訪日客のパーソナルデータを共有・活用し更なる経済活性化を!千葉市でインバウンド向けICT実証始まる【詳細レポート】

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いまや「IT」という言葉は非常に一般的な用語となりました。Information Technology、インターネットなどの通信とコンピュータとを駆使する情報技術は、スマホなどに代表されるように我々の生活の生活だけでなく、インバウンドにおいても非常に重要な基盤となっています。そのような中、「ITをどのように使うか」という観点で捉える「ICT」という考え方が登場してきています。

このICTを活用した取り組みが、千葉市美術館にて実施されています。同美術館で 2017年9月9日から10月22日にかけて開催される『ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信』にて、おもてなしICT協議会は、ICT技術を活用した訪日外国人観光客向けの施設実証を実施しています。今回は、その実証実験について現地にて取材したのでご紹介します。

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おもてなしICT協議会とは

今回ご紹介する実証実験を実施するおもてなしICT協議会とは、総務省の『2020年に向けての社会全体のICT化推進に関する懇談会』 をうけて設立された組織です。

「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功と2020年までに整備され利活用された様々なICTをその後の資産(レガシー)として残すことによって、大会以降の我が国の持続的成長につなげ、2020年に向けた社会全体のICT化を実現するため、その推進方策について検討を行うことを目的とする『2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会』に明示されたアクションプラン」を指針として、本協議会を設立いたしました。
先端的IoTおもてなしサービスを訪日外国人のお客さまの目線や国内利用者の利便性を高める観点で構築し、顧客価値を最大化するためには、多様な商品・サービス・ソリューションを提供している企業の参画が欠かせず、企業の枠を超えた共創モデルを展開して達成していくものとします。参画企業から発信される各種情報を連携し利活用して、新たなる事業創造を行うとともに、訪日外国人が広く国内を移動・消費することによるインバウンド需要の拡大へとつなげていきます。(おもてなしICT協議会 ごあいさつより引用:http://www.omotenashi-ict.jp/

そもそもICTとは?:ITに代わる言葉で『コミュニケーション』を重視する言葉

ICTとは、「Information Communication Technology」の略語で、直訳すると 「情報伝達技術」 を表します。英語で確認すればおわかりの通り、ITの類語となりますが、その違いは 「Communication」という単語が含まれていること、つまり「伝達」に重きを置いたIT技術 と言えます。そのため、簡単に理解するには「IT」の意味と同様である、と考えて良いでしょう。その「IT」という言葉に、「人と人」「人とモノ」の情報伝達、という『ITを何に使うか』を要素を足した言葉、それがICTの意味になります。

例えばコピー機を例にすると、コピー機の登場以前は、文章の複製をしようとしたら、手書きで書き写すしかありませんでした。これが、コピー機という「IT」機器の導入によって、簡単に文章などの複製ができるようになり、業務の効率化につながりました。また、現在ではコンビニの複合機に代表されるように、クラウドを活用して文章ファイルをWEBを通じて送信、コンビニでプリントしたり、そのままFAXとして送信するなど、「コミュニケーション/通信」の要素が加わってきています。これこそが「ICT」となります。

おもてなしICT協議会が目指すもの:ICTを活用したインバウンド向けおもてなしレベルの向上

このおもてなしICT協議会がめざすものとは、インバウンド向けのおもてなしレベルを向上すること です。そのために、ICTを活用することで、

  1. スピーディで安全/安心な移動の実現、特に高齢者や障がいをお持ちの方など誰もがスムーズに移動できる環境の整備
  2. 言語のコミュニケーション弊害が軽減される環境の整備
  3. 施設のエキサイティングな体験(カスタマーエクスペリエンス)の提供
  4. 安全でボーダレスなキャッシュレス社会が実現の実現

などを実施していくことで、訪日外国人観光客に対するおもてなしレベルの向上はもとより、国内での流動性の向上、ひいては経済の活性化、そして生活者や行政、そして社会を巻き込んだ 「広く共存共栄していく共創モデル」の構築 を目的としています。

千葉地区のおもてなし ICT実証実験:おもてなしICカードに登録されたパーソナルデータを徹底活用

それでは、千葉地区で行われているおもてなしICTの実証実験についてご紹介しましょう。今回の 千葉地区での実証実験は9月9日から10月22日の1ヶ月強の期間 で行われます。実証施設は 千葉市美術館および千葉市立強度博物館(千葉城)の2箇所 です。

取り組みの全容図としては上記の通り。今回の実証実験の参加者は、千葉市美術館および千葉市立強度博物館の受付にて、パーソナルデータを登録し、そのデータが記録されたおもてなしICカードを受け取ります。施設内にある各ICT機器に、このおもてなしICカードをかざすことによって、参加者は、様々な体験やスムーズな多言語対応を享受することが出来る ようになります。

