【事例紹介】KOLを起用したインフルエンサーマーケティングでのPDCAの回し方

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こんにちは、クロスシー編集部です。前回は、中国でのインフルエンサーマーケティングの主役であるKOLについて、彼らが単なる有名人にとどまらない理由をその本質から解説しました。本編では実際の施策の段取りと、指標となるポイントを取り上げます。そして最終的にKOL拡散の結果得られる効果と合わせて、観光地とECでの物販それぞれを例に紹介します。

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事例1:目標の4倍、1460万PVを達成! 潜在的顧客にリーチできるKOLと拡散の同時発生で露出効果を最大化

一つ目は日本のある観光地(地域単位)の知名度アップを目的としてKOLを起用した例です。地域への観光機運の促進と話題の拡散が行われました。

具体的な施策の内容はイベントタグを活用したフォトコンテストです。SNSのWeiboで同地域の魅力を伝える写真の投稿を募集し、既定のハッシュタグをつけて参加したユーザーに抽選で景品を贈ります。

この際のKOL選定の指標は、「日本旅行」への関心の高い層へのリーチができる人物であることはもちろん、潜在的に日本旅行へのニーズを抱いている層にリーチできるような人物という点を意識しました。現地生活者が「日本」といえば想起できるような知名度の高さを誇る日本人歌手を旗振り役に選定しています。キャンペーンのスタートを告げる一発目の投稿では、カメラマンと一緒に現地に行き、フォトコンテストの写真を撮っている様子がアップされています。ユーザーに参加を呼び掛けるこの投稿は狙い通り幅広い注目を集めました。

同時に 訪日カテゴリ、旅行系の情報発信 で知られる人気アカウントからの拡散も実施しました。こちらでは特に 人数とタイミング に注意を払い、数十名のKOLが同時に投稿するよう段取りを組みます。これは 話題が一気に拡散する ことを狙ったものです。Weiboではユーザーの注目を集めたトピックが「ホット話題ランキング」としてユーザーのタイムライン脇に表示されますが、フォトコンテストはこのランキングで最高12位、「旅行」カテゴリの話題ランキングに限れば最高4位という目覚ましい成果を上げました。結果、同施策は狙いを大きく飛び越え、設定したハッシュタグを基準に計測した月間PVは目標の350万をはるかに上回り、最終的には1460万PVという記録になりました。

事例2:自社ECサイトの成功は常時投稿のチェックと押し付け感のなさ。心からの情熱を引き出すコンテンツ案がポイントに

事例の二つ目は、ある美容関連商品を扱う日本発のブランドです。大学生以上の女性をメインターゲットにしています。メイクアップにおいて「自然さ」を重視する中国人のトレンドとも相まって、現在も売り上げを伸ばし続けています。日本からの中国ECへの進出といえば、Tmall、JD.comといった大手ECモールへの出店がメジャーとされる中、同ブランドでは自社ECサイトの開設という挑戦に乗り出し見事成功を勝ち取っています。

自社ECサイト運営の成功にはハード面での準備が万全であることは大前提ですが、同様に欠かせないソフト面の整備・運用で要となったのがKOL施策です。施策では、マーケティングの基本に忠実に、まずはターゲットのペルソナを明確に定めます。そしてKOL常時投稿を確認しながら 潜在的にニーズのある層にリーチできる人物も含むような顔ぶれで複数名を選出します。施策の開始後は、成果のよい方は継続して依頼すると同時に 毎月新しい人物をアサイン し、積極的に PDCAサイクル を回します。

キャスティングと同じく コンテンツの企画 も重要です。投稿が真に魅力的 となるよう、KOLが商品を体験する中で、楽しさを見出すポイントを押さえます。例えば今回のような美容関連商品であれば、KOL自身の審美観 でキャッチされるレベルの、おしゃれ意欲を刺激するアイテムやイベントを用意します。こういった文脈で発信される情報は必然的にテンションの高い、自分の言葉で構成されたものとなり、ファンの心に刺さります。

本施策の拡散の一例では、1人のKOLからの配信が数百万リーチ、コメントが数千件という結果が出ました。ここにクーポンという後押しを用意し、フォロワーの購入につなげています。

まとめ~KOL施策のPDCAはキャスティング、コンテンツの双方から回す!~

以上みてきた2つの例からは、KOL施策では以下の4点が施策設計の際注意すべきポイントとなることがわかります。

  • KOLの常時投稿(フォロワー属性を見極める)
  • 拡散の規模とタイミング
  • 人気KOLの継続起用と新規キャストの起用
  • 押し付けにならない切り口のコンテンツ企画

発信するKOLも人なら受け取るフォロワーも人です。KOL施策では両者の世界観や文脈に沿って商品の魅力を伝えることができるかどうかという観点を忘れてはいけません。キャスティングとコンテンツの双方でPDCAサイクルを回すことで、コアなファン層を構築することができるのです。

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この記事の筆者

株式会社クロスシー

株式会社クロスシー

株式会社クロスシー編集部。中国語圏向けに日本情報の提供をするインターネットメディア運営・レップ事業を展開すると共に、訪日観光客向けのマーケティング・ソリューションを提供しています。日本の観光立国を実現すべく、メインターゲットとなる中華圏への観光情報、サービス、商品について、日中間の情報格差を埋め、観光客にとって最高の日本体験の提供を目指しています。

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