国内での月間アクティブユーザー数が2,000万人を超えたInstagram(インスタグラム)ですが、しっかり訪日外国人向けの活用方法を理解しているでしょうか?安倍首相は地方活性化について「地方活性化はインスタ映えが鍵」と発言し、地方活性化のためのインバウンド誘致にあたり、Instagram(インスタグラム)の積極的活用が求められているという見解を明らかにしました。
安倍首相 インスタ開始し「地方創生の鍵はインスタ映えにあり!」と発言…その裏隠された意外な事実とは?
安倍首相がInstagramを開始したとのニュースが世間をにぎわせています。「2018年いよいよInstagram始めます。#安倍晋三 #初投稿 #初心者 #instagram」と自らの写真とともにInstagramに投稿した安倍総理。同投稿は2017年12月21日時点で約32,000件のいいねを獲得しており、アカウント自体のフォロワー数もすでに約78万人と影響力の大きさを伺うことができます。そんな安倍首相ですが、Instagramに関して興味深い発言 をしています。Googleマップによ...
しかし、テレビや雑誌などで語られる「インスタ映え」という言葉と、インバウンド目線で外国人向けにアピールをするためのInstagram(インスタグラム)の運用は似て非なるもの。訪日外国人を呼び込むためのInstagram(インスタグラム)運用とはどういったものなのでしょうか?
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- Instagram(インスタグラム)を運用する上で知っておくべきこと:ユーザーのメインは女性、運用は英語中心で
- 写真の解説は英語でしないと意味がない
- 35歳以下の女性ユーザーが好きなものを意識した写真構成を
- Instagram(インスタグラム)上で最もフォロワーが多い旅行インフルエンサーから学ぶ 効果的な運用法とは?
- Instagram(インスタグラム)上で最もフォロワーが多いフードインフルエンサーから学ぶ 効果的な運用法とは?
- Instagram(インスタグラム)上の人気アカウントから言える【4つのルール】
- まとめ:Instagram(インスタグラム)の運用を自前でするにしろ外注するにしろ、ルールをきちんと知ろう
目次
Instagram(インスタグラム)を運用する上で知っておくべきこと:ユーザーのメインは女性、運用は英語中心で
Instagram(インスタグラム)をインバウンド集客に使う中で意識したいのは、そのユーザーの大半は外国にいる外国人であるという、考えてみればごく当たり前のことと、性別としては女性ユーザーが圧倒的に多いということです。
中でも意識すべきは「35歳以下の女性ユーザー」です。そのためInstagram(インスタグラム)をインバウンドに活用する際には、「投稿写真の解説などは基本的に英語を使用する」「女性が好きなものを中心に写真を構成する」ことを意識する必要があります。この2つについて解説しましょう。
写真の解説は英語でしないと意味がない
日本の地方自治体や企業がInstagram(インスタグラム)をインバウンドに活用しようと思うと、まずは日本語で運用しようと考えるのが普通です。しかし、日本語で運用する前に今一度考える必要があるのが、「一体何のためにInstagram(インスタグラム)を運用しようとしているのか?」ということです。
「日本人観光客を集客する為に目新しいツールとしてInstagram(インスタグラム)を活用する」ということが目的であれば日本語運用でもいいのですが、その月間アクティブユーザー数が世界で8億人を超えているInstagram(インスタグラム)を日本人の集客のために使うのは、はっきりいって勿体ないと言えます。僅か2,000万人の日本人ユーザーにアピールするよりも、全世界の8億人に共通言語として使われる英語でアピールするほうが、遥かに効果的です。
35歳以下の女性ユーザーが好きなものを意識した写真構成を
Instagram(インスタグラム)のメインユーザーは全世界的に見ても「35歳以下の女性」です。例えば、Instagram(インスタグラム)上で、最も多くのフォロワーがいるアカウントを見ると、その傾向から若い女性ユーザーが圧倒的に多いことがわかります。
以下のグラフは2017年10月時点で世界規模で最もフォロワー数の多いアカウントをまとめたものですが、トップに来ているのはアメリカのティーンに絶大な人気を誇る女優、歌手、モデルのセレーナ・ゴメス。2番目は「現代のマライア・キャリー」との呼び声も高い人気女性歌手のアリアナ・グランデ。3番目はサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドですが、4番目は女性に高い人気を誇るR&Bアーティストであるビヨンセ、そして5番目は若い女性に人気の歌手であるテイラー・スウィフト、その次にはモデルのキム・カーダシアン、カイリー・ジェンナーなどが続きます。
こうしたトップモデル、女性歌手などに憧れを持つ若い女性を惹きつける写真の傾向としては 「綺麗な自然風景」「綺麗なリゾート・旅行写真」「憧れの女性のライフスタイル」「美味しそうな料理、デザート」「ファッション」「健康・フィットネス・ヨガ」「動物」「こども」 などの写真です。そのため、Instagram(インスタグラム)アカウントの運用担当者を地方自治体でつける場合を想定すると、「35歳以下の女性の感性をもった担当者」ではないと感覚的な部分で難しい とも言えるでしょう。
Instagram(インスタグラム)上で最もフォロワーが多い旅行インフルエンサーから学ぶ 効果的な運用法とは?
