こんにちは、Cross C(クロスシー)編集部です。
当社では中国向けインバウンド市場のマーケティング施策を提供しています。前回の第1回では「中国人の情報収集スタイル」について紹介しました。
中華圏向けマーケティング 2018年はトライアンドエラーから一歩先へ!
初めまして、Cross C(クロスシー)編集部です。当社では中国人の習慣や常識に精通したメンバーにより、中華圏向けの主にオンラインでのマーケティング施策を日本企業や自治体へ提供しています。2017年も中華圏からの旅行客数含め、インバウンド市場が非常に盛り上がった1年となりました。そして訪日旅客数で圧倒的な伸びを見せたのが中国人観光客です。日本政府が掲げる「2020年までの訪日外客数4,000万人達成」の目標のもと、昨年は中国からの訪日外客数は同月としての過去最高を記録しつづけ、8月には単月...
本日はこのうち「ライブ中継」という情報発信・共有のプラットフォームについて、当社で携わった実例を挙げながらさらに詳しく見ていきましょう。
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そもそもライブ中継って? 動画「共有」との違い ~配信時も配信後も、効果は二度発揮される!~
今更ですが、ライブ中継とは、インターネット上のプラットフォームに開設した自分のアカウントで「生中継」を行うことです。日本でも「ツイキャス」や「ニコニコ動画」、「YouTubeライブ」等といったサービスが展開されています。
その名のとおり「ライブ中継」は「録画ではなく、その時の様子を中継する」ものです。他方、「YouTube」に代表される動画共有サービスのプラットフォーム上には、公開の時点から言えば「過去」に収録されたものがアップされます。動画共有サービスにアップロードされた「生中継」もあり、過去にライブ中継のプラットフォームで配信された「生放送」を視聴できます。
編集されずそのままが放映されるライブ中継には当然ながら 「臨場感」があり、観る人を惹きつけます。それだけでなく、後日視聴しても色褪せない情報価値がある という二つの特徴があるのです。
2017年、ライブ中継を用いた施策でわかってきたこと
ライブ中継は「臨場感」がウリ。もちろん台本に沿って進行する番組もありますが、実際、撮り直しや編集はできません。「これってよく見せるための演出が入っているんじゃ?」とやらせを気にする中国人にとって 「修正一切不可」のリアルを見せてくれるライブ は魅力的に映っている面もあるようです。
さて実例を紹介していきましょう。
昨年の夏に行った銀座の商業施設のライブ中継施策では、銀座の歩行者天国での出演者3名の自己紹介から始まります。冒頭3分で「現地のものを購入してくれるの?」「パナソニックのカーラーが見たい」「コロロ(注:中国で人気のUHA味覚糖のお菓子)」「洗顔フォーム代わりに買ってくれない?」とコメントが続々入ります。まだ何も紹介しないうちから「日本でほしいもの」がリストアップされるほど日本ファンの熱量は大きいことがわかります。
ライブ中継施策の実際 ~注目を途切れさせない工夫が随所に、実際の集客まで実現
商業施設の中ではアパレルの店舗にも立ち寄ります。出演者である当社の社員がコメント欄の「日本語聞かせて」「さっきの可愛かったもう一回写して」に応じます。
複数名でガイド役を勤めていることもあり、一人が試着中でも 画面の中で視聴者との会話がとぎれない ため、視聴者が飽きません。夢中になっているうちに銀座や施設について多くの情報を集められるような構成になっています。
その後は雑貨、コスメ、飲食店、店舗の外の道での打ち水イベントと3時間で様々なお店をめぐります。商品のコンセプトや使い方を映像と一緒に紹介できるため、画像だけのSNSでの情報拡散よりも訴求力が高くなります。
最後はカニの食べ放題のお店へ入店し、店員とのやり取りをはさみつつコースの内容、食べ放題の料理の豊富さやカニの食べ方、おすすめのお酒、また内装のこだわりに至るまで丁寧に解説します。
このライブ中継で出演者が紹介した飲食店には、なんと放映の一時間後から「彼女たちのライブ中継を見て来た」という中国人が来店しました。そして翌日からは中国人旅行客の行列の絶えない人気店となったのです。
同施策の成功にはカニや多様な料理といったビジュアルのインパクト、アカウントの拡散力に加え、「もし不満なサービスがあればその点を教えてくれるだろう」と視聴者が「信頼」できる出演者たちが高く評価したという点も大きく作用したといえるでしょう。
このライブ中継は当社が運営している一直播のアカウントで放映したものです。同アカウントでの年末年始の放映では、関西の観光地や商業施設の福袋の放送に注目が集まっており、春節に向けての情報収集と考えられます。こうしたライブ中継は拡散性も高く、多い時で100万~600万回ほどの視聴に達することもあります。
ライブ中継を配信しているプラットフォームは世界最大の「Weibo」
当社の手がけるライブ中継の多くは「一直播」や「Weibo」で展開していますが、まず理解しておくべきはWeiboのユーザー数。Weiboは2017年11月のQ3発表において 月間アクティブユーザー数が3.76億人に達した との発表をしています。これは同様に短文投稿のSNSであるTwitterの「全世界の」ユーザー数を上回る数字です。
参考:
http://tech.sina.com.cn/i/2017-11-07/doc-ifynnnsc8828980.shtml
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/
この巨大なSNSであるWeiboと、一直播は「ライブ中継パートナー」の関係を築いています。一直播は独自のアプリやサイトでライブ中継を放映するだけでなく、Weiboにライブ中継を直接配信することができます。
Weiboは年代で言えば 30歳以下のユーザーが7割 を占め、全体の約半数を占める女性では ファション、グルメ、育児への関心が高く なっています。一直播と同じくMiaoPaiもWeiboのパートナーです、同サービスは「Miao=秒」の名前のとおり短い動画の投稿がメイン。つまりWeiboのユーザーがコンテンツの中でも多く目にする動画視聴・情報収集の拠点に、当社はパイプを接続しているといえます。
参考:新浪微博数据中心:2017新浪新闻客户端用户发展报告
まとめ
以上の事例からは、本物の体験を伝えてくれる「ライブ中継」という形式がそもそも中国人を引き寄せる形式であること、そして3時間近くのライブに飽きさせない工夫(企画や要所要所の着眼点)と、インバウンドと親和性の高いプラットフォームの選定がされていることが施策の要であることがわかります。今後は訪日のタイミングに合わせた施策に更なる集客の成功例が出てくることが予見されます。
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