それでは、モデルケースとして、千葉市美術館から千葉市立郷土博物館へ、それぞれのおもてなしICT機器を体験しながら移動する様子を見てみましょう。この実証は、総務省「IoTおもてなし環境の社会実装に向けた情報仲介機能の在り方に係わる調査研究」として行われています。

千葉市美術館

今回の実証実験の訪日外国人観光客への集客告知は、インバウンド向け観光情報アプリ「Japan2Go!」 にて情報発信します。千葉美術館をはじめとした日本各地の情報を掲載しており、英語・韓国語・中国語(繁体)・中国語(簡体)・タイ語と日本語の6言語に対応しています。アプリでは道案内機能もそなわっており、これに従い、参加者は千葉市美術館に到着します。

千葉市美術館では1階入り口では4K デジタルサイネージでイベント告知しています。受付にて、実証実験の参加申し込みの後、「おもてなしステーション」を利用し、パスポート情報や言語情報などのパーソナルデータを「おもてなしICカード」に登録 します。参加者は、この 「おもてなしICカード」を館内のICT機器にかざすことで様々な体験を受けることができます。

まず、受け付けで貸与される音声ガイドですが、「おもてなしICカード」をリーダーにかざすことで、登録した母国語に設定された端末を借りることができます。この音声ガイド端末を美術館内に持ち込むとBeacon連動して作品紹介を母国語で解説してくれます。

さて、8階にある美術館受付に行くと、「おもてなしICカード」でスマート入場することができます。また、館内には壁掛け型タブレットや、大画面の4Kプロジェクターによる作品紹介などを鑑賞することができます。これらのICT機器にもリーダーがついており、「おもてなしICカード」をかざすことで、紹介する言語を切り替えることができます。

千葉市立郷土博物館(千葉城)へ

美術館での展示を楽しんだら、次は千葉市立郷土博物館(千葉城)に向かいます。美術館1階受け付けに設置されたインタラクティブサイネージにICカードをかざすと、こちらも言語切り替えられます。ここで、千葉城への行き方などの情報を収集し、QRコードを活用しスマートフォンに情報を読み込むことも可能です。

千葉城の受け付けでも「おもてなしICカード」が活躍します。まず受付時にはカード1つでスマート受付が可能となっています。また、貸与される案内タブレット端末にもICカードをかざすことで、言語切替がされます。このタブレットは、Beacon連動でフロアーを自動認識して画面切り替えするので、参加者はスムーズな体験を受けることが可能になっています。

千葉城では「おもいでQR」というICT機器が設置されています。これは、配信型サイネージにNFC、Kinect カメラを装着したものであり、千葉城などを仮想背景とした記念撮影ができるといったものです。こちらにも「おもてなしICカード」をリーダーにかざすことでパーソナルデータを取得、記念写真内に名前などが自動で印字されるようになります。この記念写真はQRコードでスマートフォンに取り込むことができる他、カードに印刷して記念品として持ち帰ることもができます。

最後に、実証実験の参加に関するアンケートに回答し、実証への参加は終了となります。

おもてなしICT実証実験のキーポイント:情報共有によるおもてなしレベルの向上

上記の流れを見ておわかりの通り、この実証実験でキーとなるのは 「おもてなしICカード」 です。このICカードに登録されたパーソナルデータを各ICT機器が読み込むことにより、名前や言語情報を読み込み、さまざまなサービスを展開しています。

この「おもてなしICカード」作成時には、「おもてなしステーション」にて パスポートの情報 などから登録作業をしました。このことから、「おもてなしICカード」は、確実な情報から作成されるものであり、いわば本人確認書類と同等の信頼性がある と言えます。

このような確実性のある情報であるからこそ、サービス(おもてなし)を提供する側は、安心してICカードに登録する情報を信用し、サービスを提供することができます。 さらには、利用者の他サービスなどの利用データを共有することによって、より精度高くパーソナライズされたおもてなしを提供することが可能 となります。

また、実証参加者、ひいては訪日外国人観光客は、このICカードを一度作れば、さまざまなサービスを享受する際に、いちいち登録作業をしなくてすむ というメリットがあり、日本の自治体や観光事業者、および訪日外国人観光客をつなぎ、双方にメリットのある取り組み だと言えるでしょう。

冒頭でも触れたとおり、今回の千葉地区での実証は 10月22日 まで行われており、日本人の参加も可能です(要パスポート持参)。 また、千葉地区のほか、今後、以下の地区にて同様の実証が行われる予定ですので、インバウンド担当者の方は最新事例の視察として、是非参加されてはいかがでしょうか。

※この記事はおもてなしICT協議会のスポンサード記事です。

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