Instagram(インスタグラム)上においても、その他のSNSと同様にKOL(キーオピニオンリーダー)、インフルエンサーといったアカウントが存在します。以下のグラフは2017年11月時点で、Instagram(インスタグラム)上で最もフォロワー数が多い 旅行インフルエンサー のアカウントです。女性ユーザーが多いInstagram(インスタグラム)の中で、どのような旅行インフルエンサーが人気なのでしょうか。
最もフォロワー数が多いアカウントであるmuradosmannは、美しい風景の中、女性が写真を撮っている男性の手を引く写真構成で有名です。幻想的な風景、あっと息を飲むような美しい風景の写真もまた特徴的です。この特徴的な写真構成は一度見たら忘れることがないため、多くの女性ユーザーに「自分もこんな写真を撮ってみたい」と思わせるのでしょう。
2番目にフォロワー数が多いchrisburkardは、雄大な自然をテーマにした写真が多く、写真を見ているだけで、「こんな場所に行ってみたい」と思わせます。
3番目にフォロワー数が多いdoyoutravelは、パートナーの女性と共に世界重を旅してその風景とカップル写真を投稿するスタイルですが、どれも美しいリゾート地、観光地でのロマンチックなシチュエーションの写真ばかり。多くの女性ユーザーが憧れる旅のスタイルと言えるでしょう。
Instagram(インスタグラム)上で最もフォロワーが多いフードインフルエンサーから学ぶ 効果的な運用法とは?
同様に、女性が大好きなテーマである 「食」 についても、Instagram(インスタグラム)上で2017年11月時点で最もフォロワー数が多いフードインフルエンサーについても見ていきます。
最もフォロワー数が多いアカウントであるjamieoliverは、イギリスでは「裸のシェフ」として知られる人気シェフのジェイミー・オリヴァー。TV番組などメディアの出演も多いこともありますが、彼の作る色彩豊かな料理が人気を呼んでいます。
2番目にフォロワー数が多いgordongramはゴードン・ラムゼイというスコットランド出身の3つ星シェフ。彼はロンドンに3つのレストランでミシュランスターを合計で7つ保有しているほどの人気シェフです。
Yolanda Gamppは、Youtube上でもHow To Cake It という340万人のフォロワーを誇る人気ユーチューバーで、主にスイーツのレシピを紹介しています。自身でもTV番組を持っています。上位2名のシェフとは毛色が少し違いますが、Youtube上の人気もあって、多くのフォロワーを誇ります。
Instagram(インスタグラム)上の人気アカウントから言える【4つのルール】
ルールその①:綺麗な写真を使う
これらの人気アカウントを見る中で、その傾向としてまず言えるのは 「綺麗な写真しかない」というごくごく当たり前のこと です。多くのフォロワーを誇るアカウントの写真は、殆どが一眼レフカメラなどでしっかりと撮影され、より写真をドラマチックに見せるための画像加工も加えられています。 料理の写真1つとっても、構図、光の当たり方、影の具合、背景のぼかし方など、色々と考えられていることが伺えますし、風景写真に至っては、まずは美しい風景であることが前提のなか、いかにドラマチックな構図でその魅力をさらにアピール出来るか? といった工夫が不可欠です。
当たり前のことですが、料理の写真であれば光の当たり方など含めて、いかに「美味しそう」に見せるか?、風景写真であれば、構図やシチュエーションをイメージさせて、いかに「自分もこんな旅行がしたい」と思わせるか がポイントとなります。中でも対外的に自分の顔などを写真に入れたがらないことが多い日本人が意識すべきは、写真の中に人物を入れ、写真を見ている人にも、「自分が旅行をする事をイメージさせる」という事 でしょう。
ルールその②:アカウントとしての見た目を意識する
「Instagram(インスタグラム)をやったほうがいいから」というだけのInstagram(インスタグラム)を使うのではダメで、アカウントの説明文を英語でわかりやすく書き、各写真がアカウント上で並んだ際の整合性も意識 して写真を撮影して、投稿する必要があります。手軽だからとスマートフォンで手近なものを撮影してどんどん投稿するのでは、はっきり言ってフォロワー数は増えないでしょう。
ルールその③:写真の解説は英語でする
Instagram(インスタグラム)を行う上で狙うべきは35歳以下の外国人の女性ユーザーということが言えるわけですので、写真解説は英語で行わないと意味がありません。 日本の観光地のアカウントにおいても、写真は比較的綺麗ながら、解説が日本語のみのため、外国のユーザーには何のことかさっぱりわからないであろうアカウントは多数見受けられます。
