観光庁の田村長官はこのほど記者会見を行ない、早くも訪日外客数が2000万人を越えたこと、2017年8月の訪日外国人旅行者数や出国税、北朝鮮の脅威や旅館の稼働率 についてコメントを発表しました。その中から観光庁としての見解をいくつか見ていきましょう。
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早くも訪日外客数2000万人達成:昨年よりも45日早い達成。
法務省の特別な協力のもと、日本政府観光局(JNTO)が独自に推計を行ったところ、9月15日に2000万人を超えたことが判明しました 。昨年の2000万人達成日は10月30日であったので、昨年よりも45日早い達成 ということになります。
この達成は、特にここ1、2年のあいだに各省が本腰を入れてインバウンド対策を行った結果だと考えられます。例えば、2、3年前に日本に来て1番困ることの1位は、無料Wi-Fi環境 の問題でしたが、直近の調査では1位ではなくなっており、急速に整備が進んでいると捉えられます。
「訪日客が旅行中に困ったこと」ここ3年でどう変わった?観光庁のアンケート調査をまとめてわかった意外な事実
クールジャパン戦略の甲斐もあってか、
これだけではないものの、各省や各自治体、民間からのインバウンド受け入れ整備の取り組みの成果が数字に表れてきたという格好となっています。一方、訪日外客数が増加したことで、レベルの高い課題も噴出しているため、その対応が必要になってきています。
2017年8月のインバウンド市場について:中国が引き続き好調で20%超の伸び
8月の訪日外国人旅行者数は、8月としては過去最高の247.8万人となり、対前年同月比20.9%増 となりました。市場別では、中国で単月として過去最高を記録 。また、インドネシア、イタリア、ロシア、スペインを除く16の市場で8月として過去最高を記録しました。1-8月の累計は1891.6万人、前年同期比17.8%増ということで、引き続き順調に推移している模様です。
過去最高を叩き出した中国市場では、20%を超える伸び を示していますが、個人旅行の増加、クルーズ船の寄港数の増加、そして韓国や香港は航空便数の増加などが堅調な訪日数の増加に寄与したものと考えられます。
国によっては、その国の休暇のカレンダー上のずれ で影響を受けているところ、あるいは 競合する市場との競争 が激しくなっているところも当然あるものの、全体として引き続き順調であると考えられます。政府として、「明日の日本を支える観光ビジョン」に掲げられた目標を達成するために、あらゆる施策を引き続き講じていくとのことです。
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インバウンド市場において需要がもっとも高まる7月、8月といった夏休み・バカンス期間を過ぎ、そろそろ10月の紅葉需要が喚起される時期となりました。インバウンドビジネスにおいて、どの国の訪日外国人観光客がどの月・タイミングで訪日外客数が増減するのか、いわばインバウンドカレンダーを押さえることは、戦略的に重要となります。今回は、国籍別に月別訪日外客数を、2013年〜2016年まで集計。訪日需要が高まるタイミングと、その背景にある理由や各国の長期休暇時期についてインバウンドカレンダーとしてまとめま...
インバウンドの本当の競合は中国!? 各国の海外旅行先から見る日本の競合国:アジア編
近年の急速な訪日外国人観光客数の増加により、インバウンド市場は史上類を見ないほどに急成長をしています。おそらく、本メディア「訪日ラボ」をご覧になっている方はインバウンドビジネスを既にはじめていたり、または新規事業として検討段階にあったりすると思います。市場参入やビジネスをグロースさせるにあたり、市場分析、なかでも「競合調査」はどのビジネスでも重要視するのではないでしょうか。その競合調査にあたり、国内インバウンドビジネスがどのようなことをやっているのか、だけでなく、「日本」の競合はどこなのか...
インバウンド担当者なら知らなきゃマズイ!観光立国推進基本計画が閣議決定 その改定内容を解説
先日3月28日、日本の「観光立国」の実現に関する基本的な計画 「観光立国推進基本計画」の改定案が閣議決定 されました。「観光立国推進基本計画」とは、 「観光立国推進基本法」にもとづき、インバウンドを含めた日本の観光に関する基本的な方針・目標を定めたもの で、日本のインバウンドに関わる政策や取り組みの方向性を左右する重要なものとなります。インバウンド対策にお困りですか?「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!訪日ラボに相談し...
