節(旧正月)の関係

春節旧正月)では、家族との団欒が重視されるため、元来は帰省シーズンとして機能していました。しかしながら、近年の中国経済の成長、そして海外旅行解禁に伴うブームが発生し、この大型連休に海外旅行に行く中国人が増加します。

そこで2014年ごろから始まった円安、そして訪日ビザ緩和、LCCの増発などをうけ、春節に訪日旅行をする中国人観光客が増加。2014年、2015年の春節での爆買い現象によって、インバウンド業界のみならず春節というキーワードが有名になります。

<関連>

訪日中国人をターゲットにするなら必須知識!日中関係史からみる訪日中国人観光客の激増背景と最近の中国人の日本のイメージ

「日本に来てみたら印象がガラリと変わった。日本は素晴らしい。」といった中国人のコメントをメディアなどで見かける機会が多くなりました。もちろん、インバウンドが盛り上がるなか、その勢いに加勢する形での報道であることもあるでしょうが、やはり訪日中国人観光客数の激増によって「中国国内でイメージされる日本ではなく、自分が見た本当の日本の姿」を目の当たりにしたことが大きいのでしょう。今回は、何故中国人の日本への印象が変わりつつあるのかを、訪日中国人観光客数の推移、そしてその背景にある近年の日中関係から...

実はそこまで訪日中国人観光客が激増するわけではない春節(旧正月)

それでは、ここ数年の春節と訪日中国人観光客の関係をデータをもとにして見てみましょう。

2013年から2016年の訪日中国人観光客の月別外客数推移

2013年から2016年の訪日中国人観光客の月別外客数推移

訪日中国人観光客が爆買いで脚光を浴び始めた2014年。その前年2013年からの月別の訪日中国人観光客の旅行客数をみてみると、春節にあたる1月・2月の旅行客数はそこまで多くないことがわかります。

旅行客数で見てみると、春節よりも夏休み期間の7月・8月のほうが、月あたりおよそ1.8倍ほどの旅行客数を確保しています。

2017年の春節(旧正月)中の訪日中国人観光客のトレンドは?

それでは、今年2017年の春節の訪日中国人観光客のトレンドはどのようになっているでしょうか?

2017年の中国の春節海外旅行需要は600万人、日本は人気2位

日本をはじめ海外では中国人観光客の購買力に期待が高まるが、中国からの期間中の海外旅行客数は約600万人と、前年並みにとどまる見通しだ。人民元安を背景に海外での買い物のお得感が薄れ、増勢が鈍ったようだ。韓国、台湾など中国との関係が悪化する国・地域は人気が大きく低下している。―日経新聞「中国・春節、海外へ600万人 日本は2番人気
今年の春節の海外旅行需要は600万人見込みで、前年並みに留まるとのこと。うち、日本の人気は2番手で、今まで上位常連だった韓国や台湾などの中国との関係が冷え込んだ国への旅行需要が減退している模様。

関西国際空港の発着便で満席多発 前年の14.7万人を超える訪日客見込み

関西空港では、27日から来月2日までの1週間に、中国や台湾とを結ぶ便が過去最多のおよそ1大阪入国管理局関西空港支局によりますと、関西空港には、去年のこの期間におよそ14万7000人の外国人が訪れたということで、航空各社は去年を上回る利用者を見込んでいます。200便運航される予定で、第2ターミナルに乗り入れているピーチ・アビエーションによりますと、多くの便がほぼ満席だということです。―NHK WEB NEWS「春節 各地で中国などからの観光客でにぎわう
近年中国や台湾のインバウンド窓口となりつつある関西国際空港では、昨年の14.7万人を超える訪日外国人観光客を見込んでいます。春節期間には、過去最高となる1200便予定のほとんどが満席状態とのこと。

進むコト消費、爆買いは化粧品で継続

 体験型の旅行が人気を集める一方、爆買いは低調になっている。その背景には、中国政府が昨年4月、入国する個人の荷物に対する関税を引き上げたことや、機内持ち込み手荷物の制限を厳しくしたことがある。