むしろ割り切って、Instagram(インスタグラム)は外国人ユーザーの集客のために英語のみで運用するとしてしまっても良いかもしれません。当然英語で運用するとなると、英語で写真に対するコメント、質問などが寄せられ、それを元に実際の観光に繋がるパターンがありますので、運用担当者にある程度の英語スキルは求められます。
ルールその④:ハッシュタグを有効活用する
ハッシュタグ とは「#」のあとに何らかのワードをいれることで、Instagram(インスタグラム)上で、そのタグを含む投稿を一覧で表示出来る機能です。TwitterやFacebookなどのSNS上で使用出来る機能の1つで、これを活用することでユーザーは1つのテーマにそった情報を収集することができます。企業などがプロモーションの一環としてユニークなハッシュタグを活用する例も見られます。
また、プロモーション手法として見られるのは 「このハッシュタグを入れて、Instagram(インスタグラム)に投稿してね」といった呼びかけをコメントの中、もしくは現地で呼びかける ことです。Instagram(インスタグラム)上でそのハッシュタグを見かけた人が、新たにその地を訪れたいと思うなどの副次的な効果があります。例えば「#niagarafalls」というハッシュタグで、ナイアガラの滝を訪れた人達が投稿した写真を見ることが出来ます。
注意すべきは このハッシュタグはユーザーにとってわかりやすいものである必要があり、ユーザーの傾向としては、ハッシュタグを入力する際は、#の後に対象の名前をそのまま直接入力していき、予測候補として出て来る≒多くの人が投稿しているハッシュタグを選択する傾向がある ということです。
例えばナイアガラの滝を訪れた観光客がハッシュタグを使用する際は、上掲の画像のように、検索バーに #niagara とまず入力することが想定されます。そうすると、既にInstagram(インスタグラム)上に存在するハッシュタグの中から候補が表示されます。
この候補を見ると、#niagarafallsというハッシュタグが最も多いのが一目瞭然 です。こうした観点から考えていくと、「日本語のハッシュタグを使用するのは、外国人観光客向けには全く意味がない」ことがわかります。また、日本語をそのままローマ字読みでハッシュタグにするのでも意味がなく、外国人から該当の観光地なり名所が、なんという名称で親しまれているか?を理解した上でハッシュタグを設定する必要があるでしょう。
まとめ:Instagram(インスタグラム)の運用を自前でするにしろ外注するにしろ、ルールをきちんと知ろう
国内での利用者が2,000万人を超えたことが話題になるInstagram(インスタグラム)ではありますが、インバウンドでInstagram(インスタグラム)を利用する際に重要になってくるのは、アピールすべきは日本の2,000万人のユーザーではなく、世界の8億人を超えるユーザーだ ということです。
Instagram(インスタグラム)の活用方法について解説したもの、そうしたサービスを得意としているサービス企業もありますが、大前提として日本人のInstagram(インスタグラム)ユーザー向けの対策方法を語っているサービス事業者を選んでも意味がありません。インバウンドであくまで訪日外国人に魅力を伝えるのであれば、2,000万人の日本人ユーザーを惹きつける対策をしても、世界の8億人のユーザーには届きません。
つまり、写真の解説は英語で行う必要がありますし、そもそもどのような内容を投稿するかの選定基準も「外国人にウケルには?」といった視点での発想が必要 です。そのため、Instagram(インスタグラム)の運用を外注する際は、こうした知見を豊富に持っている、こうした事例が豊富にあるサービス事業者を選定しましょう。
安倍首相も「地方活性化はインスタ映えが鍵」と述べていることから、今まで敬遠していたけどやってみようと思い立った自治体も多いかと思いますが、残酷な言い方をすると、こうしたSNSは「やれば結果が出る」「予算をかければ結果が出る」ものではありません。ターゲットとなるユーザー層をしっかりとイメージし、そのユーザー層に響く運用を、継続して始めて、じわじわと効果が出てくるものです。担当者が適当に選んだ写真の投稿、適当な日本語のハッシュタグを利用した運用では、運用の手間がかかるだけで訪日外国人の集客には結びつきにくいことをしっかりと理解する必要があります。
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