こんにちは、トレンドExpressです。月初には中国の大型連休「国慶節」がありましたが、同期間におけるWeChatを利用した地域別支払い金額では、東アジアが東南アジアに次いで2位となったようです。政治的な逆風のため韓国人気が伸び悩む中、日本が健闘した形ではないでしょうか。
さて今回お届けするのは、海外消費も盛り上がった「国慶節」期間を含む、9月27日〜10月3日の1週間を対象に、中国のSNS「新浪微博」での日本旅行に関するクチコミランキングです。
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日本で「買った」トップ10
1位「山崎」、2位「白い恋人」、3位「moony」となりました。
日本政府は10月1日より インバウンド旅行客に対する酒税の免税を予定しており、中国のニュースサイトでも話題 となっていました。これを受けてか サントリーのウイスキー「山崎」がランキング登場以来、初の1位 を獲得しました。
2位の「白い恋人」はお土産として持ち帰るのでしょうか。3位となった「moony」はこの2週間で連続1位を獲得するなど、国慶節前から順位変動が起こり、季節要因や訪日中国人の情報収集、購買傾向に変化が起きていることを感じさせる結果となりました。
6位「ガム・デンタルブラシ」は今年の春節以降ランキング順位を上げ、最高2位にまで上り詰めています。「食べ物」「医薬品」「粉ミルク」など、これまでも口に入る製品の海外ものが人気となるのは定番でした。「衣・食」の水準が安定し、「健康」に目線が移っていくこのタイミングで、口腔ケアはまさに中国人消費者のニーズが高まるのではないでしょうか。
ウイスキーは「国産」がない!
今年も早残り約2か月。寒い年末年始、自宅でのんびり一年を振り返る際、また新年のお祝いの場面でお酒を飲む方も多いのではないでしょうか。中国では春節期間に新年のお祝いをしますが、伝統的に 「白酒」 が贈り物や祝いの席での飲み物に選ばれています。一方で、今年は中国の酒専門ECにとって試練の期間となったようです。各メーカーの白酒の値上げ が相次ぎ、ECサイトでの売上は拡大したもののその戦略がうまくいかず上場廃止に追い込まれた酒専門のECサイトもあったと、現地では報じられています。
強風が吹き荒れるかのような、波乱含みの中国の酒類市場、山崎はこれを勝機とできるのでしょうか。SNS新浪微博での話題性を測る「微指数」から確認してみると、「ウイスキー」はこの半年では8月末、9月下旬に盛り上がりを見せています。 それ以外では話題性は低いですが、この二度の盛り上がりでは「白酒」に勝るとも劣らない指数を計上しています。ポテンシャルは十分なのではないでしょうか。
「シングルモルト」にこだわる
「ウイスキー山崎」についてのクチコミを見てみると「落ち込んだ時はウイスキーを二杯。一杯の山崎、一杯のシングルモルト(編集部注、シングルモルトが山崎を指すのか別のブランドのものを指すのかは不明)」、「山崎は中国人の口に合う」といったコメントがあり、通常の山崎だけでなく12年、18年、25年、また蒸留所限定の商品の写真がアップされていました。「中国にも世界的に有名なウイスキーがあればいいのに」とその品質を羨望するかのような投稿も見られ、ワインとは異なり 「国産ではまだ味わえないジャンル」の酒と認識されている ことがわかります。
また「響」は昨年2016年の春節の際に一度ランキングに現れましたが、その後クチコミは減ってしまったようでランキング圏外となっています。シングルモルトである「山崎」のほうが、白酒を飲みなれている中国人の口には合う、ということなのかもしれません。実際に山崎について書き込む際「シングルモルトの…」という単語と一緒に紹介しているユーザーもちらほら見かけます。酒類への知識欲も同時に満たせるアイテムなのかもしれませんね!
実は女性にも人気? おつまみは自由に
ウイスキーといえば「一人で」あるいは複数でもバーなどで「静かに」飲むものをイメージする方も多いのではないでしょうか。中国では実際には誰がどんな飲み方をしているのか、確認してみました。
医大を出ている女性は「金曜。早起きして、ジム、そして山崎、最愛の火辣鶏爪」とコメントを付けて、ピンク色のジュースで割って飲んでいます。またワンホンと思しき女性は、白で統一した服装を着た仲間と「今日は鶏肉、ザクロ、ミルクレープと山崎!入れ物は白磁の茶器」とパーティシーンに山崎を添えています。「濃くておいしい!残りは苺ウイスキーにしよう!」と瓶に入れた苺を山崎にひたすのもまた女性です。中国人消費者は思い思いの形でウイスキーを楽しんでいることがわかります。
生活の楽しみは年中無休。自由な楽しみ方を背景に、年末年始に限らずインバウンド旅行客にこれからもウイスキー人気は広まっていきそうです。
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】
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