こんにちは、クロスシー編集部です。
もう2か月もすれば夏本番ですが、実は中国人が日本に最も多く訪れているのは、春節のある初春でも、国慶節のある10月でもなく「夏」だというのはご存知でしょうか?(2017年の中国からの訪日外客数は7月約78万人、8月約82万人)学校、職場の夏休みがあり家族旅行シーズンであること、中国では6月が卒業の時期であり、卒業旅行として日本を訪れる層がいることが理由として考えられます。
参考:https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf
本日は、中国人の訪日旅行シーズンを前に、中国人観光客が旅マエでチェックするウェブサイトやオンラインサービスについて紹介します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
中国人の旅マエ情報収集は、SNSとブログ型メディアがメイン
日本人であれば、旅行先を決めたら、その地の情報をグーグルで検索…またはインスタでハッシュタグをたどる…といった情報収集を行う方も多いのではないでしょうか。中国では検索エンジンのBaiduや、中国版Twitterと呼ばれるWeiboがそれぞれ利用されています。
それらに加えて参考にされるのが「旅行」に特化したオンラインサービスです。まずは中国における旅行関連の事業者マップを見てみましょう。
出典:https://www.analysys.cn/analysis/trade/detail/1001301/
口コミを重視する中国人は、検索エンジンやSNSだけでなく、上図の中央に位置する「購買チャネル」や右側の「情報収集チャネル」も活用して旅先の情報を収集します。特に周囲と差別化を図りたいという思いが強く、まだあまり他人が経験したことのない旅行を求めている個人旅行(FIT)層は、「UGC」つまりユーザーによるオリジナルのコンテンツが集積しているサービスに価値を見出しています。こういった理由から、SNSのWeiboやWeChatはもちろん、「马蜂窝Mafengwo」や「穷游Qyer」への注目が高まっています。
ブログ型メディアMafengwo、Qyer と、OTA大手のCtripやTuniu(途牛)の違い
さて実際に「马蜂窝Mafengwo」「穷游Qyer」でユーザーにより投稿されているオリジナルコンテンツ(UGC)とはどのようなものなのでしょうか? OTAの老舗Ctripや昨今存在感を増しているTuniuとの違いにも着目しながら見ていきます。以下はMafengwoのトップページです。
Mafengwo、Qyerともにトップページの検索窓の下には、ユーザーが投稿した旅行記が並びます。投稿されたコンテンツは読みごたえのあるボリュームで、写真をふんだんにつかったブログ形式です。見ているとテンションが上がってきてしまう非日常的な旅先の雰囲気をまとった印象的な写真が並びます。同時に、記事の中には時刻表のキャプチャが盛り込まれていたり、空港の案内図と出国までの手順がまとめられていたり、旅先での注意事項が整理されているなど、旅行者の視点で役に立つ情報が提供されていることがわかります。
一方のOTA二強であるCtripやTuniu※では、お得なツアー旅行や航空券がトップページに紹介されており、情報収集よりは航空券や宿泊先の手配に利用されていることがうかがえます。 ※調査機関「易観」中国在线度假旅游市场专题分析2018による
まとめ ~海外旅行と自由旅行の比率はますます高まる、日本の魅力発信が肝に!~
中国の調査機関「易観」によれば、オンラインレジャートラベルの2017年市場において、海外旅行が半分以上を占めています。また2017年の旅行者全体における個人旅行の比率は7割に迫っており、その市場規模は前年の424.1億元から650.1億元へと成長しました。一方で、団体旅行の消費額総計は減少しています。
こういった流れからも、今後より多数の中国人旅行客が個人旅行という形で海外旅行へ出かけることが予測され、その際に旅先の情報を集めるためのMafengwoやQyerといったサービスがますます利用されていくと考えられます。より多くの中国人旅行客へ日本の魅力を発信しこの機運を取り込むために、SNSマーケティングだけでなく、こういったブログ型メディアを活用しない手はないでしょう。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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