遠鉄百貨店(浜松市中区)によると、2015年度は中国人観光客の客単価が5万円強だったが、16年度(11月現在)は4万3000円に下がった。それでも化粧品は人気といい、今年の春節時期も、中国語がわかる案内スタッフ2~3人がフル稼働する。―YOMIURI ONLINE「春節休暇の中国人、増える体験型…雪遊びも人気
訪日中国人観光客の旅行スタイルがコト消費に移行しつつあることは何度か解説しました。春節期においても、やはり同様の模様。また、爆買いは、円高の影響を受けにくい化粧品などの小額商品群においては継続しています。

コト消費とは? 訪日外国人の消費行動がサービスや体験に移行

目次コト消費とは「コト消費」はいつから使われ始めた?インバウンドでの「コト消費」の使われ方は?なぜ「コト消費」という言葉が注目され始めたのかコト消費とはインバウンドにおける「コト消費」とは、訪日外国人観光客が旅館やホテルなどでの宿泊、観光地やアクティビティーでの体験など、経験・体験に対して価値を見出す消費行動のことをいいます。インバウンド業界のみならず、一般のニュースにおいても、訪日中国人観光客の「爆買い」というキーワードが騒がせていましたが、為替相場が元安円高傾向にふれるにつれ、訪日中国...

訪日外国人観光客とドラッグストア。マツモトキヨシが訪日中国人観光客に人気の理由とは?

最近はその勢いにも少し陰りが出てきたと言われる訪日外国人観光客の爆買い。訪日中国人観光客に四宝と呼ばれる炊飯器、魔法瓶、温水洗浄便座、セラミック包丁と呼ばれていますが、日本製の化粧品、薬なども人気が高く、銀座のメーカー正規店に出かけずとも同じ商品が安く購入出来るとあって、ドラッグストアは訪日外国人観光客には根強い人気スポットとなっています。その中でもマツモトキヨシの人気が高くなっていますが、それはなぜなのでしょうか?インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサ...

富裕層は春節時期の訪日旅行を敬遠している?

富裕層の一部では「出国取りやめ派」が増えているとのうわさを聞き、冒頭の夫婦に連絡してみたら、案の定だった。

この夫婦は昨秋、今年の最初の旅行先として、まだ行ったことのない鹿児島を選択。ネットなどを見ながら綿密に旅行計画を立てた。その際、春節は会社が休みになるが、「その時期だけは避けよう」と2人の意見が一致したという。結局、1月初旬に来日した。航空券が高くなり、どこも混雑するという以上に、中国人の団体観光客と海外で鉢合わせすることに強い嫌悪感を持っていたからだ。―YOIURI ONLINE「春節に異変 中国富裕層がこの時期の日本は敬遠?
前述で解説したとおり、春節は中国にとって最大の旅行シーズンとなっています。また、訪日旅行が国内でブームになっているとあれば、せっかく日本に来たのに周りを見渡せば中国人だらけ、という状況に対し、中国人自身が辟易としているケースも。また、日本人による接客にも、いわば「春節疲れ」の色が見えるようで、筆者の富裕層中国人の友人へのヒアリングによれば、これらが富裕層の春節期の訪日旅行離れになっている可能性があるとの指摘です。

まとめ:トレンドと数値を把握して適切な春節インバウンド対応を

春節旧正月)は、中国の最大の旅行シーズンであり、インバウンド需要も伸びるシーズンです。2017年の春節は昨年2016年より微増程度の模様です。

そもそも、単純に訪日中国人観光客の旅行者数で比較すれば、夏休みシーズンの7・8月のほうが需要は大きく、春節シーズンは1年間のインバウンドで見れば、そこまで大きな需要がある期間とは言えません。春節の1週間に集中して需要が急増するシーズンと言えるでしょう。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<関連>

インバウンド・外国人観光客が多い時期がひと目でわかる「インバウンドカレンダー」:全国籍&アジア(中国、台湾、香港、韓国、タイ)編

インバウンド市場

あの国の訪日外国人が増えるのはいつ?インバウンドカレンダー:欧米(英語圏)編

先日ご紹介したインバウンドカレンダーの全国関集計&アジア編が好評でしたので、後編として欧米(英語圏)のアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアのインバウンドカレンダーをご紹介します。 <東アジア・東南アジア編はこちら> [blogcard url=”https://honichi.com/11599”] インバウンドビジネスにおいて、どの国の訪日外国人観光客がどの月・タイミングで訪日外客数が増減するのか、いわばインバウンドカレンダーを押さえることは、戦略的に重要となります。...

<参考>

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】


【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】


今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」


スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに