前回は、サイト多言語化におけるサイトの作りや構成での落とし穴についてお話をしました。今回は、中国やロシア、中東の国などを例に、多言語化する際に 特定の国の場合考慮しなければならない事情 について解説します。
多言語化サイトを作るときの4つの落とし穴:インバウンド対策でホームページの多言語化対応するなら必ず知っておきたいこととは
さて、前回、訪日外国人向けのウェブサイトの多言語化対応において、サイト制作にも様々なコストがかかるというお話をしました。もし、あなたが多言語サイトを作る際には、元の日本語サイトの時点から気をつけなければいけないことが沢山あります。実際にいくつか紹介したいと思います。今回は、「多言語サイトの作り・構成に関する落とし穴」「アドレス(URL)の作り・構成に関する落とし穴」の観点から、4つの落とし穴について説明したいと思います。目次多言語サイトの作り・構成に関する落とし穴多言語化サイトで気をつける...
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
中国向けにサイト多言語化する時に知っておかなければならない中国のインターネット事情
中国のインターネット事情その①:金盾(グレートファイアウォール)の存在
こちらは金盾(グレートファイアウォール)が有名ですね。皆さん知っていても、実は対策はしてないのではないでしょうか?一応説明すると、金盾とは、中国が実施しているインターネット検閲システムで、特定の情報を中国国内でアクセス出来ないようにするシステムです。
中国のインターネット事情その②:「SNSリンク」にご注意
この金盾が存在するがゆえの「サイト中国対応あるある」がいくつかあります。その1つが「SNSリンク」です。よくネットサーフィンをしていると以下のようなボタンがあるサイトに出くわすことはありませんか?
よく見ますよね。でも、実は このリンクがページ上にあるだけで、中国国内からのアクセスがブロックされる可能性 が出てきます。
それはなぜかというと、金盾はアメリカの有名SNSを軒並みブロックしており、リンクが入っているだけで検知されてしまう可能性があるからです。そのため、もし「中国語版」を作るのであれば、中国語版のみSNSリンクを変更しなければいけません。
中国のインターネット事情その③:「Google翻訳キット」はつかえない
よく、以下のように「とりあえずGoogle翻訳キットで多言語対応しています」というサイトを見かけます。これにも落とし穴があります。
これも、先程のリンクブロックと同様の理由で、せっかく中国語対応をしても、Google翻訳キットだと、中国からアクセスされなくなってしまいます。Googleがブロックされているので当然ですね。中国語を用意していても、じつはこれだとほとんど意味がありません。
中国のインターネット事情その④:「政治的文章」にも注意が必要
こちらは、一般的にアルゴリズムが公開されているわけではないのですが、政治的な文言 が入っているかどうかチェックを事前に行う必要があります。
例えば、「チベット」のみであれば問題ありませんが、「チベット」という文章の中に、「人権」などが書かれていると、ブロックされる危険性が高まるようです。
他の国でもサイト多言語化する時に注意が必要な場合も
「ロシア」のインターネット事情:個人情報の取扱に要注意
ロシアは法令によって、個人情報はロシア国内のサーバーに保存しなければいけない という法律があります。つまり、ロシアでショッピングサイトを展開したい場合、購入データは個人情報にあたるので、サイトの表面だけをロシア語にして、データベースを日本に置いておくとロシア政府から注意される可能性が出てきます。
「中東」のインターネット事情:女性の露出に要注意
中東は女性の露出に対してとても厳しいという文化的側面を持っています。スターバックスのロゴですら違うくらいですので、その厳しさが分かると思います。
まとめ
このように、多言語化をして特定の国でサイトを展開するにあたっては、様々な文化的差異を学ばなければいけません。これらはポリティカルコレクトネスとよばれ、各国で何が不適切かは違うことを覚えておきましょう。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!