東海道新幹線 ついに訪日外国人向けの無料Wi-Fiの拡充に着手:ゴールデンルートを走る重要路線のインバウンド受け入れ整備が遅れたワケとは?

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訪日外国人が日本を訪れて乗ってみたいと思っている乗り物の筆頭にあがるのが 新幹線 です。移動時間の少なさもさることながら、その静粛性と清潔さ、時間の正確さなどは他国の鉄道と比較して賞賛される傾向にあります。一方その運賃の高さは不評で、さらには社内でWi-Fiが実質的に使えないことが不満として指摘されることが少なくありません。そこで今回JR東海がJR東日本、JR西日本に続いて訪日外国人向けの無料Wi-Fiの拡充を発表しました。このニュースをもとに、インバウンド受け入れ体制とWi-Fiの関係を見ていきましょう。

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チケット予約などはしやすくなっているが、無料Wi-Fiの整備は遅れていた

平成29年9月30日から、東海道、山陽新幹線ではチケットを事前にオンラインで予約し、チケットレスで乗車できる「スマートEX」を発表しました。これはクレジットカードを事前に登録、同時に登録した交通系ICカードでチケットレス乗車できるというものです。この訪日外国人向けのサービス「Tokaido Sanyo Shinkansen Internet Reservation Service」も一ヶ月遅れとなる10月30日から開始され、海外からオンラインで予約、来日時にクレジットカードを使って券売機でチケットを受け取り、または交通系ICカードを登録してチケットレス乗車が出来るという形となりました。

しかしこうしたチケットに関する利便性が高まるなか、新幹線の無料Wi-Fiについては長年訪日外国人から「使いにくい」と言う声があがっていたのです。

既存の新幹線のWi-Fiの仕組みは、事前情報なしには利用不可能に近い

JR東海は2009年に新幹線にWi-Fiを導入していますが、その仕組みは非常に煩雑です。Wi-Fiが使用できるのはN700A・N700系のみで、無料Wi-Fiを使用するには、事前に公衆無線LAN事業者との契約が必要 です。

この無料Wi-Fiを使用するには、事前にNTTドコモ、ソフトバンクテレコム、UQコミュニケーションズ、NTT東日本、NTT西日本といった無線LAN事業者のサービス登録をし、IDとパスワードの設定が必要で、その後アクセスポイントにアクセスし、ログインして初めて利用が出来る というものです。利用可能区間は東海道新幹線区間(東京~新大阪)となっています。

しかし、こうした登録の手間、ログインの手間、言語面の問題もあり、訪日外国人が事前の情報なしにこうしたサービスを利用するのは非常に困難となっています。

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クールジャパン戦略の甲斐もあってか、

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2017年11月7日にJR東日本と西日本が訪日外国人向けの無料Wi-Fiの整備を公表

こうした流れの中、昨年11月7日に、JR東日本とJR西日本が相次いで訪日外国人向けの無料Wi-Fiの整備を発表。2018年夏ごろから東北新幹線 E5 系、上越新幹線 E7 系、北陸新幹線 E7 系、秋田新幹線 E6 系において、順次無線Wi-Fiが使用可能な設備を取り付けた車両の運行を開始する と発表しました。

利用には従来のJR東海の無料Wi-Fiのように、事前のキャリアとの契約は不要。メールアドレス等を登録するだけで無用でサービスの利用が可能です。なお、サービスは携帯電話の電波を利用したものとなるため、トンネル内、山間部での利用が出来ない場合もあるとのこと。なお、詳細な利用方法はサービス開始時にあらためて公表するとしています。

JR東海もこうした動きに追随し、1月25日に同様の内容を発表

いち早く新幹線に無料Wi-Fiを導入したものの、「利用しづらい」という声が大きかったJR東海の無料Wi-Fiサービスですが、JR東日本とJR西日本の動きを見てこの動きに追随、

N700Aタイプの全車両 (今後投入予定分も含めて131編成2096両)で、2018年夏から順次サービスを開始、2019年冬に全車両で整備完了とする予定です。なお、既存の事前にキャリア契約が必要なものとは異なり、JR東日本やJR西日本と同様に、事前契約不要のタイプとなるようです。

また、JR東海はこれに合わせて特急「ひだ」車内、キハ85系全80両に関しても2018年夏から順次無料Wi-Fiサービスを拡充、2018年度末に全車両で整備を完了する予定です。また、東海道新幹線全駅及び一部の在来線駅においても、新幹線17駅の改札口やコンコース待合室付近に設置するアクセスポイント 周辺 で「JR-Central FREE Wi-Fi」の提供駅を現在の6駅から全17駅へ拡大する計画です。

採算性と訪日外国人の利便性のバランス感覚が難しい

日経新聞の調査によると東海道新幹線の乗客のうち、外国人比率は「のぞみ」で3%、「ひかり」で12%、「こだま」で3%ほど で、多くの訪日外国人が「ひかり」「こだま」に乗車可能な 「Japan Rail Pass(ジャパンレースパス)」を使うことから、直接的には利益には貢献せず、こうした背景もあって利益にあまり貢献しない訪日外国人向けの投資を行う判断が遅れたという背景もあったようです。

しかし、東海道新幹線は東京、名古屋、京都、大阪などを結ぶ観光のゴールデンルートの大動脈。こうした路線において訪日外国人向けの利便性の向上は大きな効果を生むと予想できます。経営判断もあって難しいところですが、今回のJR各社の動きは2020年を見据えた大英断と言えるでしょう。

また、主要駅のインバウンド対策、主要駅からの2次交通の充実などによって、地方創生につなげていくことなども期待されます。

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孫氏「訪日客向け無料Wi

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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