【民泊運営の闇】月間3500件の民泊物件が停止する理由

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ここ数年の間で民泊ホストが、民泊から撤退事例が、にわかに目立ち始めました。なぜ民泊からの撤退事例が増えているのでしょうか。

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民泊の撤退市場

下記は「airLabo」に掲載されているAirbnbのリスティング停止数の推移です。この半年間の推移をみて分かるのは 毎月平均で3500物件のリスティングが停止している ことです。2017年9月現在の段階で日本全体のリスティング数はおよそ52,000件ですから、このリスティングの停止数は日本全体のリスティング数のおよそ 6% にあたります。

出典:http://airlabo.jp/

民泊から撤退する理由

民泊から撤退する理由その①:民泊の合法性

民泊を撤退する理由の1つが、民泊の「合法性」です。 現在、日本国内で民泊ビジネスを合法的に展開するためには、基本的には次の3つの枠組みの中で事業を行わなければなりません。

  • 旅館業法:旅館業法における営業許可
  • 特区民泊:国家戦略特区に指定された地区において特区条例に基づいて認定を受ける
  • イベント民泊:地方自治体などがイベントなどの催しに合わせて期間限定で実施するもの

しかし、旅館業法における簡易宿所の営業許可はハードルが高く、特区民泊は大阪市や東京都大田区などでしか認められておらず、イベント民泊も地区・期間限定であるため、これらの営業許可または認定の取得はあまり進んでいないのが現状です。そのため、これらの営業許可または認定の取得ができないことが、撤退を考えるきっかけになります。

民泊から撤退する理由その②:売り上げ

民泊を徹底するもう2つめの理由は、民泊部屋の予約が少なくなったこと です。ここ数年で民泊ビジネスの注目は高まり、競合となるホストが右肩上がりに増えています。それまでは競合相手が少なかった民泊ビジネスですが、現在では地区によっては既に多くの競争相手がおり、自分の民泊施設にうまくゲストを取り込めていないというホストも増え始めています。

外国人観光客の宿泊者数の増加によって、Airbnb民泊物件の掲載数の伸びの方が大きいため、民泊ビジネスは徐々にレッドオーシャン(競争の激しい既存市場)化してきている わけです。これらの理由によって撤退を考える方も多くいます。

民泊から撤退する理由その③:マンションの管理組合の規定

民泊を撤退する最後の理由は、民泊部屋があるアパートやマンションの管理組合の規定 などです。

アパートやマンション内で民泊を運営する中で、騒音やセキュリティの問題でアパートやマンションの住民から苦情の声が管理組合に対して増加しているのが現状です。そのためアパートやマンションの管理組合は、住民が参加する管理組合の総会などで 民泊やシェアハウスの禁止に関する規則」を新たに制定するなどして対策を講じる事例 も増えています。結果として、アパートやマンションで民泊部屋を提供してきたホストは民泊から撤退することになります。

撤退が決まった時

民泊を運営するに当たって、部屋の内装を作り込むのが基本です。写真映えする素敵なインテリアの部屋は予約率の向上にもつながりますし、ゲストの滞在中の満足度向上にもつながります。

そこで作り込んだ部屋の内装を全て撤去する作業が出てきますが、最近では民泊仲間間での売買が行われたり、民泊撤退を専門に扱う業者も現れています。自分でどうしようもない場合は高額な料金を払って廃品回収業者にお願いする事もあります。

部屋の契約の解除

賃貸物件で部屋を契約している場合は賃貸契約の解除を行う必要があります。契約が満了した後の契約の解除は特に問題はないですが、中途解約の場合は違約金が発生する場合があります。部屋の契約期間を確認し、撤退のタイミングを決定する必要があります。

撤退以外の手段は存在するか

2017年6月に民泊のルールを定めた 民泊新法 が参院本会議で可決、成立しました。これにより、 民泊ホストは都道府県に届出をすることで年間180日を上限として合法的に民泊運用をすることが可能になりました。 新法は来春にも施行される見込みです。

この新法により、今まで365日民泊で運用していた部屋が 最大で稼働率が50%となる 計算になり、撤退する民泊物件が続出すると考えられます。そこで民泊新法対策として民泊と短期賃貸を組み合わせる 二毛作民泊 の運用形態が業界を賑わせています。

マンスリー運用

自物件または転貸が可能な物件の場合は、合法的に短期(マンスリー)賃貸での貸し出しを検討することもできるでしょう。民泊程利益が見込める可能性は低いですが、定期的な収益は確保できるでしょう。

適切な代行会社の見直しor代行会社への依頼

立地条件が非常に良いのに、内装や運用方法の問題で非常に惜しい運用を行なっている場合があります。民泊の運用の改善により収益が見込まれる場合、物件にとって最も適切な運用代行会社を選定することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?民泊を取り巻く環境は年々変化しています。民泊運営には民泊の法整備や運用方法を注視していくことが重要になってくるでしょう。

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この記事の筆者

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Matsuri ​technologies株式会社代表吉田と広報企画担当河田2名にて執筆中。法人利用数No.1の民泊物件管理ツール「m2m ​Systems」,民泊メッセージ代行サービス「m2m ​Basic」,「民泊+短期賃貸」の組み合わせで貸し出しを行う集客支援ツール 「nimomin」などを自社サービスとして運営しており民泊運営から得たノウハウを中心に情報発信していきます。

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