北朝鮮情勢:いまのところ目立った影響はナシ
北朝鮮の状況がインバウンドに影響を与えないかどうか注視をしているとのことですが、今のところ目立った大きなマイナスの影響を受けているということではない とのことです。逆に、比較的8月の数字は好調であったことからも、その影響はいまのところ見られない模様。
鈍化した訪日外客数の増加ペース:ある程度織り込み済み
昨年同月の訪日客数の伸び率は20%強、その前は40数%という数字であることからインバウンド市場の成長が鈍化したように思われます。しかしながら、観光庁としては「この程度の数字の変化は織り込み済み、当然ということである」とのこと。当然ペースというのは落ち着いてくるものであるという前提で対処 していくとのことです。
出国税:財源の確保のために検討しているが、全体のバランスの問題
出国税については、検討会を立ち上げて有識者による議論が始められたところですが、そもそもの発端としては 「高次元の(インバウンドに対する)施策をやっていくための安定的な財源の確保」 です。そのため、出国税が原因で訪日外客数が減ってしまっては本末転倒となるため、そのバランスが課題となります。観光庁としては、「多元連立方程式を解くよう」に慎重に議論をすすめていく模様。
国交省 「出国税」の導入検討を表明 訪日客は出国時に税負担が…インバウンド業界で賛否両論の出国税のメリット・デメリットを比較してみました
日本政府観光局(JNTO)より7月の訪日外客数が発表されました。これによると、訪日外客数は 前年同月比+16.8%の268万2千人 となるなど好調な数字となっています。平成29年については、1月に前年同月比+24.0%、2月に+7.6%、3月に+9.8%、4月に+23.9%、5月に+21.2%、6月に+18.2%と、毎月前年同月比を上回る形 となっています。訪日外国人観光客は順調に伸び続けており、今後も成長産業として期待されている日本のインバウンド市場 ですが、最近の政府からの発表が賛否両...
ついに日本でも導入の検討開始の「出国税」 予想されるシナリオは?実は諸外国では一般的な一面も
2017年7月19日に行われた田村観光庁長官の記者会見で、国として出国税について検討を行っているという話があり、その後8月16日の記者経験においても「勉強中」と田村観光庁長官は回答していましたが、報道によると9月15日に観光庁は有識者による検討委員会を設け、出国税に関して具体的な議論を始めるとしています。出国税がいよいよ導入されるとなると、航空業界、旅行業界には大きなインパクトとなる可能性があります。政府としての導入の狙い、諸外国の事例などについてみていきましょう。訪日客の地方誘致に重要な...
酒造ツーリズム:酒税免税で体験型観光の有力なコンテンツへ
昨年から観光庁より税制要望を提出している酒税免税ですが、その施行がいよいよ今年10月からはじまります。日本全国様々なところに所在している酒蔵は、その地域に根付いた重要な観光資源です。特に酒は、酒蔵を見るということや酒を味わって頂くということも含めて、極めて体験型の観光の有力なコンテンツ であるため、今回の酒税免税に寄って酒蔵ツーリズムの加速に期待が集まります。
地方活性化の火付け役! 官民連携した取り組みが行なわれている「酒蔵ツーリズム」の魅力とは
近年、盛り上がりを見せている日本酒ブーム。国内では日本酒特集を組んだ女性向け雑誌、ムックなども見られるほか、海外でも「SAKE」として人気を博しています。酒蔵に足を運び、地酒を楽しむ「酒蔵ツーリズム」という観光スタイルも日本酒好きのあいだでは定着しています。平成28年(2016年)11月1日、平成25年(2013年)から観光庁が実施している「酒蔵ツーリズム推進協議会」が、新たに発足。観光庁のみならず、国税庁、経済産業省、内閣府、農林水産省、地方自治体、日本酒造組合中央会、日本観光振興協会、...
意外と旅館の人気ナシ?:旅館の稼働率の低さは今後の課題
旅館の稼働率の低さは、数年前から最も大きな課題 の一つとなっています。観光庁は、多言語表示や、トイレの洋式化などのインバウンド受け入れ整備に対して補助金を出しています。
ホテルタイプの宿泊施設は、軒並み順調に稼働率が上がっているものの、旅館の稼働率は、全国平均で見ると30%台となっています。これにたいしては、ビジネスモデルの変革が必要になるとのこと。例えば、もっと部屋売りの料金を選択肢として増やす、一人一泊二食だけというだけではなくて食事は街で選べるようにする、などが考えられます。
成功例として認知される 城崎温泉 のように、一つの旅館の課題として抱え込むのではなくて、地域全体で、または旅館同士が協業していくビジネスモデルを後押ししていく必要があり、そのような事業も観光庁の来年度予算に盛り込まれているとのこと。
まとめ:出国税に関しては未だ検討段階、旅館の稼働率の低さは今後の課題
今回の観光庁長官の記者会見からは、大きな注目を集めている出国税に関しては、現在もまだ検討段階である事が伺え、課題感を持っているとする旅館の稼働率の低さに関しては、今後補助金以外の様々な方法でテコ入れをして行くことが必要とのこと。こうした観光庁の動向に関しては、引き続き注目が必要でしょう。
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<参考>
- 田村長官会見要旨
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